相変わらずリスク資産はすべて株式です。現金比率は5%もありません。傍から見たら私はアグレッシブなリスクテイカーに見えるかもしれません。確かに世間的には金融資産はすべて現預金にしている人が多いから、私は(てか投資家クラスタは皆)リスクテイカーですね。

ただ、これでもリスク許容度は以前と比べてだいぶ下がったなーと感じます。米国株投資を始めた2016年当時はもっと強気でした。

最近、保有銘柄で株価が大きく下がっているのはエネルギー関連と銀行株です。具体的にはエクソンモービル、ウェルズファーゴなど。

原油相場は凄まじいことになってますね。コロナショックによる経済停止とサウジ・ロシアの軟調な減産交渉のダブルパンチで原油価格は持続不能な水準にまで暴落しています。債権貸倒の懸念から銀行株も下がってます(これくらい初めから織り込んでないの?って感じもしますが)。

こういう時、かつての自分なら「株価が下がって配当利回りが高まっている今こそ、エネルギー株や金融株を買うべきだ! 業績見通し堅調な小売りやハイテク大手は無視すべき。成長すなわちリターンにあらずってシーゲル先生言ってただろ!」てな感じで、エクソンやウェルズファーゴに迷わず資金をぶち込んでいたと思います。

しかし、今はそんな威勢のいい事は言えません。そんな元気ありません。大丈夫かなー、怖いなー、とりあえずポートフォリオ全体の5%を維持できる程度まで買おうかなー、くらいの気持ちでいます。

2016年、17年もエネルギー株は割安に見えたんですよね。他のセクターより利回りも高かったし。それで今、私のエクソン株は半値になっているわけです。何とか配当は維持してくれるみたいがだから、今後もめげずに配当再投資を続ければそれなりに報われるのかもしれないけど不安は大きいです。テスラの株価は好調だし。

高利回りになっている地味な衰退産業を買うよりも、ちょっと割高に見えても業績好調な銘柄を買うのが、私みたいな凡人個人投資家にとっての一般解なんだろうなーってこれまでの経験を踏まえて思っている次第です。保有銘柄で言うとアップルやマイクロソフト、アボットラボラトリーズ、ジョンソンエンドジョンソンあたりですね。

最初は威勢がいいのに現実の厳しさに打ちのめされて考えを改めるというのは、これまでのサラリーマン人生と被ります。

学生時代に全国トップクラスの成績(自称)で会計士試験に合格しました。予備校の模試の成績も敵なしでした。正直落ちるシナリオなんてなかったです。簿記の計算問題解くのもめちゃくちゃ早くて正確だし(自分で言うのもなんですがw)。

んなもんだから自分は優秀で仕事もできると勘違いしたアホな状態で監査法人に入社するわけですね。実際は役立たずでクライアントに迷惑かけ、上司に怒られてばかりで、人間関係も悪くなり3年で退職しました。

自分は机上のお勉強(てかペーパーテスト)が得意なだけで、仕事の能力は低いという事実、現実に向き合い、自分が社会に対してやれることを謙虚にやっていこうと思い直したのは26、27歳前後ですかね。20代前半のころは超プライド高かったですわ。

それを投資家としても繰り返している気がしてならないです。「歴史はそれ自体は繰り返さないが、しばしば韻を踏む」というマーク・トウェインの言葉は個人レベルでも当てはまるんだなーとしみじみ実感してます。

『株式投資の未来』を始めたくさんの投資本を読んで、これで市場平均くらい簡単に超えれるわ!と思い上がり、石油株やタバコ株をたくさん買い集めて今に至ります。3月23日の安値から幾分株価が戻ったおかげで、トータルリターンはプラ転しましたが、これまでの累積投資利益はリスクに見合ったほどではありません。

コロナ暴落をきっかけに、改めて財務データ等を見返してポートフォリオを組み直しました。また、これは以前から決めていたことですが、1銘柄10%ではなく5%を上限にしています。セクター分散、バリュー・グロースの分散もそこそこ意識したつもりです。配当へのこだわりは捨てきれていませんが。

リスクに見合ったリターンがなかったという現実を直視して、長期投資を再スタートする気持ちでいます。なんか、監査法人を退所して新しい会社に転職した時の気分ですw。サラリーマンとして犯した誤ちを投資家として活かすことはできなかったです。また同じ過ちを繰り返しました。つまり、自分を客観視できていない、自信過剰、謙虚さが足りないということです。

ただ幸いにして、私は3年くらいで自分の誤りに気が付いて軌道修正するくらいの自制心は持ててるみたいです。仕事に限らず何でもそうですけど、謙虚さがないと人生って上手くいかないです。それはもう確信してます。プライドとか荷物でしかない。