※読者の方から頂いた情報をさも自分の成果のようにブログで公開することに、若干の後ろめたさが残るのですがとても有益なコメントだったので記事にしました。
株式投資をされている方はNISA制度はほとんどの方がご存知だと思います。年間120万円を限度として配当とキャピタルゲインが非課税となります。
これは凄いことです!
手取り収入が減ることはあっても増えることは期待できない昨今の日本経済。税金を非課税にできるなんて夢のような制度です。長期投資の敵は投資タイミングではなく、税金と手数料です。税金を低く抑えることは投資パフォーマンスに大きく影響します。
ジョン・テンプルトンは言っています。
「すべての長期投資家にとって目的はただ一つ 税引後の実質トータルリターンを最大にすることだ。」
NISAは特定口座と損益通算できないというデメリットはありますが、基本的に売却を前提としない長期投資家であればNISA口座を最大限利用すべきだと思います。
さて、長期米国株投資家にとってNISA口座に最適な銘柄があります。
それが、フィリップモリス(PM)です。
20世紀後半最大の投資リターンを株主にもたらした、長期投資にふさわしい優良銘柄です。直近の配当利回りは4.4%です(2017/1/21現在)。
NISAがあるからPMを買うというのはちょっと本末転倒ではありますが、元々PMを買い増していく予定だった人は、是非PMはNISA口座で買うことをおすすめします!
NISAでPMを買うべき理由
私はNISAでどの銘柄を買うか明確に方針はありませんでした。
2017年最初の取引としてコカ・コーラ(KO)株を50万円ほど購入しました。このKOを何も考えずにNISAで買ったと記事で言ったところ、読者の方からこんなコメントを頂きました。
私も米国株への集中投資を行っておりますが、NISA口座では国外源泉徴収の10%は確定申告をしても取り戻せませんので、国外源泉徴収がほとんどないPMを購入するようにしています。
過去記事ではPMもお持ちのようだったので、その辺りどのようにお考えなのか気になりました。
何も知らなかった私はとても驚きました!
(コメント下さったみどりさん、ありがとうございます。m(__)m)
日本居住の米国株投資家が配当金を受け取るとき、米国で10%と日本で約20%の税金が取られます。
特定口座の場合、外国税額控除の申告をすることで米国10%分の税金は取り返せます。
NISA口座の場合、日本の約20%の税金は非課税になるのですが、米国10%相当の源泉税は外国税額控除の申告で取り返すことができません。つまり、NISA口座では一見して20%の減税効果があるように見えるのですが、米国の10%分の負担は残るので実質の減税効果は10%分なのです。
特定口座税負担率=約20%(外国税額控除をする前提)
NISA口座税負担率=10%(米国での税金は取り戻せない)
となります。
なるのですが、、
PMの場合は米国での源泉税支払いがありません。これはPMのビジネスがすべて米国外なのが理由のようです。
PMの税負担率を特定とNISAで分けるとこうなります。
特定口座税負担率=約20%(外国税額控除しなくても、そもそも米国での税負担なし)
NISA口座税負担率=0%
PMとPM以外での各口座での税負担をまとめるとこうなります。
PM以外 | PM | |
特定 | 20% | 20% |
NISA | 10% | 0% |
PM以外だとNISAにしても10%しかメリットないのに、PMは20%もメリットがあるということです!
これはPMに投資される予定がある人はNISAを使わない手はないですね!
ちなみに、これも読者の方がコメント下さった内容ですが、PM以外も同じメリットのある銘柄があるようです。
私も税金の観点からPMはNISAで買うようにしております。
補足ですが、RDS.BやBPなどの高配当銘柄もNISAだと税金が掛からず丸々受け取り可能となります。
ロイヤル・ダッチ・シェルやBPもPMと同じくNISAで買うメリットあるとのこと。
(コメント下さったODENさん、ありがとうございます。m(__)m)
この話は米国株投資家には結構有名な話かもしれません。ググったらたくさんのブロガーさんの記事がヒットしました。
ご存じなかった方は、是非この機会に頭の片隅に置いておいて損はない情報だと思います。
実際は0.2%課税されるようですね。
米国内での売上が2%あるようです。
http://investors.pmi.com/phoenix.zhtml?c=146476&p=irol-faq_pf
ここに書いてました。
そうなのですが、0.2%掛かるのですね。
確かにコメント下さったみどりさんも、国外源泉徴収が”ほとんど”ないPMと仰っていました。
情報ありがとうございます!
また、サイトもご紹介ありがとうございます。
サイトを開いたのですが全面英語だったので、、そっと閉じましたw。
英語のサイトを普通に見れる人羨ましいです。
Hiroさんが体系的にまとめてくださったのでこれから米国株投資をする方にとって有益な情報になりましたね。
ありがとうございました。
私もしょぼしょぼブログ書いてますが、Hiroさんのようにマメではないのでこれからも情報発信お願いします(笑)
みどりさん、先日は情報ありがとうございました。
勝手に記事にさせて頂きました。
私も以前ほどはこのブログに時間を捻出できていませんが、同じくしょぼしょぼ更新していこうと思います。
ADR は上場元市場の所在地の税制に従いますよね。イギリス国内の会社は外国人に対する源泉徴収税は0%なので、米国上場のADRから受けとる配当も現地源泉徴収税は0%になります。なので、NGG,VOD も同じく非課税です。余談ですが、RDS.Bはイギリス、RDS.Aはオランダですよね。オランダとイギリスでは税制が異なるため、配当金は同額でも受け取り金額は変わります。
なるほど上場元がどこの国かがポイントなのですね。
ご教授ありがとうございます。
覚えておきます!
こんにちは。
米国株投資を考えていたのですが、外国税額控除に限度額(低い)があるというのを知って戸惑っています。
米国の軍事力、経済力等から世界の構造的なものまで考えると、是非投資したいのですが、日本で生活する人が米国高配当株に長期投資というのはかなり効率が悪いのではと思えてきているところです。
hiroさんは確定申告で外国税額控除はされていますか?
当方外国株はNISAでBTI、GSKを保有しています。
さっちゃんさん、こんばんは。
お久しぶりですね。
おっしゃる通り、外国税額控除には限度額があります。
外国配当源泉税が、所得税と住民税の合計を超えてしまうと超過分は還付されません。
以下のたぱぞうさんの記事が大変分かりやすいです。
http://www.americakabu.com/entry/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E7%A8%8E%E9%A1%8D%E6%8E%A7%E9%99%A4%E3%81%A8%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E%E9%A1%8D%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82
外国株からの配当は「配当控除」もできませんから、税務的には日本株よりも厳しいところがあるのは否定できません。
税務的なデメリットを補うために、一部優良日本株をポートフォリオに加えることも選択肢としてありですね。
鼻っから日本株を避ける理由はありません。
あとは英国ADRを活用するのも手です。
現地源泉税がゼロです。
>hiroさんは確定申告で外国税額控除はされていますか?
まだやってないです!
先送り先送りで3月まで来ました。そろそろやらねばと思っているところです。
お返事ありがとうございます。
考えていたのですが、通信、タバコあたりの高配当日本株を加えていくのが現実的そうですね。
全て高配当株で
外国税額控除がきく限度まで米国株、残り日本株
NISAは英国株
で検討してみます。
そうですね、通信やタバコには日本にも有望な銘柄ありますね。
税制を考えればいくらか日本株をポートフォリオに組み込むのはありだと思います。
投資パフォーマンスは税引き後が重要ですからね。
最大のコストである税金を最小化することは大切です。
NISAで英国株は私も実践したいです。
今は結構テキトーにNISA枠を使っていますので・・。
NISA口座でNISA1年目に購入した株を数倍で今年売却したのですが、制度変更を知らないで行った売却だったので、少し悔しいです。(全株数ロールオーバーできる)
この件以外にも、最近税金関係の情報格差を感じることが多くなりました。
NISAはちょっと複雑な制度ですよね。
米国株投資をやっている我々ならまだマシですが、投資未経験の人にとっては重い腰を上げて調べるのに結構抵抗感あるだろうな~と思います。
企業でも税務戦略は複雑かつ重要です。
BEPS(移転価格など)に絡んで数十億円単位の税金が変動することもあります。
BEPS…難しいですね。
米国の優良企業はきっと税務戦略に関しても進んでいそうですね。
お返事ありがとうございました。
これからも記事を楽しみにしています。
米国企業は税務戦略にかなりがめつい印象ですね。
日本企業はそんな無理に税負担率を下げることはせず、払うべき税金はきちんと払うという文化の会社が多い気がします。
本社をアイルランドに移転してまで法人税を抑えようとするのは欧米企業くらいだと思います。
株主としてはありがたい限りです。
こちらこそ、引き続きよろしくお願いします。