ブルームバーグによると今週4営業日(金曜はNY市場お休み)でヘルスケア株の時価総額が1,500億ドル失われたそうです。米議会で国民皆保険をはじめとする医療政策が積極的に議論されており、それが嫌気されたようです。
ヘルスケア株指数は年初来安値付近にまで下がっています。特に売り込まれているのがユナイテッドヘルス(UNH)などの医療保険株。まあ、財政赤字が膨らんで将来の金利上昇が懸念されている今このタイミングで、国民の医療費を国家財政で負担するなんてほぼ不可能だと思いますけど、マーケットには投機的な売り注文もあるでしょう。UNHの2019年予想EPSに基づくPERは15倍、2020年予想EPSに基づくPERは13倍。投資妙味ありますね。僕は買う予定ないですが。
医薬品、医療機器メーカーの株も売られました。PBMを介した医薬品の流通経路の不透明性を議会がまた追求するという懸念か。あるいは、アメリカも将来は日本みたいに毎年薬価が下がっていく国になってしまうという懸念か。
世界の人口は増加途上ですし、先進国を筆頭に高齢化が進んでいます。長寿化で医療のニーズは高まるばかり。ヘルスケアセクターは安定したキャッシュフローに加えて、マーケットの成長も見込める有望セクター。ヘルスケアへの投資を増やしたいと思っていたので、今回の株価調整はあり難い。
そこでポチッとやっちゃいました。18日木曜の深夜に。今週投資するつもりはなかったんですが、ついつい・・。新規銘柄に手を出すにはまだ検討が足りないので、既存のヘルスケア株を買い増しました。アイルランドに本社を置く医療機器大手のメドトロニック(MDT)に24万円追加投資。
MDTは今週の4営業日で88ドルから83ドル台まで下落。ほぼ年初来安値です。ただし下落するチャートだけ見て買ったわけじゃありません。バリュエーションはちゃんと見ています。
2019年予想EPSに基づくと、今回の買い値83.5ドルはPERで16倍。益回りで言うと6.3%。うん、十分かな。別に割安とは思わないけど、医療機器という安定ビジネスで、かつ今後のEPS成長もそこそこ期待できることを考えれば、PER16倍は十分合格と判断しました。目先の株価推移は読めません。医療政策はまだまだ槍玉に挙げられるでしょうから、さらなる株価下落もあるかもしれません。そん時はそん時です。マーケットは読めない。
今回は久しぶりのドル決済。配当がドル口座にそこそこ貯まっていたので、その資金を充当しました。これでドルの預け金は空っぽ。こんな感じで配当は定期的に再投資に回しています。
僕は高配当株が好きなんですが、その理由の一つがここ。配当がドル口座にドンドン貯まっていくので、再投資の機会がすぐに訪れます。バイ&ホールドの長期投資はつまらないものだけど、追加投資の機会が増えれば少しは楽しくやれます。
既に日本と欧米の死生観はだいぶ違っている様で、日本だと何でも点滴つないでしまいますが、欧米では強制的に栄養を入れるのは虐待という風潮があるとのことです。(日本も遠からず変わってくると思うのですが。)
長寿化は必ずしも医療需要を増加させるものではないかもしれませんし、誤解を恐れずに書くと、老衰に医療費を掛けるなんて溝にお金を捨てることに等しいという価値観に世界は変わっていくかもしれません。と言うかその可能性は大だと思います。
別にHiroさんの投資にどうこう言うつもりはないのですが、今の日本の価値観で動くと大やけどするかもしれませんよ、この分野。
ご意見ありがとうございます。
少しでも健康で生きたい、1日でも長く生きたいと、思う人が多いかなと私は思っています。
医療費は人生の最後の数週間だけで大量に消費されていると聞いたことがありますが、そうであっても患者さんが少しでも長く生きることを願うなら、それを支えるヘルスケア企業に価値はあると思っています。
欧米の死生観には全く触れたことはなく、個人的な意見です。
ヘルスケア長期投資の一番のリスクは、医療費の大半が政府コントロール下に置かれ、医療の単価が落ちることかなと思っています。