現代社会は変化が激しい。人口推移を見れば一目瞭然。

10年前、社会人になったばかりの頃は通勤電車の中では日経新聞読んでることが多かったです。Webじゃなくて紙の方ね。てか、日経電子版が始まったのは2010年頃で当時は紙版しかなかったかも。狭い電車の中で半分に折りたたんで、頑張って新人なりに社会情勢のお勉強をしていました。満員だと読むのを諦めることも多かったですが。

あれから10年。電車内の様子はガラリと変わりしました。車内で紙の新聞を読んでる人なんてほとんど見かけません。ラッシュ時にはまずいませんね。空いている時間だとたま~に見かけますが、かなりレアです。先日40代くらいの女性が紙の日経読んでるのを見かけて驚きました。物珍しそうにジロジロ見てしまったかも。。

・スマホいじる
・読書
・音楽聴く
・何もせずボーっとする
今の電車の乗客の行動パターンはこの4つに分かれる気がします。私は朝の出勤の社内ではスマホで経済ニュースを読んでいることが多く、帰りの電車は読書しているか、疲れてボーっと外を眺めていることが多いです。

周りを見ているとスマホいじっている人が圧倒的に多いですね。SNS見てたり、ゲームしてたり、ファッション系の通販サイト見てたりと色々見かけます(そんなジロジロ他人のスマホ見ないけどね。チラ見ですw)。

やはりスマホの普及が大きいです。スマホほど暇つぶし、隙間時間を埋めるのに最適なデバイスはありません。もう今となっては10年前、20年前の電車の中の様子を思い出すことは難しいです。高校生の時は電車通学(15分くらい)だったんですが、車内で何してったけなあ。テストの時は直前追い込み勉強をしてたかな。それ以外は、、あまり覚えてないな。最近の高校生はみんなスマホですよね。勉強アプリも色々ありますし。

ITが発達した現代は社会環境が10年単位で様変わりする時代。よく言われることで慣れているかもしれませんが、これほど変化が激しい時代は過去にはありませんでした。

これは西暦200年から現在までの世界人口推移です。

(Source:Worldometers

小さくて見づらくてすみません。現在世界人口は77億人ですが、120年前の1900年時点ではわずか16億人でした。さらに100年前の1800年は10億人。日本で「関ヶ原の戦い」が起こった1600年頃の世界人口はたったの5億人です。

上のグラフは決して「複利の魔法」ではありません。時が経過するごとに人口増加率は上昇していきました。各年代の人口増加率をグラフ化してみました。

(Worldometersのデータより筆者作成)

600年代、700年代は100年かけて5%しか人口が伸びませんでした。人口増加率が顕著に伸び始めたのは1700年代になってからです。1700年代と言えば、イギリスで産業革命が起こり蒸気機関、石炭をエネルギー源とする軽工業が発達し始めた時です。鉄道の敷設もこの頃始まりました。

20世紀(1900年代)の人口増加率は284%と他の時代を圧倒しています。1900年に16億人だった世界人口は2000年に61億人にまで達しました。テクノロジーの発達がこれだけ膨大な人間を飢えさせることなく生活できる、豊かな環境をもたらしました。

産業革命以前は、未来は誰でも簡単に見通せました。なぜなら、大きな変化は何も起きないからです。庶民はせっせと農作業に従事して税金を取られ、飢餓に怯えながら慎ましやかに生きるのみ。社会を変える大きな技術変化もなく(そういう発想すらなく)、生まれてから50年、60年と変わらない農業、牧畜生活を送りました。

それが普通。
変わらないのが普通でした。

ところが、現代は違います。変化が当然の時代。「激変する社会環境に求められる企業経営とは」なんていう講演会のお題目はありふれたものです。この10年でスマホが一気に普及して人々の生活習慣を変えたように、これから10年も大きな変化が起こるでしょう。その萌芽はすでに表れています。ぱっと思い付くキーワードは「自動運転」、「AI・人工知能」、「ブロックチェーン」、「フィンテック」、「スマートシティ」、「5G」あたりでしょうか。

もはや10年後の未来なんて予想不能じゃないですか?
昨年、社内の研修で元マッキンゼーのお偉い先生が「2022年には日本でも自動運転車が普通に走っているだろう」とか言ってましたが、多分無理っぽくないですか。あと3年ですよ。。

頭の良い専門家ですら5年後、10年後の社会を予見できません。ましてや、20年後30年後なんて全くわからないです。少なくとも、私には予想不可能。

長期投資のポートフォリオ作りも難しい時代。インデックス投資が安パイだな。

インフラという点では本当に投資がしやすい時代になりました。ネット証券を使えば低コストで日本株でも米国株でも債券でも買えます。わざわざ企業に要請しなくても、ググれば企業の決算書を閲覧することができます。どこどこを買収するとか増資するかリストラするとかいった類のニュースも、瞬時に世界に拡散されます。

ほんっとに便利ですげー時代。資本コストが下がってPERが上がるのもむべなるかな。

ただ、未来を見通しづらいという点では長期投資の判断が難しい時代とも言えます。そこは大変ですよね。私たちは10年とは言わず、20年30年あるいは人によっては50年レベルの投資期間を想定しているかと思います。しかしながら、ほんの10年先の未来も予想できないのに、どうやって30年先を予想すればいいのでしょうか。どうポートフォリオを組めばいいのでしょうか。

10年、20年経っても欲しいと思うものを作っているかどうか、これが私の投資判断の基準です

ウォーレン・バフェット

買い付け前に両眼を閉じて、いま正に投資しようとしている企業の十年後の姿をじっと思い抜く

ウォーレン・バフェット

とバフェット先生はおっしゃいますが、10年後20後の企業の姿を想像するのは難しいです。特にハイテクセクターは栄枯盛衰が激しいでしょう。アップルやアルファベット、アマゾンは30年後も存続しているのでしょうか。

ディフェンシブと言われるヘルスケアだってわかりません。もしDNAを操作して癌などが大病が一切起こらないようになれば、その治療マーケットは消えます。不老不死が実現すれば、新たな巨大なマーケットが生まれるかもしれません。「何しょーもないこと言ってんだ」って思われるかもしれませんが、決してあり得ない話ではありません。不老不死は30年程度の時間軸では夢物語に過ぎませんが・・。

衣食住は安泰かな。食べる飲むという生理的な人間活動は変わらないでしょう。ただ、この業界もテクノロジーの波が押し寄せています。植物由来の代替肉を手掛けるビヨンド・ミートが最近IPOを実施しました。動物を殺さずに肉を食うのが普通になるかもしれません。まあそれでも、食べる飲むというマーケット自体が消えるわけじゃありませんけど。

変化が早いこの時代にどう長期投資のポートフォリオを組むのがいいのでしょうかね。私は答えを持ち合わせていませんが、飲料食品を始めとした生活必需品セクターは比較的安心して投資できるかなあと思います。あと、自分の投資銘柄に固執しない柔軟な姿勢も大切かなと思います。永久保有の気持ちは大切だけど、企業が衰退するリスクを常に想定しておく。長期投資であっても銘柄入替は全然ありでしょう。

また、こういう現代の特性を考えるとS&P500やNYダウ等のインデックス投資の優位性がより際立ちます。S&P500に投資しておけば個別企業の存続を見定める必要はなく、その投資成果は資本主義というイデオロギーの存続にかかっていますが、恐らくそこは大丈夫でしょう。恐らく・・。

私はインデックス投資に戻るつもりはなく、個別株投資を続けますけどね。別に未来を見通せる自信があるからではありません。一度個別株投資にはまると抜け出せないのです。