10月末のポートフォリオです。

今月はブラックロック(BLK)に40万円弱投資しました。初の金融銘柄です。株価は弱含んで推移していますが、まあ長期投資ですからそんなに気にしてません。まだポートフォリオ全体の2%しかありません。これから、少しずつ買い増していって5%まで拡大させたいです。

上のグラフを見るとわかるんですが、IBM以下構成割合が3%以下の細々とした銘柄が増えてきました(IBMは株価下落のせいだけど!)。なんかちょっと汚いポートフォリオだなって思ってます。もうちょっと整理したい。でもまだたくさん欲しい銘柄もある。セクターも分散させたい。悩みます・・。

IBMなど株価下落で構成割合が下がっている銘柄が結構あります。こういう銘柄こそ追加で投資して株数を増やすべきです。でも不安感が勝ってなかなか食指が伸びないのが本音です。

来年はどういう投資戦術でいこうか悩んでます。今年みたいに毎月投資するのか、どれくらい投資するのか。銘柄はどうしようかな。配当好きなので、高配当銘柄を中心に投資するという点は変わらないと思いますが。まあ色々考え悩みながら、好き勝手やっていきます。

 

さて、今回は僕の「3大しんどい銘柄」を紹介したいと思います。
僕の精神を不安定にさせる銘柄たちです。

※サクッと書くつもりがちょっと長くなってしまいました、長文失礼。

しんどい銘柄その① アッヴィ(ABBV)

含み損率16%

個別株投資をやってるんだから、含み損が16%くらいあるのは普通のことだろ?って思うかもしれません。

そうなのですが、このABBVは9月に投資したばかりなんです。また投資して2か月も経っていません。それでこんなに株価が下がるって酷くないですか(泣)。

6万円ですよ。1か月分の家賃です。

アッヴィはバイオ医薬品企業で事業リスクは高いと理解しています。同じヘルスケアセクターでもジョンソン&ジョンソンやメドトロニックと比べて、株価ボラティリティも高いです。だから、株価が大きく上下することは承知していました。

承知していましたが、まさか1カ月ちょいで16%も下がるとは思っておらず。短期的な株価変動は運とは思いますが、だとすれば僕はどれだけ運が悪いのか。4%の配当利回りでも全く補てんできません。正直しんどい。

こういう買ってソッコー急落した銘柄はナンピン買いしたくなります。そうやって平均投資単価を下げることで、少しは心が安らぎます。

くだらないこと言ってるかもしれませんが、やっぱりこういう心理は働きます。

 

しんどい銘柄その② IBM

含み損率26%

つい数か月前は100万円くらい時価があった気がしますが、今は80万円を切っていました。株価が下落しているのは当然知っていましたが、改めて損失率を見るとやっぱり辛いですな。

最近、レッドハットの買収を発表しました。「レッドハットなんて初耳やな~。どんなマイナー企業やねん。」って思ったら、買収額340億ドル!!(゚Д゚;)。めっちゃ大企業やん。こんな会社知らんわ~。

で、ググって調べるとたくさん情報出てくるけど、専門的過ぎて全然理解できない。
「りなっくすって何?」レベルです、僕は。

自分が理解できない企業に投資するってリスクですね。同じ銘柄でも投資家によってリスクは異なります。リスクは主観的なものです。

私が唯一理解できるのは会計、ファイナンス。そこはちゃんとチェックしてIBMに投資しました。過去10年の営業CF、フリーCFは潤沢です。伸び率は低いものの、安定した配当が期待できそうだなと思いました。ハイテクセクターではIBMとシスコシステムズ(CSCO)の2社がキャッシュリッチかつ高利回りで好感を持ちました。

ですが、最近のIBMの四半期決算を見るとややフリーCFが落ち込んでいるのが気になっています。

レッドハット買収は手元現金では先ず無理なので追加の借入が必要でしょう。信用コストも低くないでしょうから、それなりに利息負担が嵩みそうです。340億ドルと言えば、IBMのフリーCFの約3年分になります。短期的には配当に回せるキャッシュは少なくなりそうです。ロメッティCEOは「増配を続ける」と語っていますが、どれだけ信用してよいものかわかりません。

今の5%超という利回りは魅力的ですが、飛びついていいか迷ってます。IBMはポートフォリオの5%を目安に投資する目標で、今は3%まで落ちてるから買い増しすべきなのかな。そうやって機械的にやっていいものかな。う~ん。わからん。迷う。

単純にIBMのビジネスに対する知識がなさ過ぎる。
とりあえずクラウドに注力するってことだけわかりましたw。

 

隠れしんどい銘柄③ シュルンベルジェ(SLB)

含み損率24%

地味に株価が下がり続けているのがシュルンベルジェ(SLB)。

原油価格が上昇しても決算が良くても、やけに上値が重いです。

石油銘柄も不安感が大きい銘柄の一つです。IBM如くどんなビジネスをやっているか理解できないという不安ではなく、石油エネルギーがこれからも世の中に必要とされるのかわからないという不安です。

そう言えばちょっと前のWSJに、すべてのエネルギー株投資家を不安にさせる記事があったんです。紹介しようと思ってたけど忘れてました。今、急に思い出しました。

え~っと、いつの記事だっけなー。

ちょっと検索します(ブックマークしとけばよかった)。

・・・

・・・

あった!
これです。

この記事の中にこんな記載があるんです。ちょっと長いですが、一部引用します。

ロイヤル・ダッチ・シェル は、地球温暖化に対して世界的に本格的な措置が取られれば、石油消費量が2020年代半ばまでにはピークに達する可能性があると述べている。

「われわれは業界として、かつて経験したことのないスケールの極めて不確実な事態に対処しなければならないだろう」。シェルのベン・ファン・ブールデンCEOは3月に業界のカンフェレンスでこう語った。「われわれは危険を覚悟でそれを無視する」

ウォールストリートジャーナルより


危険を覚悟で無視する!?

そんなことシェルのCEOが言っていいの?(笑)

石油メジャーの一角であるシェルのCEOですら、石油の未来はわからないと言うんです。んなら、一般投資家が分かるわけないですよね。

株式投資とは不確実な未来に賭けることです。未来が不確実であればあるほど、期待リターンは高まります。訴訟問題で存続すら危ぶまれていたかつてのタバコ会社のように。

私もシェルCEOを見習って、これからも危険を覚悟でそれを無視してエネルギー株に投資を続けていく所存です。損するかもしれません。減配の憂き目を見るかもしれません。そん時は諦めます。

経営者、従業員に頑張って仕事をしてもらって、それでも損失が出た時は株主が経済的責任を負うのです。それが株式会社制度です。そういうもんです。そのリスクを避けて通ることはできません。GEの実質無配転落は他人事と思えません。

でも、株主の責任は出資額を限度とします。レバレッジを掛けていない限り、元本以上の損失は生じません。生活が破たんすることはありません。そこは楽観的に投資を続けられる点です。

株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする。

会社法第104条

株式会社制度ってうまくリスクを取らせて社会に富を蓄積する素晴らしい制度だなあと改めて思います。

個別株投資をする以上、リスクなんて究極的には無視するしかないですよ。誰も未来はわからないわけだし。

シェルCEOのこの発言は衝撃的であると同時に、ちょっとホッとしました。誰もわからんってことだな。

リスクたっぷりやん。
リスクあるところにリターンあり!

分散投資を徹底しつつ、僕はこれからもエネルギー株への投資を続けます。リターンは保証できません。

 

株主の利益は企業の利益。だからこそ、株価をちゃんとチェックする。

私は毎日株価をチェックしています。毎日の楽しみの一環になっています。マーケットがどう反応しているのか。株式だけじゃなくて債券や為替は同時にどう反応しているのか、見るのは楽しいです。勉強にもなります。

自分の保有銘柄の株価が下がるのはやっぱり辛いです。

ただ、株価変動に一喜一憂して慌てているわけではありません。「正直しんどい」は本音です。ですが、「まあ長期投資だし、目前の株価変動で右往左往してもしゃーないな」という冷静さも持っています。

私が恐れるのは株価下落で自分の保有株式の時価が減ることじゃありません。
(それも辛いことではあるけれど)

そこじゃなくって、株価下落が将来の減益、最悪減配を示唆しているのではないかという点に恐怖感を感じます。

「株式市場は短期的には投票機だが、長期的には計量機である」

ベンジャミン・グレアム

1年くらい継続して株価が下落し続けていれば、そろそろマーケットの「計量機」としての役割が発揮されても不思議ではありません。

IBMとシュルンベルジェ(SLB)にはそこに不安を覚えます。20%を超える含み損、これは別にいいです。どうせ未実現損失です。でも、これが実現損失に変わる可能性があります。

それは私が含み損の状態で株を売るという意味ではありません。IBMとSLBの業績が長期的に落ち込んで、期待していたほど配当が貰えなくなることが実現損失です。つまり、今の株価下落が将来の低い増配率ないし減配の先取りになっているリスクです。ここまで株価が下がっていればその可能性は十分あります。

長期投資家が見るべきは企業の利益です。将来の利益、配当です。逆説的ですが、だからこそ株価の動きに注目することも大切です。長期的な株価低迷は将来の減益・減配を示唆しているわけで、それが現実のものとなれば株主の損失は実質的に確定します。

ミスターマーケットは癇癪持ちなので、株価は短期的には企業の実力とは無関係に動くことが多いです。ですが、株価低迷が長く続くならそれは無視できません。

 

あとですね、株式市場ってたまに短期でも計量機の役割を果たすことがある気がします。個人的な経験から思うことですが。

私は経理部なので、自社のインサイダー決算情報をほぼすべて把握しています。もちろん誰にも言いません。オフィス外で決算トークは厳禁です。

製品の品質問題や、過去の投資の減損などがある時は、なぜか決算発表前でもスルスル~と株価が落ちることがよくあります。まるで誰かがリークしたかのように・・。そんな人いないと信じていますが。

そういう未公開情報に対する極めて合理的な株価変動を今まで何度も目にしてきました。

こういう経験もあるから、アッヴィの短期的な株価下落も気になります。保有するアッヴィ株の時価が減ることは別にいいです。嫌なのは嫌だけど、そこはホントに気にしてません。気にしているのは、アッヴィのビジネスそのものに何か不調があるのかもしれないという点です。それをマーケットが先回りして株価に織り込んでいるかもしれません。

長期投資家が見るべきは株券(株価)ではなくビジネス。だからこそ株価を気にする。株価の動きが将来のビジネスを予見しているかもしれません。