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ライオンの孤独な生存戦略と長期投資戦略

   

私たちは平和な日本で毎日3食ご飯を食べれる恵まれた生活をしてます。肥満が問題になることはあっても、飢餓が問題になることはありません。治安もよく、女性が夜中に一人で歩ける日本は凄いと言われます。

人間界、その中でも日本は生活水準が高く「生存戦略」なるものを真剣に考える必要がありません。魅力的な異性を捕まえるための戦略(子孫を残すための戦略)や、よりたくさんのお金を稼ぐ戦略(より良い生活水準を目指す戦略)というのはありますが、生死をかけた生存戦略は不要です。

生存戦略が不要だからこそ、結婚どうするキャリアをどうするといった枝葉末節なことに神経を割く余裕があるわけです。結婚やキャリアを枝葉末節というのは不謹慎かもしれませんが、生死の問題に比べればカスみたいなもんでしょう。

人間は特殊です。

自然界の動物たちは、いかに生き延びて子孫を後世に残すかということにフォーカスしています。毎日毎日無事に食事にありついて、無事に生き延びることが最優先です。「今日も無事に死なずに済んだぜ、よっしゃー」というレベルです。

マズローの欲求5段階説を無理やり動物に当てはめるなら、そのステージは最下層の「生理的欲求」です。

明石家さんまさんは「生きているだけで丸儲けや」と言っています。

確かに、健康で毎日仕事に行けてご飯を食べれて温かいお布団で寝れるだけで十分幸せだとも言えます。ですが、人間誰しも欲深いもので、生理的欲求が満たされると社会的欲求や尊厳欲求を求めます。出世したいとか、金持ちになりたいとか、美人にモテたいとかそういうことです。

「生きているだけで丸儲け」とは頭で理解していても、心は次の高次な欲求を求めてしまうものかなと思います。人によってはこういう欲求がない人もいるでしょうが、少なくとも私はあります。

自然界の動物たちは本当の意味で「生きているだけで丸儲けや!」という心境だと思います。

動物は生き延びるために様々な戦略を練って実行しています。その戦略の一つに、群れを作るか単独で行動するかの判断があります。

平たく言うと、弱い生物は群れを作って行動し、強い生物は単独で行動する傾向があります。

群れを作って生活している生き物に鰯(イワシ)があります。イワシは数万匹で大量に群れを成して同じ方向に泳ぎます。群れを作ることで一体の巨大な魚のように擬態して威圧感を持たせる効果があるようです。集団で泳いだ方がクジラなどの外敵に気付きやすいというメリットもあります。

シマウマやキリンなどの草食動物も群れを成して行動します。シマウマだけ、キリンだけではなく、シマウマとキリンが共同して生活することもあるそうです。キリンは首が長いですから遠くの外敵を発見できます。シマウマは近くに潜む外敵を発見するのが得意です。補完関係にあるわけです。

食物連鎖の下流に近いほど個としての力が弱いため、集団で群れを成して生活する傾向があります。

食物連鎖ピラミッドの頂点に近い動物ほど単独で行動します。典型的にはライオンです。ライオンは単独で行動することが多いです。単独でも獲物をゲットすることができますし、外敵も少ないからです。皆で寄り集まって行動する必要性が薄いです。

結局、動物界はクールな「経済の掟」で動いているということです。損得感情です。集団が得なら群れるし、単独が得なら群れずに一匹狼を貫きます。損得勘定と言いましたが、動物にとって損得勘定とは生死を決する問題ですから重要事です。

人間は感情の生き物ですが、よくよく考えると結構この「経済の掟」で行動しているもんです。結局、「経済の掟」に従うことが幸せな生活に繋がると敏感に感じ取っている面があると思います。経済的に得だから行動するというと周りに嫌悪感を持たれることが多いので、オブラートに包むことが多いですが。

あ、で、この記事ではライオンの単独行動の話をしたかったのです。

ライオンは強いから単独行動します。でも、強いなりにも集まって行動したほうが良いという発想もあると思いませんか?
百戦錬磨のライオンが10頭集まって行動したら、より効率的に狩りができるかもしれません。

それでも、ライオンは孤高に一人で狩りをします。

ライオンが集団で狩りをしない理由、それは結局一頭当たりの取り分が少なくなるからです。ああ、ここでもやはり「経済の掟」に従った功利的な行動ということですね。

10頭のライオンが集団になって10頭のガゼルを捕まえても、結局ライオン1頭当たりのガゼルは1頭だけです。これでは意味がありません。もしかしたら、ライオンの集団に序列があって偉いライオンが1人でガゼルを2頭持っていくかもしれません。

面倒くさいんでしょうね。わざわざ集団で狩りをしても、自分の取り分が増えるとは限らないわけです。なら、鼻っから一人で狩りをするわということです。集団で行動すると色々と関係性の維持が面倒になることがあるのは、人間もライオンを一緒なのかもしれません。

 

 

ここから無理やり投資の話に持っていきたいと思います。
(かなり無理矢理ですがご了承ください。)

私たち長期投資家はこのライオンの単独行動戦略を真似すべきだと思います。別に、一人で生活すべしという意味ではないです。

ライオンは、自分の取り分が減らないように敢えて集団行動はしないのです。捕獲した獲物の総量が増えたとしても、分け合うライオンの頭数が増えてしまえば意味がないわけです。

ファイナンスの世界に(無理やり)置き換えて考えると、
群れで狩り=増資
単独で狩り=自社株買い
と言えます。

増資をすると会社にキャッシュが入ってきます。そのキャッシュを活用してさらなる利益(獲物)獲得に精を出します。ただし、増資をすると株主数(発行済み株式数)が増えます。増資でゲットしたキャッシュを使って、以前よりも多くの利益を上げたとしても株主数が増えていれば、結局一株当たりの利益(EPS)は増えない可能性があります。

増資がEPSを減少させてしまうことは珍しくありません。特に日本企業では顕著です。日本企業は稀に運転資金調達のために増資するというとんでもない英断をすることがあります。これだと、事実上利益は増えずに株式数だけが増えるので、必然的に一株当たりの利益(EPS)は減少して株価は下がります。

増資=悪ってわけでは必ずしもありません。今後米国企業は相対的に増資が増えると思われます。金利が上昇して負債コストは上がっています。米議会は負債の所得控除を廃止するかもしれませんが、そうなると負債コストはより一層上昇して、相対的にエクイティでの調達が優位になります。

今後、あなたの保有銘柄で増資が起こることがあるかもしれませんが、即座に失望売りする必要はありません。増資をした理由をしっかり確認する必要があります。

増資=悪ではないのですが、長期投資ではなるべく増資が不要な成熟した高収益企業に投資する方が望ましいです。

毎期安定した営業キャッシュをガンガン稼ぐことができる企業は、本業での営業キャッシュが潤沢過ぎるので増資の必要性が全くありません。設備投資するにしても、営業キャッシュを原資にすればいいだけです。

むしろ、高収益な成熟企業はお金が余って困ることが多いです。そういう企業は積極的に自社株買いをします。配当を上げすぎると連続増配の達成が困難になるので、米国企業の経営者は自社株買いを選ぶ傾向があるなと感じています。

自社株買いをすると、実質的に発行済み株式数が減少します。利益が100万円のままでも、株主数が10人から5人に減少すれば一人当たりの取り分は10万円から20万円に増加します。

自社株買いとはライオン的な生存戦略です。

自社株買いをし続けることは、群れを小さくすることを意味します。どんな企業も創業当初は弱いものですから、増資をして多額の資金を調達する必要があります。ですが、何十年何百年と事業を続けてブランド価値が増していくと、増資が不要どころか資本を還元するようになります。

企業も動物と一緒で、強くなればなるほど群れを解消するわけです。事業が成熟してワイドモートを築き上げると、企業は百獣の王ライオンの戦略を取り始めます。フィリップモリスやマクドナルドなんてそんなライオン企業です。この両社は群れを解消するために自社株買いをし過ぎて、債務超過になっているくらいです。

長期投資の銘柄選択では投資時のバリュエーションももちろん大事なのですが、それよりもライオンのように群れを成さずに狩りが出来る強い企業か否かという点の方が重要です。

強い人は孤独であることを恐れない人が多いです。ビジネスで成功した人の本を読むと、皆孤独と闘ってきたことがよくわかります。仕事帰りに群れて飲みに行くサラリーマンとは違う精神力を持っています。

企業も強い企業であればあるほど、自社株買いをして株式数が減って孤独になっていきます。

そんな孤独を恐れない強いライオン企業に投資することをお勧めします。

参考図書
弱者の戦略 (新潮選書)

 - 投資理論・哲学