私は大学2年生の時に会計士試験を目指そうと決めました。理由は経済系の勉強が好きだったのもありますが、第一はお金(笑)。初任給めっちゃいいやんってね!

とにかくカネカネカネ。マネーです。金がすべてでした。

絶対に合格して幼少期からの貧乏生活を自力で脱してやる!!と心に誓いました。

普通独学での合格は無理な資格なので、大手の専門学校が通うことにしました。そこでの学費がホントに高い。幸い合格できたからその投資も余裕で回収できていますけど、大学生の自分にはとても高額でした。確か年間50~60万円だったかな。それにプラスしてテキスト代とか何やかんや費用がかかる。

大学は国立でしたが学費はそれなりに掛かりました。ただ幸いなことに利子率0%の奨学金(月4万5千円)に当選したのでそれを原資に支払っていました。

しかし、専門学校代には奨学金なんか付きませんからね。毎週アルバイトしながらカツカツの生活を送っていました。

試験が近づいてくるとバイトもなかなか入れずいよいよお金が尽きてきました。

そして、遂に大学4年の学費振込で資金ショートを起こしました。デフォルトです。企業でいうなら倒産ですね。学費のための奨学金を専門学校の講座代金などに使ってしまっていました。

で、結局親に泣きつきました。

「もう無理っす、、金貸してくれ!」と。

で、親父からは、
「そんな金あるか馬鹿野郎!!、自分で何とかせえ!」と怒鳴られました。

でも、パートで働いていた母親から何とか学費資金を借りることができました(なぜ両親財布別々なんだろ?)。

ギリギリセーフ、命拾い(笑)。

幸い試験には合格でき、社会人になりお給料を頂ける立場になれましたが、もし落ちていたらもう1年勉強するための学費は恐らくどこにもなかったので、僕の人生は詰んでいたと思います。株式投資をする以前の問題で経済的に沈没してたと思います。てかあれだけ追い込まれたら誰でも必死に勉強するって。

そして、40万円という破格の初任給で両親を豪華温泉旅行に連れて行きましたとさ、めでたしめでたし。ホンマ孝行息子や(←自分で言うな)。

  僕の投資変遷

貯蓄からインデックス投資

監査法人で働き始めお給料を貰いだしても、あまり使わずに結構貯金していました。

会計士試験は長い期間かけてようやく合格できる人も多いので(同期入社の年齢はばらばら、私の同期最年長は35歳)、受験生時代の金欠生活の反動で散財する人も多いです。特に多いのが高級腕時計の購入ですね。オメガ、ブライトリング、ロレックス、パネライなどの60万円くらいする腕時計をみんな平気でポンポン購入していました。

ですが、私は基本的には生活費以外の無駄遣いはせずに貯金していました。当時はまだ資産運用、株式投資なんて全く知りませんでしたから、投資の原資を貯めたいという思いはありませんでした。

結果としてこのときの貯金が将来の株式投資の資金源になったわけですが。

ただ何となく貯金し続けていました。

それはなぜだろう?

敢えて言うなら「貧困への恐怖」だったと思います。お金をしっかり貯めないと、また今までみたいな貧困生活に落ちてしまうかもしれないという恐怖感が潜在意識にあったと思います。

1年ちょっとで300万円くらい貯めてようやく安心感が出てきました。気持ち悪いかもしれませんが正直に言いますが、この頃は毎月預金残高が増えていくをニヤニヤ見ていました。物を買うよりもキャバクラでお酒を楽しむよりも何よりも、通帳残高が増えていくことが一番の快楽でした。

現金預金なんてクソだと思ってるの今とは大違いです。

社会人2年目くらいでしたかね、ふと入った紀伊國屋書店で勝間和代氏の『お金は銀行に預けるな』という書籍を読んで若い僕は衝撃を受けました。

株式投資ってギャンブルだと思ってたけど、そうじゃないんだ!

インデックス投資で世界に分散投資すれば世界経済の成長に乗っかって資産も増えていくって確かに理論的だな!って感動しました。

そこから投資に関する本を読み漁りました。

といっても貧乏性なので図書館を主に利用していました。空のリュックサックを背負って大きな図書館に行き、そこの投資本コーナーにある本を根こそぎ10冊くらい選んでいました。そして、リュックサックにパンパンに詰めて近くのドトールで200円のコーヒーだけで5時間くらい居座るという迷惑行為をしていました。

そんな週末生活を1年くらい送っていました。

そして色んな投資本を読んだ上での結論として、インデックス投資をしようと決めました。当時はまだシーゲル教授の書籍は読んでいませんでした。

初めて株式投資をしたのは確か25歳の頃。日本株インデックスを1万円恐る恐る購入したのを今でも覚えています。

そうやってインデックスファンドにどんどん資金をつぎ込んでいきました。

インデックスファンドからETF

投資を始めた初期は数万円から投資ができるインデックスファンドの手軽さに魅力を感じて、投資信託をコツコツ購入していました。

もちろんETFの存在も知っていたのですが、最初は初心者の僕は投資信託にしておこうと思っていました。

ですが、途中で考えが変わりました。

確かにインデックスファンドは購入手数料ゼロで便利だけど、まだ20代半ばで投資期間は余裕で30年超あるんだから、信託報酬を重視すべきだろう。

やっぱりETFを中心にしようと方針転換しました。

そこで保有していた日本株インデックス、海外先進国株インデックスを全額売却して同じく日本株や先進国株の指数連動ETFを購入していきました。

途中でカブドットコム証券のフリーETFというとても魅力的な制度を知り、フリーETFで1550や1557も買っていました。ETFは信託報酬が安いけど購入手数料があるのがネック、でもフリーETFを使えばその購入手数料が無料になる、これは神だ!!と感動しました。

そうやってETFを買い増すようになりました。

インデックスファンドからETFに変わったものの、世界の時価総額に従って分散投資するという大方針は変わっていませんでした。

途中、東南アジア株式に浮気

私は人に影響はあまり受けないのですが、すぐに本に影響されます。本だって人が書いているものなんですけどね。

本のタイトルは忘れてしまいましたが、今東南アジアが熱い!今のインドネシアは日本の高度経済成長期と同じだ!という感じの本を読んで強く影響されてしまいました。

そして、あくまでサテライトとしてという言い訳をして、100万円ほどの資金を東南アジア株式指数連動のETFに投じました。100万円はもはやサテライトの範囲を超えている気もしますが。。

当時の自分は、経済が高成長=高株主リターンだと信じて疑っていませんでした。

あくまで世界の時価総額に分散投資が基本だから、主に海外先進国をポートフォリオの中心に据えていたけど、本音を言うと全額を新興国株式ETFにぶっ込みたかったくらいです。

インデックス投資からシーゲル流米国株投資へ

ざっくり言うと、上記のような経緯で私はぎりぎりの貧困生活からインデックス投資に出会い株式投資をするまでになりました。

25歳(2012年~2013年頃)から3年以上は時価総額基準のインデックス投資のみを続けてきました。

そして、2015年の冬にようやくシーゲル教授の『株式投資の未来』と出会いました。

なんでもっと早く読まなかったのだろうかと思いました。

『株式投資の未来』の内容を熱く語ると紙面がなくなるので割愛しますが、この本を読んで大きく投資方針を変更することを決意しました。

世界の時価総額に均等分散して低コストインデックス投資を続けることも悪くないけど、もっといい投資法があるんだと知ったからです。

高配当な米国優良企業の株を長期保有して配当再投資を続ける、という投資法を知りました。

これを私は勝手にシーゲル流米国株投資と呼んでいます。

2015年冬に、私はインデックス投資家からシーゲル流米国株投資家に変貌しました。

シーゲル流のETFを探し回る日々

シーゲル教授の投資法に深く魅了され、それに相応しいETFを探し求めました。

なぜか個別株という選択肢は始めからありませんでした。その頃、個別株買う奴なんて自身過剰の情弱だけやろって思っていました。

賢明な自分はあくまでETFでの分散投資は続けるんだ!って決めていました。

シーゲル教授は配当利回りが高く時に裏打ちされた成熟企業が高い投資リターンを生み出すと言っていました。

そこで高配当ETFをネットで探しました。多くのブログも参考にさせて頂きました。

そして、VYMやVIG、HDVといったETFを発見して、これらを購入することにしました。特にHDVは気に入りました。

また、シーゲル教授が推していた生活必需品に特化したETFであるVDCやXLP、KXIなどの存在も知ることになります。VDCとXLPは特に優良なETFだと判断し、これらも積極的に購入していました。

ETFから個別株へ

シーゲル流のETFだと判断したVYMやHDV、VDC、XLPなどを意気揚々と買い続けていたのですが、途中でまた疑問が湧いてきます。

回転率が高いETFがあるなと。また、商品によっては配当利回りがちょっと低いなと思い始めました。

そういう悩みを持ちつつも他にいい選択肢はないし、今できる最良の投資法と信じて上記ETFを買い続けていました。

が、やはり自分の中のモヤモヤは消えず、遂に米国個別株を買い始めました。

初めて買った個別株はエクソンモービル(XOM)。その後、フィリップモリスやコカ・コーラ、ベライゾンコミュニケーションズ株を追加で買いました。

今はまだETFがポートフォリオの中心ですが、今後は個別株を中心に買っていこうかなと投資戦略を考え中です。ETFは高配当系のHDVだけに限定する予定です。

個別株に投資している人を馬鹿にしていた当時の自分が恥ずかしいです。というか、「自分のインデックス投資法が最強だ!」と排他的な貧相な発想を持っていたことが恥ずかしいです。

紆余曲折あってこんなポートフォリオ

こんな感じで、ここまで紆余曲折ありました。

貯金ゼロ、むしろ親から借金

貯金300万円貧困脱出? 普通預金のみ

インデックスファンドの積立開始

ETFへ乗り換え(東南アジア株へちょっと浮気)

シーゲル流のETFへ乗り換え

シーゲル流の個別株とETFのハイブリッド作戦へ

もうすぐ30歳、社会人になって8年ほどが経とうとしています。私のこれまでの投資家人生は途中で方針転換ばかりのユラユラしたものでした。

鼻っから高配当な米国株のみに投資していれば、今頃もっと資産を築けていたと思います。でもそんなたらればを言っても仕方ありません。

当時の自分の知識経験で最善だと思える選択肢を取り続けてきたまでです。後悔はありません。

  投資方針の一貫性なんて不要だ!

投資家によっては常に一貫した投資方針を掲げ、それを格好いいと思っている節があります。

毎月決まったETFや投資信託を決まった日に定額をコツコツ買い増していく。それはそれで確かに素晴らしいことだとも思います。

感情を排して、投資を手段と割り切って最小の時間で最大の効果を上げるために投資をシステム化することはコスパという意味では最強かもしれません。

ただ投資に興味があって少しでも投資パフォーマンスを向上させたいと思っている投資家は、自分の当初の投資方針の一貫性なんて気にしなくていいと思います。

だって昔よりも今の方が賢いはずでしょ?

日々本を読んだり、人の話を聞いたり、他のブロガーさんの記事を読んだり、売買経験を積んでいく中で投資の方針が変わるのはむしろ自然なことだと思いますよ。

人によっては当初掲げた投資方針を変更することを恥ずかしいと思う人がいるようです。特にブログで投資を公開している人はなおさらでしょう。

でもね、あなたが思うほど他人はあなたに関心がないから大丈夫ですよ(笑)。

夜パジャマでコンビニに行くのは恥ずかしいかもしれませんが、誰もあなたの身なりなんて見てないですから。

いいじゃないですか、今までコカ・コーラやフィリップモリスやばかり買っていたバリュー株投資家が、考えが変わってアマゾンやフェイスブックなどのグロース株投資家になったって。全く恥ずかしいことではない。

何が正解かなんて誰もわかりません。

私は今は紆余曲折あって、シーゲル教授の研究に魅了されて、高配当な優良米国株に長期投資するという投資法に落ち着いています。

でも、この投資法を本当に30年間続けるのかはわかりません。今の投資法が何よりも素晴らしいだなんて自信過剰に思い上がってはいません。

これからも私は本を読んだりニュースを見たりして勉強を続けていくつもりで、その中でより良いと思える投資法を考えるかもしれない。

ポートフォリオの半分をグロース株投資にすることだってあるかもしれない。配当再投資戦略は財産を築くのに時間が掛かる点がもどかしいと思いますしね。

投資方針の一貫性なんて不要だと思います。「自分の投資法が最強だ!」と盲目的に思った時点で投資家としての成長は止まります。

日々コツコツ勉強して投資論や投資哲学を学んでいくしかありません。