コロナウイルスの1件が起こってから、薬局やコンビニからマスクが消えましたね。私の自宅すぐそばのコンビニも在庫ゼロでした。高値で転売されたり、他の商品と抱き合わせで売られたりして問題になっているみたいです。花粉症の時期とも重なってマスク不足は深刻な問題になっています。

こういう時、お金ってホントただの紙切れで無力だなあと改めて思います。お金を払えば何でも手に入る、お金を持っている人が偉い、なんてことはありません。商品ありきです。商品を作ってくれる人がいるから、お金と商品を交換できます。お金とは単なる媒介物に過ぎません。

マスクを作ってくれる人がいなければ、作ってくれる人がいても供給が追い付いていなければ、いくら金を積んでもマスクを買うことはできません。発電がストップしてしまえば、どれだけ割増の電気代を払っても明かりは付きません、iPhoneも充電できません。

でも、心配しなくてもマスクはいずれ店頭に並んで普通に買えるようになるでしょう。なぜなら、企業が頑張って増産して供給不足を解消してくれるからです。

なぜ企業は頑張ってくれるのか?

困っている人を助けたいから・・

確かにそれもあるけど、結局は商売だからです。作って売れば儲かるからです。他者貢献が自己利益に繋がるからです。そういうもんですよね、世の中。儲からないことを続けるのは普通は無理です。自分が食っていけなくなるし、株式会社だと株主利益に反するとして訴えられることすらあります。経済的に儲かることにリソースを集中するから、労働力を含む世の中の有限資源が有効に活用されます。

この世の中、よくもまあ物質的に豊かな状態で日々回ってるなあとしみじみ思うことがあります。日本だけでも人口は1億人以上もいて、その大半がお互い顔も見知らぬ赤の他人です。私とあなたも今まで一度も会ったことないし、多分これからも会うことはないでしょう。

赤の他人のために自分の時間、技術を提供したいと思う人は普通はいません。でも、みなが毎日その赤の他人のために仕事をこなすことでこの社会は回っています。当たり前のように毎日セブンイレブンにお菓子、おにぎり、パン、総菜、弁当が並びます。それを買って腹を満たすことができます。しかも普通に美味い。

なぜ赤の他人のためにそこまでやれるのか?

そうしないとお金を稼ぐことができず、お金を稼がないと生きていけない、豊かな生活を送れないから。でもお金自体はただの紙切れないしデータでしかありません。お金と商品とを交換できるという前提が必要です。

「皆がお金を信用するから、お金には価値が生まれる」と言われることがよくあります。確かにそれは真実なのでしょうが、日本円の価値は日本政府に対する信用からだけではなく、自分以外のすべての日本人に対する信用から生まれるものでもあるのかなと思います。自分以外の人が商品やサービスを供給してくれないと、お金なんて持ってても全く意味がないですから。今マスクが買えないように。

マネーの流れが途絶えることは考えづらいです。景気後退は今後も起こるでしょが、マネーは世の中を流れ続けます。私たちの豊かな生活が突然なくなることはありません。

資本主義は完璧ではないにしても、他に代替することは考えられない上手い仕組みです。国内1億人、世界77億人が協力し合う仕組みって他にないんじゃないでしょうか。地球温暖化が深刻化しており、資本主義のアップデートが必要と言われます。そうせいぜいアップデートですね。リプレイスは不可能です。複雑な利害が絡み合うこの人間社会に、資本主義の仕組みはこれからも必要不可欠だと思います。