バフェットは1988年に絶妙のタイミングでコカ・コーラ株へ投資しました。当時のPERは約15倍と決して低くはありませんでしたが、コカ・コーラはその後年率10%台後半という高いEPS成長を遂げました。市場のそこそこ高い期待を遥かに上回るEPS成長を達成し、コカ・コーラ株は投資家に大きな富をもたらしました。

将来の利益成長を確信して(見抜いて)コカ・コーラ株に投資したバフェットの眼から、当時のマーケットはどのように見えていたのかな。当時PER15倍の株を買うのってかなり勇気が必要だったと思うんです。と言うのも、1988年って米国債(10年)の利回りが8%~9%もあったんですよ

以下は1980年~1999年の米国債(10年)の利回り推移。


今では考えられない高金利ですよね。1980年代前半なんて10%以上あったんです。

2019年3月現在、米国債利回りは2.7%ほどです。国債の利回りが9%もあるなんてどんな状態なのか想像も付きません。PER15倍って益回りで言えば所詮7%ほどです。リスクを取って7%の益回りを掴みに行くくらいなら、リスクなしで9%のリターンを得た方が得だと思いませんか?

コカ・コーラ株の益回り:6%~7%
米国債利回り:8%~9%


1988年当時ってこんなマーケット環境だったんですよ。

ちょっと想像して欲しいです。あなたは100万円を持っています。選択肢は3つ。
①PER15倍(益回り6.7%)の優良株に投資する
②利回り9%の国債に投資する
③現金のまま保有する
この中でどれを選びますか?

①を選ぶ勇気あります?

バフェットは利回り9%の米国債を無視して、PER15倍のコカ・コーラ株を選んで大成功を収めたわけですが、僕には真似できんな~と思います。②の米国債を選んでしまいそう。

私はリスク資産は100%株式です。債券はゼロ。これまでたくさんの投資本を読んで、長期では株式のリターンは債券を超える可能性が高い学んだからです。30年くらいあれば、ほぼほぼ株式が債券に勝つって言われますよね。そういう過去の統計データを知って債券を放棄しています。しかし、それだけじゃなくって、単純に現在の債券利回りが低すぎるから、債券に投資する気が起きないという理由もあります。

つい2、3年前には米国債利回りって1.5%くらいの時期もありましたからね~。あり得ん、10年債の固定利回りが1.5%ってインフレにも勝てんやんか。誰がそんな債券買うねんって感じです。今はようやく3%に迫るくらいまで利回りが上がってきましたね。これくらいまで上がってくると、無理して株でリターンを狙わずに債券の安定リターンを求めたくなる気持ちも少し出てきます。でも、まだ低いかな。まだ所詮2%台ですから。やっぱ債券より株がいい。

じゃあ9%だったらどうだろうか?

今、コカ・コーラ(KO)やコルゲート・パルモリーブ(CL)、ペプシコ(PEP)のPERは20倍近くあって益回りは5%ほど。エクイティのリスクを取っても5%のリターンしかないのに、もし無リスクで9%のリターンを得られる選択肢があったなら。

・・・

う~ん、資金の一部は債券に振り向けるかも。「長期では株は債券に勝つ」という法則は時代普遍だと思うから全部債券にすることはないけど、ポートフォリオの20%くらいは債券にしてるかも。だって単純に考えて9%のリターンって魅力的ですもん。敢えてリスクとって株に投資する意義があるのか疑問に思っちゃいそうです。

債券利回り9%の時代にPER15倍のエクイティ(コカ・コーラ株)に10億ドルを投資したバフェットさん。一体、当時の株と債券のバリュエーションをどう見てたんだろうか。。すごく気になる。教えて欲しい。

ちなみに、債券利回りは1980年代から2016年にかけて右肩下がりなので(つまり債券価格は上昇)、当時債券を買っていてもそれなりのリターンを得られたはず。それでも、EPSが大きく成長したコカ・コーラ株には敵わないわけですけど、リスク対リターンを考えたら債券も悪い選択肢ではなかったでしょう。

現代は逆に超低金利なわけだが・・

翻って、現在は世界的に超低金利。日本はご存知の通りほぼゼロ金利。アメリカも2%台。金利は上がる上がる言われるけど、なんやかんやで低金利は持続しています。果たして、この低金利はこれからも続くのでしょうか。それとも、9%とは言わないまでも、5%とか6%にまで上がるのか。うむ、わからん。

仮にこのまま低金利が続くなら、今の株式って相当有利なアセットクラスなのではと思う時があります。株と債券って競合するって言わるじゃないですか。今ってホントに競合してんのか?って感じます。だって、債券利回り2.7%で株の益回りは6.7%ですよ。もちろん、株はリスクがあるから多少は利回り高くて然るべきでしょうけど、にしてもそのプレミアムは大きいように見えます。

なんで、これほど債券利回りと株式益回りに格差があるんだろうか。これもマーケットの合理的な価格形成機能の結果なんですけどね。いや、もしかしたら、中央銀行の大量の債券買いがその機能を歪めてるのかもしれません。

何が正解かわかりませんが、シンプルに単純に考えると債券より株式が優位に見えます。米国株のバリュエーションは高いと言われますけど、低い債券利回りを考えればそうでもないかもしれません。

でもな~、金利が低いってことは低い経済成長率の裏返しでもあるから、そう考えると米株価はやっぱ高いのかも。あーーわからん!、わからんわからん。経済学とかど素人だしさ。わからんよ、もう。低金利だから株のバリュエーションは高くても正当化されるって言われますけど、なんだろう、、それは理解できるけど、いまいち腹落ちしない・・。

(以前にも同じような記事書いたこと思い出した・・)
う~ん、、なぜだろう。いまいち納得できん。とりあえず今は債券じゃなくて株式を選ぶべき時だと思う。