突然ですが、質問です。

1億円与えられて株式と不動産に好きに配分していいと言われたら、どういう割合にしますか?

株に5千万円投資して、残りは5千万円のマンションでも買いますか。もちろん不動産は自宅用でも投資用でもどちらでもOKです。

憧れの億ションを買いたいから1億円すべてを不動産に突っ込むという人もいるかもしれません。それはそれでいいですね。

私なら1億円はすべて株式に配分します。不動産はゼロだな。住む家は必要なので賃貸にします。

S&P500などの優良株と、スーモやホームズなどで私でも検索できる不動産の収益性を比較すると、余裕で前者に軍配が上がります。

S&P500の期待利回りは5%弱(=PER20倍ちょい)しかありません。しかし、EPSは長期的には上がっていくと期待できます。流動性は高くいつでも時価で現金化できる。複数の銘柄に分散できるのでリスクも抑制できる。管理と言えば決算をウォッチするくらいで、基本的には保有するだけで儲かる。

都内の中古マンションの期待利回り(年間家賃 / 物件価格)はざっと私が見る限り3~4%ほどです。家賃収入は硬直的で年々上がっていくとは期待しづらい。いくら都心駅近の物件であっても数日で現金化することはできない。特定物件の集中投資になって高リスク。価値を維持するためには適切な修繕計画などしっかりとした管理が必要。

どっから見ても株>>>不動産です。

家は投資収益を狙うためではなく快適に暮らすために買うもの。投資収益性で株と比較するのはおかしい。

そういう意見もあるかもしれません。

でも、それなら快適な住宅を借りればいいだけ。質の高い住居=持家とは思いません。賃貸でも相応の家賃を払えば質の高い住環境を手に入れることは可能です。地域によっては供給が少ないとかはあるかもしれないけど。

1億円すべてを株割り振って、配当やキャピタルゲインで儲けて、その金で良い家を借りる。私ならこうします。

投資と消費は分けて考えた方がわかりやすいです。投資は金儲け、消費は効用をそれぞれ目的にしている。住宅って投資と消費が混在しているから、考えるのが難しいなあと感じます(そこが面白いところでもあるけど)。

あくまでも投資という観点だけで見れば、株を避けて不動産を買う理由はないと思います。少なくとも私みたいな素人でも発見できる物件の利回り(帰属家賃と値上がり可能性)とリスクでは、到底S&P500には敵いません。

では、なぜ私は最近、住宅を購入するのもありかなと少し考え出しているのか? より魅力的な米株という投資対象があるにもかかわらず。

良い家に住みたいからではありません。繰り返しですが、それなら賃貸のままもっと家賃を払えば済む話です。

私は住宅が欲しいんじゃないんです。住宅ローンが欲しいんですね。ブログで言語化すると、改めてその自分の考えに気づきます。

ネットで調べたのですが、今の私の属性なら全期間固定で1%未満の金利で借りることができそうです。

これってホント住宅購入の魅力ですよね。株式投資が目的なら銀行はこれほど低利で数千万円もお金を貸してくれません。居住用の不動産を買う時だけです。

低利での融資対象は安定収入があるサラリーパーソンに限られますが、それは担保不動産ではなく購入者の人的資本を当てにしている証拠です。であれば、証券担保でも同じくらいの金利で金を貸してほしいもんだと思っちゃいますw。

アメリカではテーパリングの議論が本格化し始めています。早ければ2022年後半には利上げがあるかもしれない。アメリカの金利が上がれば、日本の金利も徐々に上がっていくかもしれません。

全期間35年固定で0%台で5千万円以上の資金をファイナンスできるチャンスはあと数年で過ぎ去るかも。そんな、焦りのようなものがちょっとあります。

ただ低金利ってことは、その分マンション価格も高いわけだから、結局うまい話はないのかなあとも思いますけどね。金利が上がれば、理論的には物件価格も下がるでしょうし。

ただ日本の用地仕入れ代、建築費の高騰を考えれば、金利が上がってもマンション価格はそんなに下がらない気もします。特に新築は。新築が下がらないなら、中古だけ下がることも考えづらいです。

となると、やはり低金利の今ファイナンスしておくことが大切なのかもしれません。ああ、借金したい。