私は公認会計士です。
学者ではありませんが、会計については一通り理解しています。
会計の勉強を始めた19歳の頃から約10年間、ずっと仕訳・数字とにらめっこな生活を送っているのだからそりゃ当然わかります。
連結会計、税効果会計、減損会計、退職給付会計とかもわかっているつもりです。
今の会社に転職したときは社内でも最も若い部類でしたが、今は中堅。
部下と言うには恐れ多いですが、後輩的な存在は数名います。
彼らは新卒で簿記の3級、2級くらいは持っている人もいますが、当然会計実務は素人なわけです。
一方で私は会計実務経験はもう8年にもなるわけで、当然いろいろ質問されます。
そこで強く実感していることは、彼ら彼女ら会計素人の質問はとても鋭い!ということ。
鋭いというか本質的な質問が多い。
会計実務に染まっていないから、普通に人間の感覚として不自然と感じる点を率直に質問してくる。
だから、経理初心者の方の質問ほど真剣に聞いてしまう。
今まで当然のように思ってたけどよく考えたら確かに疑問だよね、っていうことは仕事をしているとよくある。
経理業務なんて大半はルーチン化されていて、過去と同じ仕訳を引き継いで処理しているとか、システムが勝手に自動処理しているということは普通の事です。
誰かに質問されないと素通りしてしまうんです。
なぜこの仕訳、この処理が必要かっていう本質的な問題を。
専門知識に染まっていないフレッシュな質問に、いつもドキドキしてしまいます。
その感じがとても楽しい今日この頃。
素人の意見って意外と的を射てて大切だと思いませんか!?
債券相場に対する素人の意見
会計は専門ですが、経済は素人です。
大学は経済学部でしたが、経済金融の勉強はほとんどせずに大学時代は会計士の受験勉強しかしていませんでした。
社会人になってからも、日経新聞とWSJに目を通すくらいはしていますがそこまで。
経済学、金融について専門的な深い知識はありません。
そんな経済金融素人の私が最近の債券相場について思うこと。
今の債券価格絶対におかしい高すぎる(利回りが下がり過ぎ)!
マイナス金利の日本国債より、プラス利回りを維持している米国債に疑問を感じています。
素人の疑問です。
ブレグジットの後、米国債10年物の利回りは1.3%台まで低下しました。
最近は1.5%台まで戻っていますが。
これって普通に考えて絶対におかしいですよね。
DCF法以外の債券価格を算出する複雑な方程式とか一切知りませんよ。
経済金融の素人が感じる率直な疑問を言っているだけです。
アメリカの期待インフレ率は2%台はあると言われています。
WSJのとある記事によれば、アメリカの期待インフレ率は3%台にまで上がる可能性があるとのこと。
年間約2%のペースで物価が上がっていくことが想定されるのに、誰がなぜ10年固定で1.3%しか利息のない債券を買うのでしょうか?
本当に疑問です。
金融素人なので、この疑問を抱いてから前に進めません。
誰か教えて下さい(笑)。
WSJによると債券価格の上昇(利回りの低下)はなんと35年も続いているそうです!
アメリカは株式だけでなく、債券も右肩上がりだったのですね。
この記事に興味を持ってしまい、米国債の利回りの推移をネットで探しました。
1988年からのチャート。
確かに期間10年の米国債利回りは右肩下がりでした。
過去30年近く、債券の利回りは低下し続けてきました。
でも、そろそろ限界ではないでしょうか?
なぜか限界かというと、私のような金融素人ですらおかしいと思うから。
債券とは本来、期日までの確定利付きのキャッシュフローを得るために購入するもののはず。
でも今の債券相場は違います。
短期的な値上がり益を狙っての購入が大半を占めているように感じます。
資産の本源的価値、内在的価値が置き去りにされて、誰か別の第三者がもっと高い値段で買ってくれるはずという思惑のみで、ドンドン買われていく。
そして、どこかのタイミングでその流れがプツっと切れる。
こうして過去の株式バブルは崩壊してきました。
それと同じことが起こっているのではないでしょうか?
誰がPER80倍の赤字IT会社の株を買うのでしょうか?
今思うと、誰もが疑問に思うこと。
誰が10年固定で1.3%しかリターンのない米国債を買うのでしょうか?
大変疑問です。
もう終わりが近づいているのではないでしょうか?
「中吊りの法則」というものがあります。
電車の中吊り広告にまで、株式投資の話題が出始めたら上昇相場も終わりが近いということ。
そこらの八百屋のおばちゃんやヤンキーまでもが株の話をし始めたら、相場の終わりです。
債券マーケットは株式市場以上にプロのマーケット。
素人がどうこう言うところではない。
そんなプロの債券マーケットに関して素人の私がとてつもない違和感を感じています。
普段債券マーケットについて全く勉強していない、金融素人の私ですら今の債券相場はバブルだと感じています。
専門家ではない素人が気付き始めた時が相場の終わりの始まりではないでしょうか。
債券バブルははじけると思う。
素人のフレッシュな直観。
最近はよく「グレートローテーション」という単語をよく目にします。
トランプ大統領の発言などは関係なく、債券から株式に資金が移動してインフレが進みつつあるのでしょうか。
決算に忙殺されていて返信遅くなりました、すみません。
そうですね、債券が売られて債券利回りが上昇しているのはインフレ期待とインフラ投資に伴う財政悪化懸念があると思います。
米国では平均時給が12月に前年比で+3%も上昇しました。賃金が上がるとインフレが進みがちです。
FRBは年3回以上の利上げを余儀なくされるリスクもあります、低いとは思いますが。
ユーロ圏も2%というインフレ目標を達成しつつあります。
最近ダウは下がりがちですが、まだまだ金利上昇初期で景気敏感株は上昇していくと思います。
ディフェンシブ株投資家には辛い時期が続きます。
チェルシーさんはS&P500ETFをお持ちだと思いますので、いい気分で過ごせる日が当分続くと思います。
やはり歴史を振り返れば、いづれかのタイミングで暴落が訪れるのでその時に絶対に株を手放さないようにして欲しいです。
底値で買い戻すなんて芸当は無理だと思いますから、ホールドし続けるのが正解だと思います。
P.S.
1月の雇用統計もいい結果だったみたいですね。
デフレ時代が長いと、これからもデフレが続くのではないかと思いがちですが、時代は変化してきていますね。
アメリカだけでなく、日本もインフレに転換してきているのだと思います。
夜の遅い時間、しかも仕事の後で疲れている中、回答ありがとうございました。
同感です。
日本も少しづつインフレに転換している兆しはありますね。
ただ日本は金融政策は緩和的ですが、今一インフレが強く進む気配はないかなとも思っています
私たちがこう思うことがインフレを妨げるのでしょうね笑。
期待が大事ですから。
働き方を変えてもっと消費欲を沸かせるとか、社会不安をなくすとかしてお金を回さないとインフレは来そうにないと個人的には思います。
ただインフレに備えてしっかり資産運用をしておくことは重要だと思います。
いざインフレが急伸してから、焦ってお金の勉強を始めても証券会社にぼったくられて終わりですから。
チェルシーさんは、すでに米国株投資という素晴らしい資産運用をされているので心配無用ですね!
いえいえとんでもないです、こちらこそ遅い時間にコメント下さりありがとうございました!
おやすみなさい。
明日もちょこっと出勤です(泣)。。
土曜日仕事があるにもかかわらず、回答ありがとうございました。
無理しないペースで!
ようやく仕事終わって新宿のスタバ来ました!
いつもご配慮ありがとうございます<(_ _)>
仕事あったり、他のサイト作ったりで、あまり更新できておらずすみません。
これからもよろしくお願いします!
hiroさん
バックナンバーを少しずつ読み進めております!
今の米国債の利回りの件も、確かに低すぎるように感じますが、
それよりも、日本国債がマイナス金利なのに何故買われているのか、という点の方が明らかにおかしくないか!?と僕は素朴に疑問に感じていた所、興味深い記事を見つけました。
http://www.kizakitoshinaga.jp/archives/3033
当該記事内では「日銀が今より高値で、絶対に買ってくれるのだ、という根拠のない、砂上の楼閣のような取引」という表現が成されていますが、
だとしたら、これって「10年後に、一発で損失が生じる」という時限爆弾(マイナス金利)を、市場参入者同士でバケツリレーしていって、最後に日銀が買い取るという、インチキなチキンレース状態じゃないか!?と感じた次第です。
僕も債券市場に関しては素人なのでさっぱり理解出来ませんが、もし本投稿をご覧の方で債券市場にお詳しい方がいらっしゃったら、是非見解をお聞きしたいです。
hiroさんはこの点についてはどうお考えでしょうか?
岩波さん
お忙しいところ、バックナンバーをお読み頂きありがとうございます!
面白い記事のご紹介ありがとうございます。
私も債券市場は素人ですが、自分なりの意見を申し上げますね。
結論から言うと、方法はどうであれ結局日本の負債は未来の日本国民全員で負担するしかないということです。
確かに日銀がやっぱり買わないと言い出したら国債利回りが急騰して、金融機関は大損失を食らいます。
ですが、そんなことしたら日本の金融機能が麻痺します。
自己資本が棄損して事業運営に支障が出ます。
で、やっぱりここでアメリカが出てくると思います。
なんだかんだ言って日本は世界3位の経済大国ですから。
その日本で金融機能の麻痺が起こったらアメリカ経済にも世界経済にも大きな危機です。
日銀が国債をやっぱ買わないと言ったら、アメリカが怒ると思うんです。
だから日銀は国債を買い続けるはずです。
でも負債は負債ですから、魔法のように過去の無駄遣いのツケが消えるわけではありません。
それを負担するのは私達です。
それは二通りの方法で来ると思います。
インフレと増税です。
結局、世の中フリーランチはなしです。
過去に無駄遣いしたツケは必ず誰かが負担します。
私は日本の財政改善策とは、インフレと増税のバランスでしかないと考えています。
インフレの方がこっそり国民に気付かれることなく負債を精算できるので、政府日銀はこっちを望んでいます。
ですが、国民マインドがデフレ脳過ぎて難しいところです。
なんかまとまりのない回答ですみません。
うむむ・・なるほど!
確かに、国債は日本の負債だから、結局は国民にツケが回ってくるという結論に帰着する訳ですね。
参照記事が問題視していた「日銀が買うか買わないか」という議論も、それ自体はむしろ大した問題ではなく、利回りが高かろうが低かろうが、金利がプラスだろうがマイナスだろうが、結局そのツケを負担するのは我々国民全員であって、債券市場参入者ではない。
だから、市場参入者はマイナス金利でも構わず取引するし、その利益は、言わば間接的に国民から引っぺがしているようなもの。
結局こうした問題も、そもそも国民が関心を持たないトピックであるがゆえに、傍から見れば明らかにおかしな状況でも、誰も突っ込まない訳ですよね。
増税にはあれほど大反対するのに、インフレによる負債圧縮には無頓着な大衆には、何故同じリスクレベルで認識出来ないのか、単純に不思議に思いますね・・。
流石のとても分かりやすいご説明、ありがとうございました!
僕自身、思考が整理されました。
>結局そのツケを負担するのは我々国民全員であって、債券市場参入者ではない。
そうですね、それが私の理解です。
日銀が債券買いを止めて、金融機関が債券価格の下落で大損害を受けたとしても、その負担を銀行株主が負担して終わりではないと思います。
結局公的資金を注入して救済すると思います。
それはイコール国民負担です。
債券についてはよく考えることはあるのですが、なかなか本質的な理解に辿り着かないです。。
拙い回答で恐縮ですが、現在の私の考えです!
ところで、めちゃくちゃ話を変えて恐縮なのですが(笑)、岩波慶チャンネルいつも楽しく読ませて頂いております。
先日、「僕がその日、Facebook上の「友達」を全削除した本当の理由」という記事を上げてらっしゃいましたね。
その中で仰っていた、友達は「ストック」ではなく「フロー」である、ってこれ名言ですね!!
読んでいてオオって唸ってしまいました。
PCの前でフリーズしてしまいました。
その通りですよね。
昔の同級生とか昔の会社の同僚は大事な友達ではあるけど、自分の環境が変われば疎遠になるのは仕方ないことです。
職業や家族構成の変化など目に見える違いでも付き合う友人は変わりますし、何より自分の価値観や人生観の変化(醸成?)に伴ってその時々で付き合う人は変わっていくものだと思います。
逆説的ですが友人はストックではなくフローだからこそ大切にしたいと私は思います。
私はこの自分のブログの読者の方一人一人のことをとても大切に思っています。
それはコメントして下さる方も、そうでない方も皆さんです。
確かにネット上でのしかも文章だけのやりとりですが、文章だからこそ普段言えない自分の思考を抽象的に、時に具体的に言える面もあります。
社会人になるとどうしても人間関係にビジネスが絡んできます。
ですが、ブログでは自分の趣味嗜好が合う方とビジネスとか関係なく本音で語り合うことができます。
(私が一方的に語る方が圧倒的に多くはなりますが。。)
ブログとはコミュニケーションだと思っています。
偶然米国株投資という分野に興味を持ち、しかも大体同世代の方とブログを通じてふと出会うことができる。
多分ほとんどの読者の方とは直接会話をすることはないし、一緒にお酒を飲む機会なんて絶対にないと思います。
私のブログも永遠にあるわけではないし、私がブログを閉鎖した瞬間、ほとんどの読者の方との関係も終わるでしょう。
読者の方が、もう私のブログを読まなくなることだってあると思います。
そういう意味で、ブログを通じての出会う方はどちらか言うとフローの友人ですよね。
友人というにはおこがましいですが。
でもフローだからこそ、その偶然の一時の出会いを大切にしたいと思いますね。
米国株ってかなりニッチ分野だと思いますからね笑。
ブログで米国株に興味のある人と出会えたことが、ブログを始めて一番よかったと感じていることです。
人間関係っていい意味で捨てることも大事だと私は考えています。
そういう点でも共感できる記事でした。
いやあ、本当に素敵な記事でした。ありがとうございます。
現代って情報そのものは無価値だと思うんですよ。
ググれば型通りの知識は大体手に入りますから。
でも、情報は発信の仕方というか加工によって価値あるものなりますよね。
同じ情報でも発信者の脳を一度介することで、情報に素敵なデコレーションがなされる感じです。
同じ情報に見えても、発信者の視点、思考法、切り口などによって受け手のマインドに大きな影響を与えることができます。
普段何となく考えていることをうまく言語化されると、急にパーっと視界が開ける気がするときがあります。
そんな感じでした。
こんな文章が書ける岩波さんを尊敬します。
価値ある記事とはこういう記事だなと、大変勉強になりました。
「ずっと続く、価値ある記事を。」という名の通りですね。
突然話題変えて失礼しました。
なんか長文になってしまいすみません!
拙ブログ記事の件、丁寧なご感想頂きありがとうございます!
自分の価値観にそこまで深く共感してくれる人がなかなか周囲にいないので、嬉しいです。
もしかしたら、hiroさんの言う通り、お互いに価値観が似ている部分があるかも知れませんね。
ただ、僕は周囲に「尖っている」と言われる事が良くあるので、その理屈だとhiroさんも尖っている可能性大ですね笑
確かに仰る通り、ブログの世界も一期一会だと思います。
僕も、自分のブログを読んで下さる読者の方々に感謝しつつも、その大半は一時的なフローの関係性になると考えると、どこかちょっと寂しい気もします。
しかし、だからこそ、こうしてhiroさんと出会えるような関係性もある訳で、ブログを始めて良かったと思う次第です。
引き続き!
急に長々と語りだして失礼しました。
返信頂き恐縮です。
私は「尖っている」と言われたことはありませんが、「変わっている」とはよく言われますね笑。
ブログを始めてから、どうやれば人を惹きつける文章を書けるものかと悩みます。
非常に引き込まれるフレーズでした。ありがとうございます。
P.S.
大東園の焼肉を紹介されてましたね。
あそこは美味いですよね!!懐かしい。
昨年の夏頃から約30年続いた債券バブルは終了したみたいに言われていますね。
Hiroさん、ほぼ同じ時期にこのことを記事にしていて、すごいですね!
株価も読めないですけど、債券価格も読めないな~って思います。
トランプ大統領が誕生してから、米国長期金利はようやく2%を超えてきました。
そこから、今年6月末までは緩やかに債券価格は上昇しました。
そして、最近また下落しています。
感覚で言っているだけですが、債券利回りは大きくは上昇しないように感じます。
金利は株式リターンに大きく影響するので気になるところですが、こればっかりはマーケットの話ですからね。
考え過ぎても仕方ないかな。
さすがにまた1%台まで金利が低下することはない、、と信じています。