FRBは先日3会合連続の0.75%の利上げを決定しました。パウエルさんのタカ派姿勢がさらに強まっていることを受けて株式市場は急落。債券利回りは上昇しています。

2022年9月25日現在の米10年債利回りは3.7%。遠からず4%に到達するだろうと言われています。年初は1.5%くらいでしたから、かなり急激な利回り上昇です。ここまで上がるとは思いませんでした。

無リスク資産の利回りが4%に達するというのは低金利に慣れ切った私にはまだ違和感があります。が、これが目の前で起きているマーケットの現実として受け入れる他ありません。

実質的にデフォルトリスクがないと言える米国債で4%弱のリターンが得られるなら、債券投資にも妙味はあるかもしれません。物価上昇を差し引いた実質利回りはむしろマイナスかもしれませんが、米国のインフレはすでに落ち込んできているというデータもあります。

株価が下落しているとは言えS&P500指数の配当利回りは2%もありません。バンガードの高配当ETFであるVYMの利回りは3%超で、これでも米国債を下回ります。

となると、無理に株を買わずに米国債を買うという選択肢もありでしょうか?

ただ日本人投資家としては為替リスクがあるので、米国債と言えども「無リスク」とは言えないところは要注意です。いくら利回りが高くとも円高でやられる可能性があるので。

急な利上げで米国経済が失速すれば、円安ドル高の巻き返しが一気に進むかもしれません。

先日、政府日銀は為替介入を行いましたが、これが本質的な円安是正にならないことは重々承知だろうと思います。それを承知の上で介入を行ったのは、単に今大量のドルを売っておけば日本の国益に適うと判断したからではないでしょうか。

為替介入といういうのは建前で、本音は為替差益を実現させて日本経済に少しでもプラスの影響をもたらすことかも、なんて私は勝手に疑っています。政府もいずれ円高に戻ると思っているのではと。

もし今後数年で1ドル120円くらいまで戻れば、先般の政府日銀のドル売り円買いは素晴らしいディールだったと褒め称えられますね。そして、そのシナリオが実現する可能性はそんなに低いものではないと思います。十分あり得ます。

日米金利差でドル買いは当然と言われますが、インフレを加味した実質金利で見ればさほど金利差はありません。米国がエネルギー輸出国になっているという交易条件は、明確にドル買い要因とは思いますが、金利差は巷で言われるほど米国優位には見えないです。

なので、私は145円付近まで円安ドル高が進んだ今でもなお、いずれは120円くらいまで円高に戻るだろうと思っている人です(言い続けばいつか当たる理論笑)。

というわけで、利回り3%台後半につられて米国債を買おうとは今のところ思わないです。

まあ為替リスクがあるのは株も一緒ですけどね。つまり、米国債どうこうというより、円を売ってドル建て資産を買う気になれないということか。ちょっと議論がすり替わってしまってすみません。

米株も米債券も為替リスクがある点は共通なので、為替は忘れて、純粋に今の米株と米債券を比較すれば、債券投資の妙味が出てきたのは事実ですかね。全振りは微妙だけど、ポートフォリオの一部に債券を組み込むことは合理的だと思います。