ちょっと前の話ですが、ピコ太郎さんの「PPAP」が世界で大ヒットしました。「PPAP」の動画再生回数は1億回を超えているそうです。

ところで、人はなんで貴重な時間を割いてYouTube動画なんてものを観るのでしょうか?
なぜ「PPAP」をみんな視聴するのでしょうか?

それは面白いからですよね。
動画を観て楽しいからみんな「PPAP」を見るのでしょう。

面白いことには価値があります。
テレビゲームに価値があるのと同じ理屈です。

 

一方で、PPAPには思いも拠らなかった価値も世間にもたらしたなあと思います。

最初は、多分純粋に「この動画面白いよ!」っていう口コミから、みんなその面白さを求めて動画を再生していたはずです。

でも、途中からあまりに世界的なヒットになってからというもの、「PPAP」を観る人々の動機がちょっと変化してきた気がします。その動機とは「みんなが見ている、知っているから、世間の話題に乗り遅れないために”一応”観ておく」という動機です。

私は結構こういう動機で「PPAP」を視聴しましたがあなたはどうでしたか?

世間の話題に乗り遅れないために動画を観る、、これも一つの価値だと思います。
同僚や友達の話題でのけ者にならないように、興味はないけど観ておく。特に若い世代(特に女性)は周りの話題に付いていくことは学校生活での死活問題になりかねません。そういう人の需要にも応えたのが「PPAP」でした。

人がお金を使う動機、時間を使う動機、これはホントに様々あって、中には思いもよらないものもあるなあと感じます。

 

こういうことって世の中結構あることかもしれません。

当初世の中に伝えようと思ってた価値とは異なる性質の価値が、自分のアウトプットに付随していたというケースです。偶然が生み出す価値みたいなもの。

ポストイット(付箋)は3Mが生んだヒット商品ですが、あれは弱い接着剤を作ろうと思ってできた偶然の産物です。

ポテトチップスは、もっと食感の強いフライドポテトを食べたいというお客の要望から生まれたおやつです。

偶然が生み出したイノベーションによって世の中に価値を提供している商品は結構あります。まあ何でもストーリーさえ作っちゃえば偶然になるんですけどねw。

 

社会を理解すべき、世の中を客観的に見つめるべき、とか言われてもそんなも無理じゃね?ってたまに思います(私もたまにブログで主張しておいて何ですが・・)。子供の頃に育ったコミュニティでの価値観、親や地域、友人などの影響で醸成された感性を主観として持って私たちは社会に出ます。

その社会で色んな人と出会い、今まで知り得なかった多種多様な考え方に触れます。地方から上京した人は特にそうでしょう。物理的な面から言えば、先ずは東京の人の多さ電車の混雑さに驚くはずです。私の最寄りのハブ駅は新宿ですが、新宿は1日の乗降客数が世界一です。マジで人多過ぎです。もう慣れましたけどね~。

まあ、とにかく東京などの都会に来るといろんな価値観、育ちの人に出会います。都内の土地持ちの社長令嬢からHiroみたいな貧乏育ちまで色んな人がいます。

そうやって色んな価値観を持った人と出会うのですが、そういう出会いでさえ社会全体で見れば所詮one of themです。日々暮らす中で出会った友人、恋人、同僚なんて人数で言えば多くても100人いかないと思います。

社会とは自分以外のすべての他人のことを指していると、私は定義しています。

社会を理解するとは、自分以外のすべての他人の感情を理解すること、、、っていやいやこんなの無理っしょ!

半径10mくらいの彼女、奥さん、友人、同僚ですら完全に理解することは困難なのに、この世の中のすべての他人たる社会を知りましょうって、無理言うなよって感じです。

ケインズは株式投資は美人投票だと言いましたが、そんな他人が誰を美人と思うかなんてわかんねーよって思いませんか?

マーケティングリサーチとかしているつもりでも社会のすべての感情やニーズを探るのは不可能で、だからこそ”偶然のイノベーション”が起こる余地があるのかなあと感じます。

一見社会性がないと思われるような勉強や趣味でも、好きでそれを続けていれば意外なところで価値を生むかもしれません。全く光が当たらないと思っていたら、なぜか斜め後ろから突然ライトが当たり始めることがあるかもしれません。

大人になると、どうしても社会を意識し過ぎて自分を忘れがちかもしれません。自分が嫌でも頑張るのが仕事だ、と自分に言い聞かせて体に鞭打って働いている人は多いと思います。確かにそれは否定できません。やはり、仕事は人がやらないやれないから、それが仕事になるという側面があります。

一方で、自分が心から没頭できる趣味や遊びを捨てずに追求していくと、それが意外にも社会性を帯びてくることがあるかもしれません。なんか現代はそういう機会が多いと感じます。そのためにはただ引きこもるんじゃんなくて、自ら積極的に情報発信する必要があるとは思いますけどね。

趣味や遊びには社会性なんて求めない方がいいとも言えますがね。社会性を少しでも帯びてくると、結局それを意識するが故に、遊びが本当の意味での「遊び」にならなくなってきますから。

でも、もしほんの少しでも、月1万円でも自分の「好き」でEarn moneyできればそれは幸せなことですよね。