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住宅購入に慎重になるべき3つの理由

      2017/09/13

私は賃貸派です。

家を買うつもりはありません。特に新築住宅は実質投資利回りが悪すぎるので手を出す気にはなれません。良質な中古住宅であればポートフォリオに含める価値はあるかもしれませんが、今現在の資産規模(2千万円弱)であれば住宅を資産一覧に含める気はありません。

私が住宅購入が嫌だと思っている理由には2つの側面があります。
1つ目が自分の価値観で、2つ目が経済的な損得計算です。

1つ目の価値観についてですが、これは自分の資産ポートフォリオは流動資産を中心に構成したくて、固定資産はなるべく持ちたくないということです。流動資産は現金もしくは簡単に現金化できる資産という意味で、固定資産とは簡単に現金化できない資産という意味です。株式は市場でいつでも売却できるので流動資産です。住宅は換金が容易ではないので固定資産です。

固定資産をなるべく持たないことで、なるべく人生を自由に生きれる体制を整えたいと思っています。住む場所を固定化されるのが嫌なんです。いつでも福岡に帰れる状態でいたいです。
これは何が正しいとかではなく、私の個人的な価値観です。

さて、この記事で詳細に語りたいのは2つ目の経済的な損得計算です。

個人が家を買うのはどうしても損な取引になりがちだと考えています。それも家を買わない理由の一つです。

しばしばマネー誌やヤフーニュースで、「賃貸 vs 持家」の経済計算比較がなされます。この記事でその計算をするつもりは一切ありません。ああいう計算はちょっと前提条件を変えれば、いくらでも結果が変わります。特に賃貸の場合は頭金の運用収益という重要な前提が抜けがちです。

そういう比較計算は横に置いておくとして、個人の住宅購入が経済的に損になる可能性が高いと思う理由を話したいと思います。

大きく3つあります。
①情報の非対称性が大きい
②個別性が強い

③リピート性がない

 

①情報の非対称性が大きい

主婦はスーパーでのお買い物のプロです。キャベツをいつもと違うちょっと割高な価格でこっそり売ろうとしても無理です。「あら、いつもよりお高いわね」とすぐに見破られます。

それは主婦が優秀だからではありません。単純に日常食料品の買い物の頻度が多いため経験値を積みやすいからです。女性であれば、人によっては子どもの頃からお母さんと一緒にスーパーでの買い物経験を積みます。

主婦は各商品の妥当な価格がどんなもんかある程度分かっています。販売側が価格を吊り上げて超過利益を得ようとしても難しいです。消費者側にも知識があるからです。

スーパーマーケットでの日常の買い物では、消費者と事業者の情報格差がほとんどありません。下手したら消費者の方が情報強者な時もあるほどです。だから、日常の買い物で消費者がぼったくられるリスクは小さいです。

 

不動産取引は違います。

新築マンションであれば単価は安くても2千万円はします。都内のマンションであれば6千万円以上する物件も珍しくありません。サラリーマンの生涯収入が3億円弱だとしたら、マンションの購入費用は生涯収入の1割以上に相当する可能性があります。まさに人生最大の出費です。

そんな住宅購入経験を、消費者が何度も積むことは事実上不可能です。初めて買うケースが大半でしょう。転職や家族構成の変化に伴って今住んでいる家を売却して、新しい家を買う人もいるかもしれません。それでも、不動産取引の経験回数は2~3回が限度ではないでしょうか。

私たちは住宅購入取引の経験値を貯めることができません。ドラクエで言えばレベル1で、銅の剣・布の服・バンダナを装備している程度の状態です。

一方で相手方はどうでしょうか。

取引相手の不動産業者は、何度も何度も住宅の分譲を経験してきています。消費者がどういう心理状態で家を買うのかよく把握しています。住宅購入のリスク要因もすべて把握しているはずです。

あなたにとっては人生最大の買い物であっても、不動産業者にとってみれば所詮one of themです。不動産販売会社はもちろん親身になって購入の相談に乗ってくれるでしょうが、購入者と同じ目線、真剣度で議論してくれることはないでしょう。他にも大勢の顧客を抱えているのです。

事業者側は不動産について深い知識を持っています。

不動産取引の経験が全くない消費者がノコノコとモデルルームに出向いて不動産会社と取引するのは、レベル1で魔王ゾーマに挑むようなものです。相手が強すぎ、こちらが弱すぎです。情報格差があまりに大きいです。

それは決して消費者がバカで不動産業者が優秀というわけではありません。
単純に経験値の差です。

資本主義社会の悪の側面の一つですが、買い手が情報弱者だとどうしてもぼったくられるリスクがあります。証券会社が高コストアクティブファンドを売り付けて、素人投資家が損をするのもその根本原因は情報格差です。

情報格差があると理解したうえで慎重に不動産会社と交渉するならまだマシですが、それを自覚せずに完全に相手の言いなりになって交渉するのは危険です。

高額商品は情報格差が高くなりがちです。高額なほど消費者の買い物経験が少なくなるからです。

 

②個別性が強い

自動車購入も住宅ほどではないものの数百万円する高額な買い物ですが、消費者がぼったくられるリスクは低いと思います。というのも自動車は商品個別性が薄いという特徴があるからです。

日産のコンパクトカーはマーチ、ノート、キューブの3車種くらいしかありません。こういう個別性が薄い一般化された商品であれば、たとえ高額でもネット上に数多くの口コミもあるので消費者が騙されるリスクは低いです。

一方で、住宅は個別性が強いです。全く同じ物件は世の中に一つとして存在しません。

個別性が強い商品では、たとえ過去に買い物経験があったとしてもその経験がうまく活かせない可能性が高いです。また、事前に希望物件の口コミ情報を確認することもできません。

完全に初見の住宅を買うことになります。
これは結構リスキーな取引です。

 

③リピート性がない

ここ結構重要だと思っているのですが、あまりメディア等で取り上げられない視点だと思います。

リピート性のない商売に安易に消費者として近づくのは危険なんです。なぜなら、リピートしてもらう必要がないため、事業者側は「最悪、無理矢理でも売りきっちゃえばいいや!」と思ってしまうインセンティブがあるからです。

私はスタバによく行きます。スタバはどこの店舗に行っても従業員さんの対応が素晴らしいです。スタバブランドが優秀なアルバイト従業員を引き寄せているし、本社の教育もしっかりしているからだと思います。

なぜ、スタバは店員の質を重視するのか?

それはスタバがリピータービジネスだからです。

初めて来店してくれたお客様に「またスタバに行きたい!」と思ってもらわないと、スタバは長期的な利益を確保できません。せっかく来店してもらったのに、店が汚い・コーヒーが不味い・店員さんの愛想が悪いとなればお客はリピートしてくれません。そうなるとスターバックスの業績は沈んでしまうでしょう。

スタバは企業文化というよりビジネスとして長期的な利益を確保するために、お店の綺麗さや独特の異国感、優秀な従業員を大切にしています。

どんな商取引にもリピート性があるのはむしろ普通です。ラーメン屋さんもリピート客を生めなければ、いずれ潰れてしまうでしょう。

自動車だって高額商品とは言えリピート性があります。
やはり数年毎に買い替え需要はありますから。

では、不動産はどうでしょうか?
新築マンションの販売にリピート性があるでしょうか?

「また我が社のマンションを買って頂きたいので丁寧に接客しなくては」と住宅販売会社は考えているでしょうか?

そういう意識はほぼないと思います。

だって家ですから。家は人生に一度しか買わないことが大半ですから。住宅販売はリピート性に著しく欠けるビジネスなんです。

そういうリピート性が小さいビジネスに近づくのは慎重になるべきです。販売側が顧客の利益を無視してでも、売ってしまいたいと考えがちだからです。

これは決して不動産販売会社の人達の性格が悪いと言いたいわけではありません。大学の友人で野村不動産や三井不動産に就職した人は複数いますが、みな真面目で勤勉な人ばかりです。人を騙して商売をやろうとする人なんていません。

ただ、人間にはどうしてもインセンティブの奴隷という側面があります。それは仕方ありません。てかそれでいいのです。カネカネカネと言うと印象が悪いですが、自分が経済的に得だと思う取引を皆が追及するからこそ、社会の有限な経済資源は無駄なく効率的に配分されるのです。

私だって経済的インセンティブがあるからブログをやっています。構想レベルですが、世の中に長期株式投資を普及させるビジネスをやってみたいという思いがあります。アクセス数に応じてアドセンス広告収入もあります。経済的インセンティブ完全にゼロのままブログをやり続けるのは正直無理です。それが本音です。私もインセンティブの奴隷です。

リピート性がないビジネスでは、事業者側に「無理矢理でも売り切ってしまえ!」と思わせるインセンティブが働きます。「お客に嫌われても売ってしまえばこっちのもんだ」という発想になるリスクが相対的に高いです。特に営業マンにインセンティブボーナス制度なんてあれば、余計に拍車が掛かります。

まあ、現代はネットの口コミで悪評はすぐに広まるので、あまりにリスキーなことは事業者側もできない環境になってはいますが。

だたそれでも、リピート性がないビジネスには消費者はあまり近づかない方が賢明だという点は変わらないと思います。

 

まとめ

住宅購入取引は消費者が経済的に損してしまうリスクが高いです。

・住宅販売側との情報格差が大きく交渉が不利なこと。
・家は個別性が強すぎて消費者が学習しづらいこと。
・住宅販売はリピート性が薄いビジネスのため割高な価格で売り付けられるリスクが高いこと
この3点が主なリスクの内容です。

何度も引っ越ししている身として思いますが、はっきり言って賃貸住居のクオリティは低いです。住居の質という意味では分譲 > 賃貸だと思います。

一人暮らしで家を積極的に買う理由はないかもしれませんが、家族が、特に子どもがいる家庭では住宅購入は選択肢になり得ると思います。世の中金だけじゃないですから。家族の幸せの為に家を買うということはあると思います。

その時は、住宅購入はこちら側が圧倒的に不利な立場にいるんだということを客観的に理解した上で、交渉に臨んだほうがいいと思いますよ。

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