米10年債利回りが目安の3%を超えて、徐々に切り上がってきました。

金利上昇に弱いセクターの一つが、公益事業セクターです。

電力、ガス等の公益企業は高配当な上に、収益が法規制で守られているので、株式の中でも特に債券の代替とされやすいです。債券価格が下落して(利回りは上昇)、債券への投資妙味が出てくると真っ先に売られるのが公益株です。

金利上昇局面は、公益株ホルダーには辛いですね。

ただ、長期投資なら過度な心配は不要です。金利上昇は今後の経済成長と、継続的な物価上昇期待の表れなわけですが、公益企業は最終的にはきちんとインフレ率を加味した売価にすることで、一定のマージンを確保できます。

仮にインフレ率が上がったとしても、それに連動して公益企業の収益も増加するので、長期投資が前提なら、金利上昇による一時的な株価下落をそれほど恐れる必要はありません。

こうやって、インフレに強いのが株式の強みです。公益株はもっとも債券に近い立ち位置にいますが、あくまでエクイティであって、確定利息の債券とは異なります。

インフレは一度始まるとなかなか止まりません。経済は期待で動いているからです。そんな時、債券はどんどん価値が落ちていきますが、株式は長期的には価値を維持できます。それは、もっとも債券に近い公益株でも一緒です。