配当利回り4%と高配当だが、株価は10年後も横ばい程度の成熟株

あなたならこんな株、買いたいと思いますか?

そんなに魅力は感じないですよね。これなら低配当ないし無配でいいから、アマゾンやアルファベット、アップルなどの成長株を買いたいと思いませんか。

自宅マンション購入という名の不動産投資は上記のような株式に投資するようなものです。配当利回りは帰属家賃利回り、株価は物件価格を指しています。

人口減少フェーズで長期停滞真っ只中の日本。いくら都心の物件とは言えども、ここからさらにグングンマンション価格が上がるという楽観的な前提は危険だと思います。駅近の資産価値のある物件であっても、10年後に価格横ばいならいいなあくらいの気持ちが丁度いいです。

帰属家賃利回りはケースバイケースですが、私が都心、準都心のマンションをリサーチする限り4%が平均ですね。低いですが、金利も依然低いですし、こんなもんでしょう。バブルとまでは言わないと思います。安いとも思いませんが。

株価横ばいの成熟株でも、配当利回りが8%とかあればインカム投資家なら買ってもいいかなあと思えるかもしれません。でも、4%ですからね。ベライゾンと同じくらいですね。

個人はお宝物件を見つけるのは無理と諦めた方がいい。安いのはそれなりの理由があります。適正価格で買うのが安全で、そうなると上記の利回り4%で価格横ばい期待が妥当というのが私の意見です。

はっきり言って、優良米株と比べて都内マンションの投資価値は低いです。

住宅購入(投資)のメリットは低利のレバレッジ。これに尽きます。

レバレッジ以外でマンションが米株に勝てる要素はないです。マンションの収益性が悪いというより、やっぱ米株が優秀過ぎますね。金があるならまずは住宅投資よりも株式投資を考えた方がいいですよ。

自己資金500万円、ローン3500万円で4000万円の駅近マンションを買ったとします。利回り4%とすると帰属家賃は160万円/年です。物件価格は4000万円で変動なしと想定。

インカムゲイン160万、キャピタルゲインゼロってことです。

ROAは当たり前ですが4%(160万 / 4000万)です。

が、ROEはかなり高くなります。自己資本500万円に対して160万円のリターンだから、ROEは32%です(利息無視)。年率32%とは株式投資では実現できない高パフォーマンスです。これがレバレッジの威力です。

しかし、これは借金という財務リスク、不動産保有の価格リスクを取っているからこそ実現できるものです。決してフリーランチではありません。

病気で働けなくなり、給料が途絶えてローンが返済できなくなるかもしれません。不況が訪れてマンション価格が値下がりするかもしれません。首都直下型地震が起きて、液状化でマンションの資産価値が大きく下落するかもしれません。

考えれば考えるほど色んなリスクがあります。何事もなく、10年後に買値と同額で売れたらROE年32%(利息と手数料を加味すればもうちょっと下がる)になるという楽観的シミュレーションに過ぎません。

これはリスクに見合った期待リターンでしょうか?

あなたならどう判断しますか?
(ここではもっぱら投資価値だけに着目して住宅購入を考えています)。

判断は人それぞれでしょう。こんなリスクを取るくらいなら、家賃を費用と割り切って賃貸を続けるのも全然ありですね。それも合理的な家計の経営判断だと思います。

私はこのリスクを取るべきか悩んでいます。

もう給料を貯金するだけで資産を増やすのは難しいステージに入ってきました。株式運用利回りを高める努力をしつつ、あとはレバレッジに頼りたい気持ちがあります。そこそこ金融資産を築いたからこそ、安心して借金できるというのもあります。万が一の時は、株を売って債務を返済できるので(絶対に避けたいけど)。

マンション投資はそれ単独で見ると収益性は良くないです。メリットは低利の住宅ローン、各種税制優遇です。このメリットは決して小さくはないです。サラリーパーソンが数千万円を低利でファイナンスできる唯一の機会です。

さて、今日は初めて仲介会社の方との打ち合わせがあります。最近の不動産市況のことなどを教えてくださるそうで、いろいろ話を聞いて勉強してこようと思います。ではでは、行ってきます。