川の流れに身を任せて生きれたらとても楽ですが、現実は幸せを求めて、川の流れに逆らってしまうことが多いものです。故郷に戻る鮭のように。

人生一度っきりだし、流れに任せるだけというのも確かにつまらないものです。ただ一方で、どう頑張っても遡上できない川もあります。そういう時は諦めて流れに身を任せると割り切った方が楽になれる時もあります。

世の中、なるようにしかならんことは多々あります。

特になるようにしかならんことを3つほど上げてみます。

自然現象

この200年の地球の温暖化の原因が文明的な人間活動の結果であることは疑いようがありません。脱炭素を進めて、少しでも温暖化を食い止める努力は世界市民みなで取り組むべき課題です。

そういう長期的な気候対策はともかくとして、日常の天気の移り変わり、台風、地震といった自然現象は人がコントロールできるものではありません。

1年前から楽しみにしていた沖縄旅行の予定が台風で潰れてしまうこともあるでしょう。PCと向き合ってる平日は快晴なのに、お出かけできる土日に限って曇り空という日が多い気がします。

それらは誰を恨んでも仕方ないこと。運が悪かったと諦める他ありません。人間が日常の天気に影響を及ぼせる要素は全くもってありません(長期的な気候は別として)。

関東ではいづれ大きな地震が来ると言われます。ホントに起こるのか、ましてやいつ起こるかなんてわかりません。

来てもいいように耐震性のある家に住む、ハザードマップに気を使う、保険に入る、防災グッズを準備しておくなどできる限りの対策をしておくしかありません。

生命現象

卵に精子が入り、受精卵になって分裂をして胚になり、各種臓器や骨、筋肉が出来上がっていくプログラムはどんなコンピューターよりも複雑かつ精密に思います。

そんな生命の謎を人間がすべて解明するのは相当に難しい話です。

アルツハイマー病の治療薬は開発がとても難しいと聞きます。専門的なことは知りませんが、アミロイドβやなんとかタンパク質が脳に溜まることで起きるようです。喫煙、運動などの生活習慣が発症確率にどれくらい影響を与えるものなのか、遺伝なのか。この辺の詳しいところはわかっていないことが多いそうです。

食生活、運動、睡眠などに気を配ることで健康は管理できる面もありますが、すべてをコントロールすることはできません。どれだけ健康第一で生活していても、突然難病に襲われることはあり得ます。

ワクチンを打ってもコロナにかかる人もいれば、ワクチンを打たなくてもかからな人もいます。そう言えば、日本人は遺伝的にコロナで重症化しづらいという話を聞きましたけど本当なのでしょうかね。

人間の体はそんなに大きなものではありませんが、その謎の深さは宇宙レベルです。

人類レベルで生命の謎探求を諦めるべきとは思いませんが、個人レベルでは諦めも必要かなと思います。

諦めというのは健康管理や治療を諦めるという意味ではなく、「なんでこんなに健康に気を使っていた自分がこんな目にあってしまうんだ。」とか「なんで自分だけ・・」的なマインドはなるべく持たない方が精神的に楽になれるのではという意味です。

普段の生活で管理できる心身の健康問題の範囲には限界があって、まだ人類が発見できていないファクターX,Y,Zが作用している面が多分にあるはずです。そこは神のみぞ知る領域です。

他人の心、行動

なるようにしかならんことの3つ目が他人の心、行動です。

好かれようとがんばって異性にアプローチしても報われないこともあります。お天道様は見ているだろうとコツコツ地味な仕事を続けていても、上司に評価されずに昇進できないこともあります。

「たとえばどうにかして君の中入っていて その瞳から僕をのぞいたらいろんなことちょっとはわかるかも」という歌詞が某ヒットソングにあります。確かに入れるもんなら入ってみたい人は周りにいます。

アピールはできても他人の脳内を覗き見て、印象を書き換えることはできません。他人の評価を、ましてや他人の行動をコントロールするなんて不可能と割り切った方がよいと思います。

承認欲求を完全に消すというのも難しいところがありますが、他人の評価を気にし過ぎて生きるのは不自由です。

何事も「よそはよそ、自分は自分」という前提を持つように心がけています。

それは自分以外の世間に全く関心を持たないということを意味するわけではありません。この高度に文明化された社会では、人は一人では生きられません。

自分は社会の一部であることを自覚し、社会問題に関心、意見を持ちつつも(SNS等で言い過ぎる必要はないと思うけど・・)、あくまでコントロールできるのは自分の意見、感情、行動であって、他人のそれらを無理に変えようとしないことが大切かなと思います。

正義感は人それぞれあるわけです。戦争を起こすことが正義と考える人もいるのです。当然全く共感、理解できないけども。