為替がちょっと慌ただしくなってきましたね。現在1ドル114円台前半。つい1か月前は109円台でしたから、かなり急な円安ドル高です。まあ、こういうことよくありますが。

JPモルガンチェースの佐々木融氏は「為替は常にクロスレートを見る癖を付けなさい」と書籍や講演会で仰っていました。

一組の通貨の組み合わせだけ見ても、どちらの通貨が起因して為替が動いているのかわからないからです。いま円安ドル高が進んでいるわけですが、それが円安起因なのかドル高起因なのかはぱっと見ではわかりません。

ドル・ユーロ相場やユーロ・円相場など他通貨(ここではユーロ)を合わせて確認することで、ドルと円のどっちが動いているのか理解できます。

ところで、私はドル円については独自の確認方法があります。

WSJドル指数を見るようにしています。WSJドル指数とは主要16通貨バスケットに対するドルの値動きを示したものです。

以下は直近1ヶ月のWSJドル指数。

ウォールストリートジャーナルより)

WSJドル指数はこの1ヶ月で93.2→93.9になっています。ざっくり1%弱ほどのドル高です。

ドルは平均して1%ほど上がったということです。

一方でドル円はこの1ヶ月で109円→114円と約4.5%円安ドル高方向に動いています。つまり、4.5%の変動のうち1%はドル高起因、3.5%は円安起因と言えます。

ドルが強くなっているというより、円が弱くなっているのが現在の円安ドル高の背景ということです。

なぜこれほど円が売られているのでしょうか。そこはよくわかりません。ニュースではよく「リスクテイクの勢いが増して安全な円が売らて・・」とか言われますが、そんな単純な話ではないでしょう。

私たち米国株投資家にとって円安ドル高は一般的には喜ぶべき事象です。ドル建て米国株の円換算額が増えるので。最近の円安で含み益が増えましたよね。

しかし、真に喜ぶべきはドル高に起因する円安ドル高であって、円安に起因する円安ドル高は手放しで喜んでいいとは思いません。

なぜなら、それだけ日本が貧しくなっている証だからです。海外旅行はますます贅沢品になるし、海外からの輸入コスト(エネルギー価格など)は上昇します。

まあ、ドル建て資産を保有している私たちはまだ購買力を維持できるからいいですけどね。今みたいな円安ドル高はせいぜい購買力維持であって購買力向上だと思わない方が賢明です。本当に望むべくは円安ではなくドル高です。

そういえば、$3000ほどドル資金あったので、この円安環境を利用して円転しておきました。中古か新築かはわかりませんが、マンション購入の意志は固く、手付金で結構な額の円が必要になりそうだからです。$3000なんてほんの足しにしかなりませんが。