イギリスの政治家であり作家、歴史家もであったウィンストン・チャーチルは「歴史に学べ。歴史に学べ。国家経営の秘訣はすべて歴史の中にある」、「歴史を遡って洞察すればするほど、より遠くの未来が見えてくる」と語っています。

これは株式投資の世界でも言えることでしょうか?

うーん、どうでしょう。悩ましいところ。投資は未来に賭けることですが、未来は常に不確実。曇ったフロントガラスを目を細めて見るよりは、後方がくっきり映ったバックミラーを見た方がいいのかもしれません。

しかしながら問題なのは、株式投資の歴史はさほど長くはないことです。

シーゲル先生の『株式投資の未来』に感化されて米株を始めましたが、同著のリターン測定期間はたかだか50年ほど。50年なんて人の寿命よりも短い年数です。

そもそも世界初の株式会社である東インド会社が誕生してからまだ400年ほどしか経っていません。

ニューヨーク証券取引所はロンドン証券取引所に次ぐ世界で2番目に古い証券取引所ですが、それが設立されたのは1792年。米国の証券所取引の歴史は200年強しかありません。

ダウ・ジョーンズ社が算定したダウ平均株価が使われ始めたのは1896年。

西ローマ帝国が滅亡したのは西暦496年のこと。為政において、参考となる過去の出来事は数多くあります。著名な政治家が歴史を重視したのも頷けます。

しかし、株式投資の歴史はまだ短いです。株のアノマリーとか色々言われますけど、過去の実績が少ないので、単なる偶然なのか因果関係があるのかよくわからないなあと感じることも多いです。

バリュー株はグロース株を歴史上アウトパフォームしてきたとか、過去の事実を知ることは大切ですが、それが今後も同じかは完全に信じることはできません。過去のデータはしっかり見つつも、柔軟に今、未来の経済状況に目を向ける姿勢が大切かなと思います。

と理想を語ってみましたが、なかなか難しいことだなーと感じています。