米国経済、世界経済をけん引するリーダーの中にはユダヤ人が大勢います。ユダヤ人は全世界人口の0.3%ほどを占めるに過ぎないのに、企業のCEOや著名な学者には数多くのユダヤ人がいます。ノーベル賞受賞者の約20%、フィールズ賞受賞者の約30%はユダヤ人です。

ユダヤ人の著名人として思い付く人を挙げると、
アインシュタイン
元FRB議長のジャネット・イエレン
元FRB議長のベン・バーナンキ
スティーブン・スピルバーグ
グーグル創業者のラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン
Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ
などなど名立たるリーダー、偉人ばかりが出てきます。

なぜ、ユダヤ人がこれほどビジネス・学業の世界で活躍できるのでしょうか?

よく言われるのが歴史的な背景です。迫害、多くの争いによってユダヤ人は離散しバラバラになり、国家を持つことができませんでした。家や食料を持てない状況の中で食っていくためには、頭をフルに使う必要がありました。知的なビジネスを生み出してマネタイズして生き延びる必要がありました。必要は発明の母。ユダヤ人は遺伝子的に優秀というわけではないと思います。環境的な要因が大きいです。

ただ、これでは現代でもなおユダヤ人が優秀であることの説明にはなりません。だって、今のユダヤ人は別に迫害されているわけでもないですから。誰かに追われながら生活しているわけではありません。

今もなお、イエレン元FRB議長やマーク・ザッカーバーグ氏のような世界経済を引っ張るユダヤ人リーダーが生まれ続けるのは、ユダヤ教の経典タルムードの影響が大きいのではと僕は推測しています。

タルムードにはこんな教えがあります。
・学び続けることが重要である
・生産性、効率性が重要である

タルムードは「勤勉であれ、学び続けなさい」と言います。”How Google Works”という書籍をご存知でしょうか。この書籍の中で、グーグルは採用に一切の妥協をしないと書かれています。採用すべき対象は優秀で学び続ける意欲のある人。常に努力を怠らず学習意欲の高い人をグーグルは採用しています。上述の通り、グーグルの創始者はユダヤ人です。

そしてタルムードは「効率的であれ」とも言っています。資源を無駄にすることなく、最小限のリソースで最大の成果を上げろってことです。会計的に言えば、営業利益率や純利益率を最大まで高めろってことです。生産性は日本の働き方改革でもっとも問題になっている論点です。日本人は労働生産性が低いとよく言われますよね。残業しまくってるくせに大したアウトプットを生み出せていない私には耳の痛い話です。

効率性を重視するって、ともすると悪い印象を与えます。金にがめつくて自然との調和をないがしろにする感じでしょうか。でも、効率的であるということは、社会の有限資源を最大限有効に活用するということであり、結果として社会を豊かにし、従業員・株主の所得を向上させ、人々の幸せな生活をもたらしてくれます。

効率性を追求するあまりに、自然環境を破壊したり、社員にザビ残ブラック労働を強いるのはダメですが、経営が効率的であること自体は素晴らしいことです。利益率が高い企業を見て「あいつらは暴利を貪っている」と批判する人がたまにいますが、私は全く共感できません。社会のルールを守って、SECの厳しいコンプライアンス規定を順守した上で(米国上場企業の場合)、社会に大きな価値を生んでいるわけです。暴利なビジネスとは、そんな暴利になるくらいのお金を払ってでも欲しい、とお客さんが思う製品・サービスを提供できている証です。

イスラエルを除けば、多くのユダヤ人が住んでいる国はアメリカです。米国には500万人以上のユダヤ人がいます。次に多いフランスで50万人ほどです。米国企業のリーダーには多くのユダヤ人がいます。彼ら彼女らの行動原理には「学び続けること」、「効率性を追及すること(社会の有限資源を有効活用して利益率を高めること)」を教え伝えるタルムードが存在します。

私はこれからも非効率な日本企業で働いて稼いだ給料(+残業代)を、効率的な米国企業に投入し続けます。タルムードの教えに共感します。学び続けること、効率性を追及すること、いずれも大切なことだと思っています。自分のお金を無駄にすることなく、なるべく効率的に経済活動に使われて欲しいです。そして、結果として自分が投資利益を得て豊かな生活を維持したいし、もっとお金持ちになりたいです(欲しいものは別にないけど)。