本は楽しく読めればそれでいいんですが、勉強目的があって読むときには私なりのコツがあります。それは、著者の視点を盗むことです。これすっごく大事。

主張とか知識を覚えようとするんじゃなくて(それも大事だけど)、著者の視点を自分の脳内にコピーしようと試みるんです。読書の面白いところって、新しい視点や物事の切り口を知れるところじゃないですか。こんな発想もあるんだなって。

本を書く人は特定の分野で一定の実績を残している人です。その分野に何万時間も費やしてきた人が持つ視点を本を読むだけで手に入れることができれば、それは値千金です。もちろん、本を数冊読んだだけで著者の脳を完全にコピーできることはありません。できたとしたら、それは思い込みの可能性が高いです。でも獲得する努力をする価値はあります。

具体的な方策としては、興味のある著者の書籍を一気に何冊も乱読することです。ホリエモンの本が面白いなあと思ったら、ホリエモンの書籍を片っ端から一気に読む。そしたら、彼がどういう視点で世の中を観察しているのか何となくわかってきます。違う内容に見えるけど、本質は同じことを言ってるなあとか。そういうことに気が付きます。

知識を吸収することも大事だけど、それは単発ものなんですよね。もったいない。著者の発想法そのものを吸収できれば、本に書かれてないことであっても「あ、こういう場面ならホリエモンはこう考えるだろうな」って思うことができます。

僕はある物事を理解しようとする時、その理解の抽象度をどこまで高くできるかが重要だと考えています。抽象度最大と言えるのは、著者の思考回路そのものを獲得することです。簡単なことではないけど、それができると楽しいです。

時間は誰しも1日24時間しかありません。身は一つ。あなたが人生で経験できることには限界があります。だから読書は楽しい。自分とは全く異なる分野に大量の時間を投入してきた人の脳内を覗けるから。その脳をあなたの脳内にインストールできたら楽しいと思いませんか。人類の歴史を20年以上研究し続けてきた人は人類の未来をどう考えているのか、FXで勝ち続けている人はマーケットをどう眺めているのか、とか。

夏休みや冬休みなどで本を大量買いする時があれば、同じ著者の書籍ばかり買ってみると面白いと思います。同じような主張が多くてつまらないと感じる時もあるかもしれませんが、段々と著者自身になっているかのような錯覚を覚えてきます。そこまで来ればしめたもの。別に著者の視点に染まる必要はなく、それを自分の武器とすればいいです。自分なりにアレンジしてみるのも面白い。

結構面白いですよ、この読書法。社会人はまとまった時間が取れないから大変ですけどね。まあ一気読みといっても、通勤電車とかで少しずつ読むのでも問題ないです。でも、なるべく短期間でやった方が効果的です。