働き方改革で残業が減って労働環境が改善したことを実感しています。20代の頃は決算期は月100時間前後の残業もざらでしたが、最近は多い月でもせいぜい30時間くらい、閑散期はほぼゼロです。景気が回復基調で失業率が下がり、労働者側の交渉力が高まっていることが背景にあるのかなと思っています。

しかし、実際には残業代が支給される非管理職の労働時間減少、ストレス低下のしわ寄せが中間管理職に寄っている面が多分にあると思います。自分の会社の上司を見ていてそう感じます。

思うに、働き方改革うんぬんかんぬんと言いますが、源流の資本家の経営者に対する要求、圧力が低下していない以上、誰かが楽になればその分誰かがしんどくなる構造にあるんだと思います。

資本家、投資家

CEO

役員

部長

課長

平社員(非管理職)

という流れで「これだけのアウトプットを出せ!」という圧力が降りてくるわけですが、働き方改革によってその圧力を課長クラスが平社員に落とさずに、自分達の階層で堰き止めているように感じます。

今までは資本の圧力100を課長50・平社員50という風に、分散して苦しみを分け合っていたのが、最近は課長80・平社員20ってな感じで課長クラスが従来よりも重い圧力に晒されている気がしてならないです。

下っ端平社員の自分としては「そんなに自分で抱え込まないで、もっと俺たちに仕事を振ってくれていいのにな。」って思う時が結構あります。でも、そうならず管理職の方々が以前より過剰に業務を背負い込むようになりました。

なぜか。働き方改革という名目で残業代を抑制するために、時間外手当の支給対象である非管理職層の労働時間を減らして経費を削減するためか。あるいは部下のアウトプットを信頼してないか。いや、それよりも「自分でやった方が早い病」かな。

まあ理由はわからないけど、とにかく若手は当然のように毎日定時で帰るけど、上司、特に中間管理職の方が遅くまで残って働いているのがうちの職場の現状です。仕事が楽しいのか、嫌だけど仕方なく働いているのか本音は知りません。まあ普通は後者でしょう。管理職になると残業代も出ませんし、とてもじゃないですが出世のコスパが悪過ぎます。

同僚とかと話しても、出世して管理職になりたいという人はほぼ皆無です。「いやいや、自分なんてそんな器じゃないっすよ~」という謙遜、建前ではなく、本音で嫌がっている人ばかりです。年収100万円アップと引き替えに、家族と過ごす時間、趣味の時間が減るなんてあり得ないって感じです。確かに、そう思うのは当然だと思います。

私、個人の話をすると、今の経理財務という仕事である限りは、実は最近はちょっと出世願望を持つようになりました。

というのも、やはり上司の方々がやってる仕事の方が面白そうだからです。仕訳を打ったり、分析資料を作ったりするまでが今の自分の役割で、業績をどう外部の投資家やアナリストに説明するかを考えるのは役割外です。外資を含む競合との資本政策、業績の比較など上流の意思決定に関わる仕事にもほとんどタッチできていません。

それは仕方ない。そういうのは会計知識があればいいってもんじゃないですから。

私はなぜか知らないけど、アカウンティング・ファイナンスが好きです。自分でも好きになったきっかけがわからないです。高い初任給に魅かれて大学生の頃に会計士試験を受けることを決めたのですが、年収だけじゃなくてそっち方面の仕事に興味があったからだと思います。あまり自覚はなかったですが。なんか数字でロジカルに物事を説明するのが好きなんですよね。悪く言うと数字にこだわり過ぎて、人の感情を軽視してしまうところがありますが。

せっかくこの分野で働いているなら、もうちょっと上流の意思決定に関われる立場になりたいです。出世して偉くなりたい、権力を持ちたいとかそういう願望は全くないです。そもそも役職って単に担ってる役割が違うだけで、偉い偉くないという問題じゃないですし。

そんなわけでちょっとだけ出世願望がありますが、仮に将来管理職に昇格できたとしても、経済的なコストパフォーマンスという意味では全く割に合わないと思っています。まあ雇われのサラリーパーソンはそういうもんです。金銭面に期待してもしゃーない。お金は株式投資で稼ぎたいな。あとはもうちょっと副業のマネタイズを意識したいところです。