これは2017年12月末のフェイスブック(FB)のバランスシートです。

短期投資を含む現預金が総資産の半分を占めていて、その金額は400億ドルを超えています。自己資本比率は88%と有利子負債は小さいですから、債務返済のために現金を抱える必要はありません。成長投資に資金を回す必要もまだあるでしょうが、同社のキャッシュフロー計算書によれば、毎年の資本支出の金額は100億ドル未満で十分営業CFの範囲内です。

2014年のワッツアップ買収(買収金額190億ドル)並みの大型M&Aでも予定していない限り、これだけ多額の現金を保有しておく合理性はありません。現金が価値を生まないのは個人も企業も一緒です。

デジャブです。全く同じようなバランスシートをつい最近見ました。

アルファベット(グーグル)です。アルファベットのBSも同じような構造をしています。以下は2017年12月末の同社のBSです。

めっちゃフェイスブックと似たBS構造ですよね。自己資本比率は高く、総資産の半分がキャッシュです。アルファベットもそろそろ配当を出さないと株主は納得しないのでは、という記事を先日書きました。

同じように、フェイスブックも無配を貫く合理性を説明するのは難しい状態です。繰り返しですが、かつてのワッツアップ買収のように100億ドルクラスのM&Aでもなければ、利益を株主に還元すべきでしょう。素人発想かもしれませんが、フェイスブックのBSを見るとそう思わざるを得ません。

ザッカーバーグCEOが依然として議決権の過半数を所有しているので、配当を出すかどうかは彼がポチッと発射ボタンを押すかどうかに掛かっています。