突然ですが、以下は先月末のウォールストリートジャーナルの記事にあったグラフです。
このグラフ、何かおかしなところありませんか?
違和感ありませんか?
金融危機以降のQE政策でいかにFRBのバランスシートが拡大かしてきた、それを示すグラフです。昨年から少し縮小しているのがわかりますね。
さて、おかしなところ気が付きますか??
・・・
・・・
単位です。
単位おかしいですよね。
FRBのバランスシート規模を表すグラフなのに単位が「100万ドル」で縦軸が$0~5.0ってことは、グラフてっぺんでも500万ドルしかないってことです。さすがにそれはない。正しい単位は「兆ドル」のはずです。FRBの保有資産ですから、それくらい大きな数字になります。
あ、別にWSJを批判したいわけじゃないです。誰でも間違いはあります。WSJ日本版ってタイムリーに英文を和訳しているのもあって、ちょくちょくミスがあります。あまりに大きなミスは後で訂正差し替えを行っていますが、軽微なミスは放置されることも多いです。多分意図的に放置してます。読めばわかるので、小さなミスは放置で構わないのですが単位は大事かな~と個人的には思います。
数字の感覚を掴むって大事です。正確な細かい数字を暗記するよりも、ざっくりの規模感を持っておく方が有意義だと思います。
私は経理部ですが、自社の売上高、粗利益(率)、営業利益(率)、調整後営業利益(率)、純利益(率)、株式時価総額、資産総額、のれん金額、自己資本比率、PER、配当利回りくらいは大体わかります。正確な数字まで覚えてませんが、〇兆円とか〇〇%とか、ざっくりは頭に入っています。そんなの当然だろと思われるかもしれませんが、意外に把握してない人もいます。
こういうざっくりの規模感を把握してないと、一つの仕訳が全社のPLにどれくらい影響を与えるかパッと判断できません。もっと言えばA事業部の米国、B事業部の日本など細かい単位で把握する必要もあります。
別に経理の仕事に限らず、何でもざっくり数字の感覚を持つように心掛けています。
FRBの資産規模:4.0兆ドル~4.5兆ドル
アメリカのGDP:20兆ドル超(2,000兆円超)
日本のGDP:550兆円
世界の人口:70億人以上
日本の人口:1億2千万人くらい
フェイスブック利用者:20億人以上(世界人口の4分の1以上!!)
アップルの時価総額:1兆ドル到達が囁かれるレベル
iPhoneの年間販売台数:2億台くらい
iPhoneの稼働台数:10億台くらいだっけか?
↑
たとえば、こんな感じ。
基本的な数字しか把握してませんが。
こういう知識自体に価値はないと思っています。ググればソッコーでわかりますから。「世界人口」ってググれば3秒で世界人口数はわかります。ただ、毎回調べるわけにもいかないし、ある程度の数字感は頭に入ってた方が何かと便利です。
世の中の人がよく勘違いしている事実(数値)について書かれている本『ファクトフルネス』を最近読みました。この本はビルゲイツのオススメ本として日本で有名になりました。
例えば、「世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?」のような問いに対する答えや、なぜ勘違いをしているのかなどについて書かれています。
非常に刺激的で希望に溢れる本などでオススメします。
あ、その本、先週末に池袋のジュンク堂で平積みされているのを見ました!
目立つ場所に置いてあったので話題の本なんだと思って、少しだけ手に取ってパラパラとめくりました。
結局買わなかったですが、らっきょさんオススメならぜひ今週末買ってみます。
きちんと数字で世の中を理解するって大事なことですよね。
メディアはどうしても悲観的な話題が好きなので、それに染まり過ぎると世の中の良い変化に気付きません。
某東京の工業大学で工学部に所属している大学生です。趣味として株式投資を行っており、よくブログを読ませていただいております。日・米・ロシアに分散投資を行っています。
とても良い記事だと思ったので、初めてコメントさせていだきます。数字の感覚は経済だけでなくエンジニアにも非常に重要です。理学部の物理学は違いますが、工学部の数学、物理は具体的な数字を求めます。負荷や電圧、電流等いろいろです。出てきた数字に対しての感覚が身についていると計算ミスに気づきますし、出てきた数字がどれぐらいなのかな~という感覚を持つことができます。マークシート式の試験で数値を求める場合ですと、計算をしなくても答えがわかることが多々あります(私はこれを数値の感覚と呼んでいます)、出てきた数字から現実的な範囲の数字ではないことがわかったり、この設計は実現可、この現象は起こせるといったことがわかったりします。
私はざっくりとした数字の感覚は絶対に覚えておくべきだと思います。その点では人口やGDPと違い物理定数(重力加速度、電子の素電荷、1気圧、光速)などは絶対不変の物なので一度覚えると使いまわしが効き、とても便利です。
話しが少しそれましたが、数値の感覚は役に立たないものではなく、身に着けて覚えておくべきですし、経済の分野だけでなく数学や物理学でもとても有効です。こういう知識自体に価値がないということはなく、とても価値ある知識ですし役に立ちます。
ブログ読んで頂きありがとうございます。
マークシートと言えばセンター試験を思い出します。
常識的に考えて選択肢を外すことができる場合も結構あった気がします。
大枠を捉える鳥瞰的な目を持っていると、明らかなエラーを早期に排除することができます。
社会人として会計の世界で10年近く働いてきましたが、立場が上になるほど全体感を捉えてミスを察知する能力が求められるなあと感じています。
それと影響範囲の見極めですね、他部署を含めた。
こういうのは覚えようと頑張るのも大事ですが、経験がものを言うのかなと思います。3年くらい経つとだいぶ視点が広くなります。
物理学や化学、医学の分野ではこういった感覚はより大切そうですね。