これ今日のWSJにあったグラフです。昔デルタ航空の銘柄分析記事を書いてるときに、こういう情報あればいいな~と思っていた内容です。航空会社のコストに占める燃料費の割合です。

平均すると25%はくらいはあります。やはり高いです。製造業の材料比率くらい高いです。

つまり、航空会社の収益性は原油価格次第なところがあるということです。

以下はデルタ航空(DAL)の粗利率推移です。
FY14から粗利率が改善していますが、原油価格下落のタイミングと合致します。原油安がデルタ航空の収益を押し上げていることがわかります。

 

ところで、最近バフェットが航空会社株に積極投資しています。デルタ航空、サウスウェスト航空の2社でバークシャーが保有する上場株ポートフォリオの3%を占めます。少なくない比率です。最近も買い増しています。

なんで最近バフェットは航空会社株を買い増してるんだろうか?って疑問に思います。

バフェットは消費者独占力のある企業を好みます。アップルやコカ・コーラ、クラフトハインツといったバークシャーの主要銘柄は消費者独占力のある企業だと思います。

でも、航空ビジネスはサービスの差別化が難しく、どうしても価格競争に陥りがちです。航空会社のPL、キャッシュフローを見ても優良企業だな~と惚れ惚れするほどではありません。デルタ航空はFY08とFY09は2期連続最終赤字でした。

先に示した通り、航空会社のコストの大半は燃料費です。バフェットはエネルギー株を減らしています。2013年にエクソンモービル株に投資しましたが2015年に売却。その後フィリップス66に投資して今も保有していますが、保有株数は減少傾向です。

バフェットは原油価格の低迷が長期化すると見通しているのかもしれません。それで、燃料費安を見込んで航空会社株を買っているのかも。でも、原油価格は1バレル100ドルを超える可能性もあると最近言われています。また、WSJによると、多くの遠洋航行船が法規制の問題でディーゼルエンジンに切り替える可能性があり、それはジェット燃料高を誘発するリスクがあるそうです。

バフェットは「永久保有銘柄」として航空会社株に投資してるんじゃなくって、やや投機的な思惑も込めて買ってるんじゃないかってのが僕の勝手な推測です。

航空機メーカーのボーイング(BA)は「消費者独占力」のあるワイドモート企業だと思いますが、航空会社はそうには見えません。航空機ユーザーとしてそう実感するし、航空会社の過去の業績・キャッシュフローを見てもそう思います。

バフェットのポートフォリオは投資判断の参考にすることがあるので、なぜバフェットが航空会社株を買い増しているのかずっと疑問でした。でしたというか、今でも疑問です。よくわかりません。3億円払ってバフェットと一緒にランチすることができれば、是非とも聞いてみたいです。んな金あるわけないですが。

私は航空会社株に投資する予定は今はありません。

ちなみに、以下は2018年6月末時点のバフェット(バークシャー)のポートフォリオです。
こう見ると金融銘柄多いですよね。ウェルズ・ファーゴ(WFC)、バンカメ(BAC)、アメリカンエキスプレス(AXP)、USバンコープ(USB)、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)。

あとは言わずと知れたアップル(AAPL)、食品大手のクラフトハインツ(KHC)、飲料大手コカ・コーラ(KO)といった、消費者の生活に密着した製品を提供する企業たちです。

この中でデルタ航空(DAL)だけ異質に見えます。バフェットが好みそうにない銘柄です。不思議です。バフェットは何を考えているのだろうか・・。