自分が欲しい家ではなく他人が欲しがる家を買いましょう。

最近読んだ某マンション本にこのような記載がありました。資産価値を意識した発言ですね。

さすがにこれには共感できません。資産価値重視で物件選びをしている私ですが、それでも金銭リターンは家選びの最優先事項というわけでもありません。

株や債券などの金融商品を買うなら先ず金銭リターンを考えます。リスク・リターンが効率的かという点だけを検討します。株や債券に利用価値はなく100%純粋に投資目的だからです。

でも家は違います。今後10年以上、家族が暮らす空間を買うわけなので金銭リターンだけを考えるわけにはいきません。

思うに、住宅選びでまず考えるべきは資産価値の優劣ではなく「どういう街、環境に住みたいか」ではないでしょうか。資産価値を検討するのはその後で良いと思います。

私たち夫婦の場合ですが、お互いの通勤にとって都合が良い場所を最優先に探しています。具体的な場所を言うのはあれですが、私は新宿周辺。妻は最近転職して、新宿から西方向に電車で10~15分ほどの場所で今月から働き始めます。

「通勤の都合が良い場所がいいけど会社に近すぎるのは嫌だ」というが妻の要望でして。最初わざわざ徒歩で通える場所のマンションを提案してあげたのに、そんな近くは絶対に嫌だと速攻で却下されました。

んなわけで、妻の通勤が20分~最大40分、私の通勤はなるべく短くなる場所を中心に探しています(チャリ通勤できる範囲が理想)。公園や病院などの周辺環境も大切ですが、第一はお互いの通勤の利便性です。

コロナ禍でリモートワークが当たり前の世の中になりましたが、私たちは出勤派です。妻は職業柄リモートワークという選択肢はなし。私は経理なのでリモートワークも普通に可能ですが、どうも家で仕事ができない性分でほとんど出勤しています。頑張っても在宅は週1ですかね。

あとは子どもができることを想定して、子育て環境はそこそこ意識しています。待機児童の人数とか。周辺の保育園の数とか。

そんな感じでまずは自分たちが住みたい場所を決めて、その中でなるべく資産価値が維持されそうな物件を探すというスタンスです。結果として都心の物件になりますが、それは資産価値を最優先にした結果というわけでもないです。

住みたい場所が郊外の場合、価格を維持しづらい物件しか選べないこともあります。でも、それはそれでいいのではないでしょうか。住みたい場所で自分が欲しい家を選ぶのが一番だと思います。

4000万円で買ったマンションが10年後に3000万円に値下がったとしても、その1000万円(1年あたり100万円)は住居費として割り切ればいいだけ。あまりに価値が保てなさそうな場所なら賃貸にすればいい。

資産価値が高いからと言って住みたくない場所を選ぶよりも、金銭リターンは多少無視してでも住みたい場所に家を買った方が幸せだと思います。

とは言え、限度はありますけどね。あまりに資産価値を無視し過ぎると万が一の時に身動きが取れなくなる恐れがあります。主観的な利用価値と客観的な資産価値の落とし処を見つけることかなと思います。どちらか一方に振り過ぎると後悔する気がします。

お金は大事ではありますが、家計は営利企業ではないのですから、お金にこだわり過ぎて幸福感を下げるのは本末転倒です。衣食住の一角を占める住の選択は重要です。

私も人のこと言えませんが、マンション系の書籍はポジショントークが酷いと感じます(笑)。ビジネスだからなのか、それとも本心なのかわかりませんけども。購入派、賃貸派いろいろですが、自分の意見が絶対に正しいんだという自信が伝わってきます。

主張が一貫しているという意味では面白いですが、もう少し冷静に客観的に見た方がいいのではと思っちゃいます。余計なお世話でしょうが。