マイクロソフトがTikTok米国事業の買収を交渉中

ウォールストリートジャーナル(日本語版)の紙面がTikTokだらけです。マイクロソフト株主だから自分事として読めるのでいいのですが。

トランプ大統領はTikTok米国事業を撤退させるか、もしくは米国資本の大企業に売却するよう迫っています。買い手の最有力候補がマイクロソフト。TikTokの企業価値について詳しいことは何も知りませんが、この状況は買い手候補であるマイクロソフトにかなり有利だと思います。

M&Aは高値掴みが最大のリスクですが、被買収企業(事業)が法的に売却を迫られているケースでは買い手は強気に交渉できます。独占禁止法などで事業売却を当局に指示されている時です。売り手は足元を見られやすいです。

米国事業から撤退すると言ったってそれにはコストがかかります。簡単ではありません。収入も消えます。であれば、素直に売却した方がバイトダンスの株主利益にも適うでしょう。しかしまあ、こんなヤクザみたいな商売やって良いもんなんですね。TikTok側はたまったもんじゃないでしょう。

これから交渉がどう進むか予断はできませんが、買うとなればそこそこ良い値段で買えそうな気はします。

が、ビジネス内容的には微妙な気もします。マイクロソフトと言えば法人向けのお堅い事業が多いです。GAFAMの中で一番チャラさがないというか真面目な印象があります。

一般消費者向けしかも主要顧客がティーンエージャーのSNSアプリと、マイクロソフトの既存事業って何かシナジーあるんですかね。大量の消費者データが取れると色々と使えるんでしょうか。よくわかりませんが。

まあ、マイクロソフトをここまで大きく成長させたサティア・ナデラCEOがゴーサインを出しているということは大丈夫ということかな。株主としてはCEOを信じるのみです。

TikTokを使ってみた。普通に楽しかったです。

とは言え、TikTokがどんなアプリなのかマイクロソフト株主として確かめるくらいはやろうと思い、昨日ダウンロードしてみました。お金かからないし。現代のティーンの間で流行っているSNSとはどんなもんじゃいと思い。

なんか、イメージと違いました。YouTubeみたいに見たい動画を自分で選ぶと思いきや、勝手に推奨動画が流れるんです。んで、見たくなかったら上にスワイプする。すると、また違う動画が流れる。なんかマッチングアプリのTinderを思い出しました(1週間くらい使ったことある)。

初回登録時に自分の好きなジャンルを選ぶので、最初はそのジャンルの中から人気の動画を出すのだと思います。んで、飛ばさずに長く見た動画の閲覧データからAIがこの人はどういうコンテンツが好きなのかを判断し、次に流す動画が決められていると思われます。

これがなかなか面白くて中毒性あるんです。ついつい30分、1時間くらい見ちゃいました。サッカーのスーパープレー動画を最後まで見ていたら、次に流れる動画もまたサッカーでそれもまた見ちゃって、その次も・・・みたいな。

あとは、芸能人ばりの可愛い女の子がダンスしている動画をついつい見ちゃって(目の保養)、それも同類の動画が次々と流れてきます。元モー娘。の辻ちゃんとか芸能人の方も見かけました。

最初はYouTubeの短編版くらいに思ってたけど、趣はだいぶ違います。TikTokは隙間時間を埋めるための暇つぶしとして最適です。勉強系のコンテンツとは適さないと思います。

世の中が豊かになって、人々の余暇時間がいかに増えているのかを感じさせられます。現代社会が求めているのはこういうアプリなんでしょうね。

なるほどー、さすが世界を席巻しているSNSなだけはあるなあと思いました。たったの2日使っただけですが、普通に楽しめました。課金もないし。やっぱ実際に体験してみるって大事だと痛感。

そう言えば、広告が全く出てこないのでどこで収益化しているか不思議でしたが、ググって調べたところ、どうやらTikTokをダウンロードしてから最初の7日間は広告が一切出ない仕様みたいです。

そうやってユーザーを取り込む戦略なのでしょう。TikTokの一部所有者になるかもしれない立場としては、広告がどれくらい効果的に出てくるのが気になります。あと5日後にアプリを開いて広告がどんな風に流れるのかチェックしてみます。

TikTokは今はまだ赤字と聞きます。仮にマイクロソフトが買収したら、利益率を押し下げることになります。恐らく2016年のリンクトインを超える買い物になるでしょうから、慎重な判断をお願いしたいです。

TikTok面白いアプリなのは間違いないんだけど、やっぱマイクロソフトっぽくはないなあと思いましたね。ただのイメージですが。