バリュー株がいいよ! by シーゲル先生

割安株が集中しているのは、主に石油、自動車、金融、公益事業といった業種で、将来の成長への期待が薄く、また、収益が景気循環に連動していると投資家からみなされている企業が多い。

(中略)

割安株はあまり魅力的ではないという印象があるが、これらの銘柄を遠ざけるべきではない。そもそも、成長の見通しが薄いという予測が間違っているかもしれないからだ。仮にそうした予測が正しかったとしても、低成長というマイナス面を補えるほど株価が割安であれば、優れた利回りを提供してくれるかもしれない。

ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』より引用

長期にわたって配当利回りが高くPERが低い銘柄を組み入れたポートフォリオの利回りは、効率的市場仮説やCAPMが予測する値よりも大幅に市場を上回った。

ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』 より引用

過去の利回りに基づくと、バリュー株(PERが低く配当利回りの高い株)はグロース株よりも高利回り低リスクである。

ジェレミー・シーゲル著『株式投資 第4版』 より引用

このように、シーゲル氏は著書の中でバリュー株が市場平均を超えるリターンをもたらすという主旨の発言をされています。

実際に、1957年~2006年まで低PER銘柄のリターンが高かったという調査結果を紹介しています。PERを最低、低、中間、高、最高の5グループに分けてリターンを測定した結果が以下。
最低:+14.3%
低:+13.5%
中間:+11.1%
高:+10.1%
最高:+8.9%
S&P500:+11.1%

(データソース:『株式投資 第4版』)

また、配当利回りについても同じようにグルーピングして以下の調査結果を記載ています。
最高:+14.2%
高:+13.1%
中間:+10.5%
低:+9.8%
最低:+9.7%
S&P500:+11.1%

(データソース:『株式投資 第4版』)

低PER、高配当利回りのバリュー株が高いリターンを残しているという結果です。

グロース株がいいよ! by シーゲル先生

しかし一方で、同期間で高リターンだった個別銘柄を以下だったと紹介しています。リターンが高かった順に並べています。

(データソース:ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』)

同期間のS&P500平均のPERは17.5倍でした。上記の20銘柄のうちPERがS&P500平均より低いのは8銘柄しかありません。つまり、実際に高リターンだったのはバリュー株というよりグロース株だったということです。特に上位10位にランクインしている銘柄は高PER銘柄が多いです。高PERを跳ね返すほどEPSをグロースさせている銘柄が高いリターンを残しています。

割安株(バリュー株)は石油株こそ1社だけ表にいるものの、金融や自動車、公益事業は一つもありません。

高いリターンが期待できるのはバリュー株かグロース株かどっちやねん!?

って思うわけです。書籍を読み返せば読み返すほど、謎が深まります。まあ個別で見ると一部の生き残ったグロース株が強いけど、グルーピングしてマクロ的に見るとバリュー株が強いということかなとざっくり解釈しています。個別株では高PERのグロース株を狙いつつ、ETFではバリュー株戦略を取ればうまくいくのかなあとか色々考えました。

自分の中で明確な結論は出ていません。なので、どっちに転んでもいいように分散します。高配当、低PERなバリュー株の方が個人的に好みだけど、グロース株もポートフォリオに入れます。