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株と債券って本当に競合してるんだろうか?

   

最近、ウォールストリートジャーナル紙に掲載されていたグラフを紹介します。


面白いデータだと思いませんか!?

S&P500指数の予想益回り(つまり予想PERの逆数)と米10年債利回りのスプレッドです。端的に言うと、株式と債券どちらの方が割安かを示しています。株式益回りの方が高ければ(つまりスプレッドがプラス)、株式の方が割安。逆に債券利回りの方が高ければ、債券が割安と言えます。ただし、株式は債券よりリスクが高いので、株式益回りの方が債券利回りより高いのが一般的ではあります。

現在の数値で言えば、S&P500の予想益回りは5.5%(予想PER18倍)で10年債利回りは2.4%ですから、スプレッドは3.1%くらいです。株式の方が3%強利回りが高いです。「現在は低金利だから株式のバリュエーションは高くても許容できる」と言われることがありますが、それを数字で示すとこうなります。債券利回りが低いから、株式益回りが低くても(=PERが高くても)株は債券より魅力的に見えるというわけです。

過去のスプレッドの推移を見ると面白いことがわかります。

1990年代は歴史的な超強気相場だったわけですが、意外とスプレッドは小さいです。+1%台です。益回りと債券利回りはほぼ同等だったということです。この頃は10年債利回りが6%~7%くらいありました。今では信じられない高金利ですよね。

スプレッドから逆算で考えると、90年代前半のS&P500指数のPERは12倍から13倍くらいで、90年代後半にかけてPERは25倍くらいまで大きく買われたことがわかります。ITバブル崩壊直前の2000年頃になるとスプレッドはマイナスになっています。株式の益回りが債券利回りより低いとは異例な事態です。現代に置き換えれば、S&P500指数の予想PERが50倍を超えている感じです。

90年代の大相場は企業収益よりも、PERの上昇によって作り出されたことがわかります。

こういった過去の事実から何を学べるか?

1つ思うのは、株と債券は意外と競合してないのでは、ということです。

繰り返しですが、90年代は金利が高く債券の投資妙味もあったにもかかわらず、株は買われ続けました。この時代に「高金利だから株は割高だ!」とビビッて相場から逃げていれば、強気相場の恩恵を受けることはできませんでした。今はこうやって冷静にチャートを見てあーだこーだ語れるわけですが、実際に投資家としてマーケットにいたとしたらどうだろうか。。7%近い利回りがある債券を無視して、株を買い続けるのって結構勇気がいることだと思います。

現代も同じ発想で考えたいです。つまり「低金利だから株は割安だ!」と強気に行き過ぎると、痛い目を見るんじゃないかってこと。米国株のバリュエーションは異常ではないものの、やや高いです。マーケットから退場するつもりはないけど、慎重に投資を続けたいなあという心境です。

確かに2.4%という米長期金利の低さを考えたら、予想益回り5.5%の米株は魅力的に見えます。でも、債券と株式の利回り比較って、株価の先行きを見通す上であまり使えないデータかもしれません。1990年代のスプレッドを見てそう思います。

ここ数年、マイクロソフトなど信用力のある米国企業は借金をして、多額の自社株買いを続けてきました。合理的な財務判断です。だって、これだけ株の益回りが債券利回りより高いんですから。安い金利で資本を調達して、(相対的に)安い自社株を買う。違法でも何でもない、ビジネスとして経済合理的な行動です。

円高になったら海外旅行に行く人が増えます。円安になったら訪日外国人観光客が増えます。そうやって、みんな自分のお財布に有利になるように行動します。それぞれが有利な環境に資金を投じることで、自然とマーケットは調整されていきます。「神の手」です。

金利が株の益回りより遥かに低いから、借金して株(自社株)を買う。いたって自然な発想です。借金する企業が増えて、債券流通量が増えれば金利は上がります。自社株買いは株価を押し上げるので益回りは下がります。そうやって、株式益回りと債券利回りは段々と近似してくるはずです。裁定取引とも言えます。

でも、まだ3%以上のスプレッドがあります。ピークを付けた2011年頃に比べると、だいぶ縮まってきましたが、それでも1990年代と比べればはるかにスプレッドは大きい。つまり、パッと見では株は割安に見えます。

でも、僕は株式益回りと債券利回りのスプレッドが大きいからと言って、過度に株式に強気になるのは危険だと思っています。そもそも、株のリスクプレミアムを考えたら、スプレッド3%は適正水準とも言えますし。

債券価格って株価よりも「異常値」になりやすいと思うんです。なぜなら、FRBが介入するからです。短期金利はFRBが決めるものだし、長期金利も債券買入れを通じていくらかコントロールできます。株価は純粋なマーケット・プライスですが、債券価格はそうとも言えない面があります。

リセッションが近いとか、そういうことを言いたいわけじゃないです。てか、わかりません。今後1年の株価の動きもわからんです。ただ客観的に数字を見る限り、今の米株は割安ではありません。いくら債券利回りとのスプレッドが大きいからって、S&P500指数のPERが21倍、予想PERでも18倍というのは安くはないです。

株と債券って本当に競合してんのかな?ってたまに思います。

いや、競合してますよ、そりゃ。現に僕は投資家として米株と米国債とを比較してますもん。もし今米国債の利回りが10%くらいあったら、株を売って債券を買う可能性が高いです。

でも、なんか純粋に競合してはない気がするんだよな。やっぱFRBの存在が大きいのかな。今で言えば、債券価格は高過ぎる(債券利回りは低すぎる)気がします。わからんけどね~。市場はむしろ利下げを予想しているくらいですし。

すみません、思うことを淡々と書いてしまって、まとまりのない文章になってしまいました。

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