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【数字こそ正義】身近な企業に投資することの隠れたリスク

   

「あなたが普段の生活で慣れ親しんでいる製品やサービスを提供する企業の株を買ってみましょう。」

このように言われることがたまにあります。
良いことだと思います。

世の中にある製品のほとんどは株式会社が提供しています。最近AGC(旧旭硝子)のCMを見て、電車の車両の窓ガラスにAGCの製品が採用されていることを知りました。毎日電車に乗ってるもんだから、へ~っと思っちゃいました。AGCのCMってインパクトありますよね。社名変更もすぐに世の中に浸透したのではないでしょうか。

私は米国株投資家なので米国企業に焦点を当ててみます。仕事で使うツールの大半は米国の株式会社から輸入したものばかりです。個人的に一番お世話になっているのはマイクロソフトのOfficeソフトです。エクセル、アウトルック。後はオラクルやSAPの会計システムですね。わかりやすいインターフェースでとても使いやすい。日常生活では、毎日使っているアップルのiPhoneが一番親しみがある米国製品かな。

こういった、馴染みのある企業に投資するメリットはビジネスを理解しやすいことです。実際に使ってるくらいだから、その製品の素晴らしさをよく理解しています。

一方で、デメリットもあります。それは、自己評価=社会の評価と思い込んでしまう可能性があることです。長年使っている愛着のある製品は、きっとみんなも気に入るはずだ。逆に自分が毛嫌いしているものは世間も嫌っているはずだ。こういうバイアスが掛かった思考に陥る可能性があると思います。

iPhoneの使い勝手は素晴らしい、(アンドロイドを使ったことはないけど)iPhoneは今後も伸びるはずだ。マックのハンバーガーは安くて美味いから、マクドナルドは世界中で受け入れられるはずだ。毎日使っている便利なエクセルが無くなることなんて絶対にあり得ない。自分も周りの同僚もタバコを吸わないし、タバコは世界中で衰退する一方だろう。

ついつい、こういう発想をしてしまう時があります。
別に悪いことじゃないです。自分の実体験をベースに投資判断するのはむしろ健全です。バフェットは「理解できるビジネスだけに集中して投資しなさい」と言っています。

ただ、謙虚かつ客観的な視点も持ち合わせたいところ。

世界は自分を中心に回っているわけではない、という当然の事実を踏まえておくということです。あなたは(私も)「one of 世界中の消費者、ユーザー」に過ぎません。

数年前、下北沢のとある担々麺屋ふらっと入ったのですが、これがすっごく美味しくて感動して記憶に残りました。これは歴代最高の担々麺や!って。んで、先日同僚に「めっちゃ美味い担々麺あるから。」っ連れて行ったら、なんと閉店してました。背景は知らないけど、もし不人気で閉店なら私の味覚と世間の味覚にズレがあったということでしょう。そう言えば、確かにあの時自分以外に客はあまりいなかったような・・。

自分が美味いと思ったからって、他大勢の人も美味いと感じるとは限りません。ましてや、食の好みは様々ですし。僕はあの時ちょっと客観性を欠いていました。「あんだけ美味い担々麺ならきっと評判のいい店だろうし、同僚Yさんも絶対に共感してくれるはず!」と信じて疑ってませんでした。今の時代、せめて「食べログ」くらい事前にチェックしておくべきでした。担々麺がなかったので、その日は結局焼き肉ランチにしました・・。

長年愛用している製品ほど愛着が湧いて、ひいきに見ちゃうものです。その経験、体験は投資判断に活きるとは思いますが、一歩下がった客観的な視点をしっかり持っておきたいところ。

そのためにすべきこと。それはシンプルです。しっかり数字を見るということです。これに尽きます。

あなたが「マック最高にウメー!!」と思っていても、マクドナルドの業績が長期的に低迷しているなら、世間はあなたと同じ感想を持っていないということです。「タバコ業界なんてオワコンだろ」と思っていても、フィリップモリスの業績が堅調なら、グローバルではタバコへのニーズは底堅いということです。

結局、数字がすべて。監査済みの財務データ以上に頼りになるデータは他にありません。

ただし、会計数字は基本的に過去の情報しかないという短所があります。投資は未来に賭けることなのに、数字は過去しかありません(当たり前ですが)。

そこで未来を予測する上で、あなた自身の仕事経験やそこで得た知識、日常生活での体験が役に立つと思います。過去の数字を土台にした上で、自分なりのオリジナルの経験値を投資に活かす。ただ、割合としては過去の数字に頼る部分が8割くらいあって良いと思います。それくらい自分の発想を疑う方が丁度いいです。なぜなら、あなたは(私も)70億人いる世界中の人間の中のたった一人でしかないからです。

馴染みのある製品を提供する企業、仕事で精通している業界ってあるもんですよね。自分が詳しい業界に多めに資金を配分するのは良い案だと思いますが、自分の考えを過信せずに、しっかり数字を見て社会の評価を確認する姿勢が大切だと思います。

 - 投資理論・哲学