福岡に約20年、東京に約10年住んできました。たった2つの街しか経験ない立場で言うのもあれですが、東京には独特の住みやすさがあるなあと感じています。東京好きです、わたし。

なぜか。一言で言うと多様性を受け入れてくれる度合いが大きいからです。アメリカが移民の国なら、東京は移民の都市といったところでしょうか。

国外もそうですが、日本国内のあらゆるところから人が集まってますよね。私の福岡の高校の同級生、特に男子は8割以上は上京している印象です。5割は大学で、残りの3割は仕事をきっかけに。私は後者です。

色んな価値観、趣味、身体的特徴を持っている人がいて当然とみんな初めからわかっている。だから、どんな人も温かく迎え入れてくれる所です。

ただし、条件があります。

自分のやるべきことをきちんとやること。より分かりやすく言うと、きちんと仕事ができること。そこが欠けている人はあまり歓迎されない印象です。

福岡では、勉強や仕事に熱心な所謂意識高い系はちょっと敬遠されがちだなと感じていました。「そんな勉強ばっかりやってもつまんなくない?」的な視線を向けられることが多かった。

それよりも、おもしろい話ができるかどうか、ノリが良いかどうかの方がコミュニティに受けれてもらうための重要な要素でした。村社会的というか。そんなことないかもしれませんが、私はそう感じていました。

東京はそんなことない。別に意識高い系が歓迎されるわけではないけど、特に嫌がれることもない。むしろ、仕事熱心な人が尊敬されやすい土壌があります。

仕事であれ勉強であれ趣味であれ、個人の嗜好を否定する目線はほとんど感じません。

煉獄杏寿郎の「俺は俺の責務を全うする!」じゃないですけど、きちんと自分に与えられ責務、役割(つまり仕事)をきちんとやっていれば、後は何をやっても好きにどうぞという雰囲気。

もちろん基本的人権が保障された日本ですから、東京以外もそこは同じではあります。が、勝手な個人的印象ですが、福岡よりも東京の方がダイバーシティは浸透していると思います。

東京は平均所得が高く、結果として貨幣空間が広くなっていて、ご近所付き合いとかが少ないから、自然とそんな文化になっていくのかもしれません。

東京は地方交付税交付金をもらう側ではなく、あげる側です。大企業の本社が多く自主財源の収入が十分あります。そこも東京では意識高い系が敬遠されにくい理由の一つかもしれません。つまり、自分たちが稼がないといけないという暗黙の自負みたいなものがあるかなと。

ちなみに、福岡は十分に大きな都市で財源も多いです。別に田舎ではありません。どちらかというと、東京寄りの文化が醸成されやすい所だと思います。

そんな大都市の福岡でさえ、私はちょっと村社会的なねちっこい人間関係を感じてきました。てか、実際それに苦しんできた過去があります。

上京して、東京はなんて住みやすい街なんだと感動しました。面白いことも全く言えず、飲み会のノリも激悪い陰キャな私を快く受け入れてくれたのが東京でした。

その代わり、仕事には厳しい人は多いかな。ビジネスに貢献できない人は疎んじられがち。それは全然構わない。話題の合わない友達との付き合いを頑張るよりも、仕事を頑張る方が自分には向いてます。

生まれ育った福岡も好きですけど、東京も同じくらい好きになっちゃいましたね。いや、今は東京の方が好きかな。新宿は第二のふるさとです、もはや。新宿にいると落ち着きます。今日も新宿にいます。