未知の領域については素直に第3者に教えを請うのは大切なことではあります。が、最後は自分で考えて、自己判断で行動することでしか豊かになる道は切り開けないと思います。投資に限らずなんでも。

自分で調べ、考え、自分の言葉で説明できるようになる。腑に落ちるまで理解する。知識を知恵に昇華する。そうすれば、仮に失敗しても納得できます。他人や書籍のせいにして愚痴をこぼすなんてこともなくなります。

自分と100%利害を共有してくれる人なんて、世の中に一人として存在しないと思った方が賢明です。

中古マンション探しの際に出会った仲介担当者さんはとても信頼できる方でした。大当たり。税金周りの知識も豊富ですし、何よりメールのレスポンスがめちゃ早いところに好感を持ちました。休日でも構わず返信をくれる方で、むしろ休日くらいゆっくり休んで欲しいと思ったくらいです。

ただ、それでも100%私の利益を考えてくれているわけでもないのです。そういう一歩引いた視点は常に持つようにしていました。向こうはあくまでビジネスなわけなので。自分のビジネス上の利益になるよう行動するのは当然です。

仲介は売買を成立させてなんぼです。基本的に物件を購入するよう働きかけてくるものです。

おすすめの新築マンションがあってもそれは決して口にしません。当たり前です。中古物件を仲介して手数料を稼がないと飯が食えないわけですから。

物件の悪いところは極力しゃべらないです。修繕積立金の状況、理事会の議事録など、こちらから言わないとなかなか情報を貰えないことも多々あります。

転職や賃貸アパート探しでもお世話になる仲介業というのは、関わり方が難しいビジネス形態だなといつも感じます。取引が成立しない限り、こちらは1円も払わないからです。お金を払わずにお手伝いしてもらうわけで、何だか段々と申し訳ない気持ちが出てきます。

私は最終的に新築マンションを買ったので、仲介担当者さんには申し訳ない気持ちで一杯でした。長文のお詫びメールを入れました。「これだけお世話になったのに結局新築マンションに行ってしまい、○○さんの利益に貢献できずに申し訳ございません・・」的な。

いっそのこと、時間当たり1万円+成功報酬1%とかにして欲しいくらいです。買う買わないにかかわらず、プロフェッショナルフィーを払うのであれば、もう少し中立的な意見も頂けるかもしれません。

よく言われることですが、第3者アドバイスは独立した立場の人に正当な対価を支払って受けた方がいいですね。

まあ、でも対価を払っている独立第3者であっても、心の底から真剣に依頼者の人生を考えているかと言われれば、それはNOでしょう。大勢いる顧客の一人であって、もらう報酬相当の働きをすればいいと割り切って考えるのが普通だと思います。リソースには限界があります。

人を信用するなと言いたいわけではありません。人を頼るのは重要なスキルだと思います。

でも、最後は自分で考え自分で決める、というスタンスは絶対に必要です。他人任せにしない。古くから付き合いのある友人であろうと、信頼できるビジネスパートナーであろうと、あなた以上にあなたの利益に関心があるはずはありません。