現時点(2018年9月4日終値)での、大手製薬会社のバリュエーションをまとめてみました。
ティッカー | 会社名 | 株価($) | 予想PER | 配当利回り |
JNJ | ジョンソン&ジョンソン | 133.7 | 15.6倍 | 2.7% |
PFE | ファイザー | 41.3 | 13.4倍 | 3.3% |
MRK | メルク | 67.9 | 14.8倍 | 2.8% |
ABBV | アッヴィ | 94.5 | 10.6倍 | 4.1% |
AMGN | アムジェン | 196.7 | 13.6倍 | 2.7% |
BMY | ブリストルマイヤーズ・スクイブ | 60.4 | 15.6倍 | 2.7% |
ヘルスケア業界全体の平均配当利回りは実は0.6%と低いです。無配の企業も多く存在するからです。実際、ヘルスケアセクターETF[XLV]の分配金利回りは、1.4%とS&P500平均を下回ります。
が、上表に掲げたような大手製薬会社はどこも高配当で、インカム目的の投資家にとって魅力的な銘柄が揃っています。私は2016年にファイザーに投資しました。当時の利回りは4.0%ありましたが、最近株価が上がって3.3%まで利回りは落ちています。
私が今、もっとも注目している医薬品株がアッヴィ(ABBV)です。
アッヴィは世界一売れている医薬品「ヒュミラ」で稼いでいます。総売上高に占める「ヒュミラ」の割合は65%にも達しており、ヒュミラ依存度は高いです。バイオシミラーの脅威に負けることなく、今のところ売上高を維持しています。
アッヴィを狙っている理由は、何と言っても4%という高配当なところです。私はとにかく高配当銘柄が好きで、ポートフォリオの大半は利回りが3%を超える銘柄です。
私がどれだけ高配当好きか熱く語らせてもらうと、・・・(以下略)。
しかも、アッヴィの予想PERは10.6倍と競合他社と比べてもやや割安感があります。
アッヴィは2013年にアボット・ラボラトリーズ(ABT)からスピンオフして誕生した企業です。創業5年の若い企業に見えて、実は歴史ある企業です。アボット時代から数えると連続増配年数は45年にもなります。
配当性向50%ほど。利回り4%の配当は守られる可能性が大です。減配リスクはかなり小さいと見ています。
ってわけで、アッヴィ気になってます。製薬業界のビジネス動向は知識がなくわからないことだらけですが、財務的な指標だけで見るとアッヴィ株には魅力を感じます。
(関連記事)
ジョンソン&ジョンソン(JNJ)銘柄分析
>私は2016年にファイザーに投資しました。
>私がどれだけ高配当好きか熱く語らせてもらうと、・・・(以下略)。
2009年ごろのファイザー株投資の嫌な思い出です。
ワイスを買収するので、資金確保のために配当額を従来の半分にしますとプレスリリース!
2017年にやっと配当が元に戻りました。長期投資は本当に忍耐と思いました。
昔に戻れるならAmgenのほうがよかったな。
いつも貴重な経験談をありがとうございます。
大変参考になります。
米国株投資を始めてリーマンショック当時のことを調べていると、生活必需品やヘルスケアといったディフェンシブな事業を手掛ける企業は減配していないことを知りました。
が、ファイザーは例外で半分も減配していて驚きました。
金融危機の影響もあったでしょうが、それよりむしろワイス買収のために配当を犠牲にしたんだと書籍等で勉強して知りました。
そのことを改めて確認できてよかったです。
そもそも、ファイナンス的に考えて連続増配を続けることが正しいとは思いません。
株主還元を犠牲にしてでも、将来の大きな利益に繋がる投資機会があればそこに資金を突っ込むのは合理的です。
とは言え、やはり連続増配を求めている気持ちもあるので、急な減配はネガティブサプライズですよね。
2000年あたりからのファイザーのパフォーマンスは、配当加味してもそれほど高くないはずです。
過剰なM&Aは株主利益に貢献しない可能性が高いのかもしれません。
Amgen、素晴らしい高収益企業ですよね。バイオ医薬は有望です。
タイムリーな投稿ありがとうございます。
100%個人的なことですが2ヶ月ほどABBVかGSKかを悩み続け、
ちょうど昨日ABBVを15株ほど購入したところでした。
買ったあとも多少株価が下がりましたが、
良い企業の株価下落は雑音と思い、保有し続けます。
言いたいことは「Hiroさんのお墨付きで安心しました」
それだけです笑
アッヴィ買われたんですね!
やっぱ2か月くらいは悩みますよね。
その悩んでいる過程も楽しいもんです。
>良い企業の株価下落は雑音
おっしゃる通りですね。
買ってすぐ株価が上がっても正解とは言えないし、買ってすぐ株価が下がっても間違いとは言えません。
長期投資の答え合わせには長い時間が掛かります。
私のお墨付きなんて何の価値もありませんがw、安心感を持って頂けたならよかったです!
財務諸表的にはピカピカです。そこだけははっきりわかります。
製薬会社って会計処理的な問題から、粗利率は高くなる傾向があります。
なので、粗利率の高低でビジネスの判断はできません。
営業利益率、純利益率、営業CFマージン等を重視します。
アッヴィの営業CFマージンは30%を超えています。
配当は堅いと見ています。
新薬が出ると、その企業に対する期待感は一気に上昇しますが、副作用報告などのリスクに対する分析を怠ると痛い目に遭うというイメージがあります。
がん治療薬のイレッサが出たときは画期的だということで爆発的に使われたけれど、死亡例も出ましたし、その後、ある特定の人たちにだけ有効だというのが分かり、あまり第一選択で使われることはなくなりました。
製薬会社を買う際には新薬が出た=買いではなく、ある程度の様子見期間をもうけた方がいいのかな…という気がします。
ただ、Hiroさんが挙げている製薬会社はどこも「大手」ですし、開発にかけられるお金も莫大な企業ですから、私も買いたいなぁ…と思いました(笑)。
製薬会社は医療機器に比べて、投資額が一桁違います。
ハイリスク・ハイリターンのビジネスです。
あと、とにかく米国のFDAは治験も査察もメチャクチャ厳しいです。
日本のPMDAや欧州のCEマークとは審査のレベルが違います。
FDAからWarning letterなんて届いたら日には、経営者も株主も顔真っ青です。
新薬の治験がうまく行ったら、その薬が生む将来収益を株式市場はほんの数日で織り込んじゃいます。
逆もまたしかり。
情報力に乏しい個人投資家が、それを予想して売買を繰り返すのはギャンブルに等しいです。
人材力、過去の研究実績・ノウハウがある大手製薬会社(この記事で取り上げたような)くらいが、長期的に安心して保有できるかなと思っています。
アッヴィに投資しましたが、やはりヒュミラ後が懸念です。
2020年頃には売上高はピークアウトするでしょうから。楽観はできません。
ヘルスケアでより安定した収益を得るなら、医薬品よりも医療機器だと考えています。
バランスよくポートフォリオを組んでいきたいです。