「遊びを仕事にしよう」なんていうメッセージを真に受けてはいけません。確かに遊びと仕事の境界線は無くなっているように見える領域もありますが、遊んでお金を稼げるなんて普通は無理だと思った方がいいです。

抽象度をコントロールする力ってすごく大切です。抽象度を上げるだけでなく、下げる力も大切。誰かの発言や書籍の内容がどれくらいの抽象度なのか、ぼんやりでいいから把握しておく必要があります。でないと、誤った解釈をしてしまう恐れがあります。

自分が情報を発信する時は、抽象度を上げる力が求められます。「要するに・・・」と言えるかどうかです。自分の言葉で。それを言うためには、自分自身がきちんと腑に落ちて理解しておく必要があります。でないと「要するに・・・」なんて言えませんよね。

抽象度が適切にコントロールされた文章は読み手の印象に残ります。ああなるほど確かにそういう見方もできるな、って思ってもらえれば書き手の勝ちです。そのためには極端に抽象度を上げればいいってもんじゃありません。具体と抽象を行き来しながら、最後にうまく抽象化して仕上げるということです。難しいですね。偉そうなこと言ってますが、自分にそれをできている自信はありません。あくまで理想論です。

一方で、自分が情報を読むときは、抽象度を下げる力の方が大切かなと私は日頃感じています。著者のメッセージをそのまま受け止めるのではなく、自分の場合にはどう当てはめるのが適切か考えるということです。抽象化されたメッセージは万人向けに加工されたものですから、それを自分用にアレンジする必要があります。

「遊びが仕事になる」とホリエモンは著書の中などで言っています。本人は決して嘘を言っているつもりはないでしょうが、その言葉を抽象度を落とさずに受け入れると勘違いしちゃいます。

社会を知らない大学生や高校生が「遊びが仕事になる」というメッセージを見て、「そうか、真面目に就職するなんてもう時代遅れなんだ。遊んでる姿をSNSで発信してインフルエンサーになれば楽しく稼げるんだ!」なんて思っちゃいそうで怖いです。

別に企業に就職することが正解だなんて思わないけど、そんな甘っちょろい発想で「遊び」を始めても、大して稼げずに貧困化するのは目に見えています。

お金を稼ぐというのは常に顧客ベースでないといけません。当たり前ですが。自分が楽しむだけでお金をもらえるわけはありません。そういうのは当然のこととして理解されているという前提があります。

最近ホリエモンのYouTubeを見始めましたが、話題に挙げているのはその時ニュースになっている時事ネタが多いです。最近だとヤフーとLINEの統合とか。そういうリスナーのニーズが高い話題を選んで、かつ冷静で面白い分析を述べてくれます。勉強になります。だから、10分という貴重な時間を捧げてもよいと思えます。結果としてホリエモンは広告収入を稼げます。

色んな働き方がある時代ですが、社会の需要を意識せずに好き放題やって稼げることはあり得ません。お小遣い程度なら別ですが。

頭が良い人は言葉を省略しがちです。本質をズバッと言いすぎるところがあります。情報発信力のあるインフルエンサーの言葉を聞くときは、そのメッセージの抽象度を下げる努力をしてみるといいです。