富は資本家から労働者階層にトリクルダウンしている

iPhoneは1台10万円くらいしますが、これってめちゃくちゃ安いと思いませんか。スマホに触らない日は1日もないわけで、2年使うとしたら1日あたりのコストはたったの135円です。

通信費はなるべく削りたいですが、スマホの端末代をケチろうとは思わないです。iPhoneが高いからってアンドロイドへの乗り換えを考えることありません。

iPhoneという超絶便利なガジェットがたった10万円で手に入るのは、アップルの企業努力の賜物です。アップルのコスト削減、悪い言い方をするとサプライヤーいじめは半端ないと聞きます。まあビジネスは交渉力次第なので仕方ない面はあります。

イノベーションは確実に消費者に恩恵をもたらしています。スマホが良い例です。

世の中は金持ちに有利にできているとよく批判されます。

本当にそうでしょうか?

金持ちとは起業家や資本家のわけですが、彼らのリスクテイクと多大な努力のおかげで私たちの生活はとても便利になっています。

富裕層から低所得層にマネーが徐々に滴り落ちる富のトリクルダウンは起こらない。金持ちはますます金持ちになるだけ。そう言われることが多いです。

確かに表面的な保有金融資産の額を見ればそうなのかもしれません。しかし、生活の利便性向上という点まで見れば、実質的にはトリクルダウンは起きていると思います。

アップルの創業者、出資者、資本家は莫大な富を得ているわけですが、その富よりも私たちiPhoneユーザーが得ている「富」の方が遥かに大きいのではないでしょうか。総体として見れば。

そもそもグローバルで売れる製品を作るにはコストを下げることが絶対必要条件になります。プライベートジェットみたいなほんの一部の富裕層を相手にするのでなければ、日本みたいな先進国の中間層が難なく買える程度にはコストを下げる必要がありますから。

国家は労働者よりも起業家、資本家を大切にするものです。労働者は逃れられない重税で縛り付けるけれど、起業家には多少グレーな経費も暗に認めています。

それは国家繁栄のためにはリスクを取ってくれる人を優遇した方がよいからです。iPhoneを生み出してくれるたった一人の起業家の方が、その他1万人の労働者よりも富を創造してくれます。

リスクを取ってビジネスを興すのは、成功すれば金持ちになれるからです。私有財産が保護されているからです。アップルのような企業が生まれるのは、そういう法的な土台、文化があってのことです。それがアメリカです。

日本のマーケットには期待できない。価値観の不一致

話を日本に移します。

金融所得課税の増税の話は以前から出てましたが、今日のニュースで「自社株買いの制限を検討」という見出しを見ました。もうビックリ仰天です。一体全体、総理は何をお考えなのでしょうか。

具体的にどう制限するのか詳細は読んでませんが、ホントこういうのは止めた方がいいと思います。民間企業が利益をどう処分するかなんて自由でしょ、普通に考えて。自社株買いの制限って私有財産権の侵害に当たるとさえ思いますね。

ブログであってもあんまり政治の話をするのは好きではないですが、現政権の政策があまりに酷いのでどうしても勢いで書いちゃいます。思いの丈をありのままに。

アメリカがインフレ率前年比6%を超えて、ようやく金融引き締めを考えているところです。テーパリングも早まりそうです。マーケットは今のところうまく消化しているみたいで良かったです。

一方で、徐々に物価が上がってきたとは言え、まだインフレ率が前年比で+0%台の日本で金融引き締めどころか財政引き締めをして何の意味があるのでしょうか??

アメリカみたいに庶民が怒り出すくらいのインフレが起きてから、金融所得増税やら自社株買いの制限を考えるのでも遅くはないと思いますけども。

目先の庶民の溜飲を下げるために、パフォーマンスで資本家いじめをしているだけに見えます。

でも資本家を大切にしない国ではリスクを取る人が減るので、長期的には衰退するものだと思います。それでも構わないというのが日本の選択なんだと理解しています。

日本はすぐにネガティブな報道するのがよくないところ。メディアが消費者をデフレマインドにしている面も否めないと思います。

なるべくポジティブ思考でいたいです。でも、どっから見ても今の政策はネガティブにしか捉えることができません。残念ながら。

ただ正義感は人それぞれ。世の中に絶対に正しいこと、間違っているというものはありません。ここに書いたこともあくまで私の意見、正義感、ポジショントークに過ぎません。

自分の価値観と国の価値観が合わない。ただそれだけとも言えます。だからって日本を飛び出す勇気も語学力もないですが。

金融資本だけでもアメリカに置けて本当に良かった。それだけで救われます。インターネットのおかげですね。IT革命を牽引してくださった多くの起業家、資本家の方に心から感謝します。