日米の物価差や実質金利の差を考えると理論的には円高ドル安になると思ったけど、現実は円安ドル高が進む一方の為替市場。

iPhoneは代わり映えせずつまらなくなったとガシェットに詳しい人は酷評するけど、iPhoneは売れ続け米国ではむしろアンドロイドからシェアを奪っているという統計的事実。

あーだこーだ理由を付けてマンション価格は暴落すると某専門家は言い続けているけど、オリンピック後もコロナ禍でも価格は上がり続けている現実。

知識豊富で賢い人ほど理論にこだわり過ぎて、目の前の現実を無視する傾向があると感じます。理論を知っている、知識がある自分がカッコイイという自己陶酔も少しあるのかもしれません。

理論は確かに大切で軽視していいものではないけれど、理論か現象どちらを重視すべきかと言えば、それは現象かなと私は思います。

現実が理論通りに動いていないのであれば、その理論は間違っているのかもしれません。あるいは投資の世界ではマーケットが想定以上に長い期間間違うこともあるので、一時的に理論から外れているだけで理論自体は正しいのかもしれません。

いずれにしても、目の前で実際に起きている現象から目を背けても何も良いことはないです。投資に限らず何でも。

人生自分でコントロールできることなんてたかが知れていて、なるようにしかならないことの方が多いです。時間が無限にあればいつか理論(理想)が現実になる日が来るかもしれませんが、時間は有限です。

目の前の現実を受け入れて、今できる最善の行動をとるしかないです。その際に理論的な知識を無視する必然は全然ないし、むしろ現実を見つつ一度冷静になって理論に立ち返ることも有益だと思います。

現象を重視する=順張りのすすめ、というわけではありません。

円安がどんどん進むからもっとドルを買うべき、言いたいわけではありません。ここまで円安になるほど円が売られているという現実を直視して、サンクコストは忘れ、未来に向かって自分なりに意思決定するしかないよね、という毒にも薬にもならぬことを言っているだけです。為替について言えば。

理論より現象。現象は一面的には数字で表されます。数字は無機質で情緒的な意味を感じられず嫌われがちですが、そこには人の本音が如実に表れているものです。投資でもっとも重視すべきはやはり決算でしょう。