個が重んじられ、ダイバーシティなる横文字が流行する時代です。「〇〇ちゃん、結婚はまだなの?」なんて言おうものなら即セクハラ認定されます。よほど仲良くない限り個人の私生活には関与しないのが基本。
生き方、人生観が多様化した影響が大きいです。昔はそれなりの年齢になれば結婚するのが当然でしたが、今では30過ぎて未婚の人も普通にいます。
特定の価値観の押し付けは好ましくないと私も思います。余計なことは言わない方が得策でしょうね。自分の成功体験、失敗体験から良かれとも思って周囲に助言する人がいますが、往々にしてそれは余計なお世話になりがちです。特に男女関係の発言は気を付けた方がいいですね。
40過ぎて結婚して子どもを作った上司が飲み会の場で「子どもは20代のうちに作っておいた方がいいと思うよ~」って言ってました。その場にいた女性社員達は適当に愛想笑いで返していましたが、正直余計なお世話だよという心境だったでしょう。僕は聞いてない振りしてましたw。部下を想って自分なりの親切心で言った言葉でもそれは正義感の押し付けと受け止められて、ウザい言葉になりがちです。
自分の成功体験をさも普遍的な成功原則かのように言ってくる人もウザいことが多いです。その人にとって良かったことが、別に誰かにとっても有益とは限りません。
20代前半の頃、某監査法人にいたんですが、その時の上司というか先輩がめちゃ怖い人でした。僕が22歳でその人が30歳くらいだったっけな。仕事に厳しく、ミスしたり仕事の出来が悪いとすぐに怒鳴る。のくせにちゃっかりメールは優しい(メールは記録として残るから)。まあ、めちゃくちゃ優秀でできる人でしたけどね。
その人は事あるごとに「いいかあ、若い頃は終電とか気にせず馬車馬のように働くもんなんだよ!! 俺はそうしてきた。」と言ってました。僕はそれを聞いて「んなの知らんがな。お前がそうしてきただけやろ。」って内心思ってました。自分が若い頃長時間労働してきたからって、それを後輩の俺にも押し付けんなこのクソ野郎がって思ってましたね~。まあ、今ではいい思い出ですが、当時はホントに出社するのが嫌でした。この人とは別にもう一人、ネチネチうるさい女性の上司がいて、この人も大嫌いでした。
僕は高尚な志があって会計士を目指したわけじゃないです。若い内から比較的高給でいいなあ、数字も好きだし、くらいの気持ちです。早く一流になるために死ぬ気で働こう!なんていうモチベーションはありませんでした。その先輩とはかなり意識に差があったと思います。
ただ結果として20代前半の頃、遅くまで働いて(働かされて)たくさんの経験を積めたことは今になって活きていると思います。エクセル操作などの実務的なことから、会計理論的なことまで叩き込まれました。今は某企業の本社経理にいますが、仕事で付いていけなくて困ったことはあまり記憶にないです。あ、英語のテレカンは今でもしんどいですが。
そういう意味では、その馬車馬先輩には感謝すべきなのかもしれません。あの時は嫌で嫌で仕方なかったけど、若い頃の濃密な経験は中堅の今になって役立っている気がします。スキル的にも精神的にも。ちょっとやそっとのストレスくらいへっちゃらになりましたし。
でも僕自身は、後輩に「馬車馬のように勉強して働けー!」なんて絶対に言いませんw。この辺はやっぱり人それぞれだと思うからです。給料もらっている以上、与えられた役割は最低限こなす必要はありますが、プラスアルファでどれくらい頑張るかは各人のやる気次第です。人の時間を奪うのは財布からお金を取るのに等しいと思っています。
なんですけど、正直本音を言うと、せっかく本社経理に来たんだからもうちょっと簿記に興味を持って勉強して欲しいなあと思うことが多いです。やっぱ連結会計って難しいですよ。勉強をせずにいきなり配属された場合、ただルーティンのタスクをこなすだけですべて理解できる領域ではないです。話しているとわかるんですよね。本質的に理解しているのか、上っ面だけしかわかってないのかって。
でも言わない。「この本オススメだから、休日とかに読んで勉強してみれば」とかそういうことは言わない。貴重な休日の過ごし方を僕がコントロールする権利なんてないから。
人それぞれ、人それぞれ、人それぞれ。そう現代は「人それぞれ」の時代。ただ、それを隠れ蓑にして、本来言うべきことも言えてないことがあるかもなってたまに罪悪感を抱きます。「人それぞれ」を言い訳にしているというか。なんか効率の悪い資料の作り方してんな~と思っても、「まあ人それぞれか。これが彼なりのやり方なんだな。」ってスルーしてしまう。いや、そこはちゃんと言うべきでは・・。
何でもかんでも「人それぞれ」と言い出すと、年長者のアドバイスはもはやこの世から消えちゃいますね。もちろん、人生経験が長い人の考えが必ずしも正しいわけではありませんが、学ぶべきことも多くあると思います。「人それぞれ」を認める風潮。個人の考え、価値観を尊重する風土。ダイバーシティ。これらは組織にとって大切なことだと思うけど、行き過ぎると弊害もあるなあと最近感じます。
私は嫌われる覚悟で1回はアドバイスや注意はしますが、改善が見られないようなら諦めますね。何回も怒ってパワハラ、セクハラで訴えられると嫌ですし。
仕事を取り上げるのもパワハラになりますので、必要最低限の仕事を任せて、
あとは雑談で周りには仲がいい風でやってます。
もちろん、積極的に質問や相談をしてくる後輩には全力で対応しますが、
何も言ってこない後輩には好き勝手にやらせてます。
今のご時世、上の立場からのアドバイスは極力やめたほうがいいと思います。
現に私が上司からのアドバイスしてもらった時、口ではありがとうございますといいますが、内心は「うるさい黙れ」って思ってることが多いので笑
怒るのはエネルギー使いますよね。
私は上司からのアドバイスは基本的に素直に受け止めています。
ただ、最近は上司が変わって、何も言われなくなってちょっと寂しいです。
監査法人との時とは大違いです(笑)。
まあこれはこれで楽でいいですが。
何かあるとすぐにパワハラだセクハラだと言われて、上の人にとっては大変な時代ですよね。
「こんなはずじゃなかった」と思っている人はたくさんいそうです。
薔薇の艦隊(https://rosefleet.net/)のドルチェです。
ご無沙汰しております。いつも楽しく拝読しております。
私の(現実世界の)会社でも、diversity & inclusion(多様性と包含)に
今期から本格的に注力しはじめました。
経営層と全社員、会社一丸となって企業風土の改革に取り組んでいます。
もともと日本的文化の根強い会社で、良く言えば「モノカルチャー」
悪く言えば「同調圧力」が支配する会社風土でした。
しかし、ここまでがらりと会社方針が転換されると
これまでいやいや参加していたさまざまなことが思い出され、
あのときの我慢、苦痛、苦労っていったいなんだったんだろう、と感じます。
今、偉くなっている上層部も、自分たちは我慢してこの地位まで上り詰めたが、
さすがにこのままじゃいけないと危機感を感じているのでしょう。
今後、優秀な人材を呼び寄せるには、
多様性を受け入れなければ生き残っていけない
厳しい時代になったのでしょうね。
会社優位(モノカルチャーで支配できる組織体制)から、
人材優位(多様性を受け入れ、能力を発揮してもらう組織体制)に
好むと好まざるとにかかわらず、どの会社も変化していくことになるのでしょう。
私のような、人に縛られるのが大嫌いな人間にとっては、とても歓迎できる潮流だと思います。
一方で、私が定年退職する頃には、すっかり日本社会も変わっているのではないかと、
(定年退職すらなくなって、死ぬまで働くことになるかも)
一抹の不安も感じながら、通勤電車の車窓からビル群を眺める日々を送っています。
だからこそ、老後の不安払拭のため、米国株で資産を増やすことがますます重要になりますね。
ドルチェ
ドルチェさん、こんばんは。
トップが変わると会社はガラリと変わりますね。
そして、トップのマインドに影響を与えるのが世間や政府でもあります。
国が働き方改革、コーポレートガバナンス改革を声高に叫んでいる効果は確実に出ていると感じます。
弊害もあると記事で書きましたが、ダイバーシティは現代の組織には必須だと思います。
インターネットの時代になってもはや国境なんてないようなものですし、色んな国の様々な価値観を持つ優秀な人材を集める必要があります。
うちの会社はいまコンサルを入れて人事制度を改革しているみたいです。
どうなるかわかりませんが、今より実力主義になればもうちょっと仕事のモチベーションも上がるかもしれませんw。
私も人に縛られるのが嫌いで自由が好きな人なので、今の流れは歓迎です。
早くフレックス制になって欲しいです。
米国株など仕組みで稼ぐ金額を少しずつ増やせると、人生は格段に楽になりますね。