以下は2021年初来の米10年債利回りの推移。

(Source: CNBC)

一貫して利回りは上昇。特に2月後半から3月にかけて急上昇。4月に入ってやや落ち着いてきました。

この利回りについてウォールストリートジャーナルが興味深い考察をしています。

なんと、日本の銀行や保険会社が米国債の利回りに強い影響を及ぼしたというのです。3月決算に備えて、値上がりした米国債を売却したところが多かったと。実際、日本の取引時間中に米国債価格が激しく変動しているというデータが示されていました。

へ~って思いました。米国債の市場規模って確か20兆ドルくらいあります。そんな巨大市場を日本が左右するんだなあ。それだけアメリカ様に莫大なマネーを供給しているという見方もできます。まさに属国やな。

4月になってまた日本勢が米国債を買っているから利回りは落ち着いているんですかね。1.5%以上あれば、為替ヘッジコストを加味してもそれなりのリターンですし。

短期的には需給、長期的にはファンダメンタル。それは株も債券も同じ

株価は長期的には企業のファンダメンタル、つまり収益に左右されます。一株当たり利益が伸びれば株価も上がる。でも、短期的にはミスターマーケットの感情次第。

目前の株価変動に戸惑うことなく、長期目線でどっしりマーケットに乗っかりましょう、なんて投資本にはよく書いてありますね。全くその通りだと思います。

そして、それは債券も同じです。債券だって株と同じく市場で売買されている金融商品。誰かが買えば価格は上がる(利回りは下がる)、誰かが売れば価格は下がる(利回りは上がる)。

最近は米政府の大盤振る舞いによるインフレが懸念されているので、利回りが上がると「インフレくるぞー!」的な記事が必ず出てきます。でも、債券利回りの短期的な変動にあまり意味を見出す必要はないのではと思います。株と一緒で。

債券価格が長期的には需給ではなく、ファンダメンタルに沿った値動きになるという点は株と同じ。

では債券のファンダメンタルって何か?

発行体の財務安全性(デフォルトリスク)とインフレリスクの2つに大きく区分できます。

米国債について言うと発行体つまりアメリカ政府のデフォルトリスクは実質ゼロなので、その価値はインフレ次第ということになります。

インフレ率が持続的に年4%、5%という環境になれば、米国債が今の1%台の利回りでとどまることは考えづらいです。インフレ懸念で利回りが上がること自体は合理的な反応。

ただし、短期的にはやっぱり需給なんです。株のニュースと同じで、債券もその値動きに関して色々と後付けで理由を語られがちですが、こじつけも多いのではないでしょうか。

大口投資家がまとまった売り注文を出せば利回りは上がる。買い注文を出せば利回りは下がる。ただそれだけ。