日本の物価上昇は欧米に比べればかなりマシではありますが、それでも実生活で十分気付くレベルには物価が上がってきました。

セブンのざるそばはつい1年前は350円くらいで買えた記憶ありますが、こないだ見たら400円くらいになってましたよ。

低インフレが一生続くのではないかとさえ思えた数年前から、突然高インフレな世界に様変わりしてきました。

現実に合わせて投資ポートフォリオもアジャストしていく必要があります。株式は長期的にはインフレに負けないので、株式100%ならそれを無理に変える必要はないと思いますけども。

インフレに強い資産と言えば実物資産。

実物資産と言えば不動産。

個人にとってもっともハードルが低い不動産投資(ペーパーアセットのREITは除く)は自宅購入です。

実際、日本のマンション価格はコロナ禍以降急激に上昇を続けています。

ということは、持家はインフレヘッジとして機能すると言えるのか?

これは条件付きYESだと考えています。

条件というのは固定金利にしていることです。

物価が急激に上昇すると今のアメリカで見られるように普通は金利も上昇します。アメリカは10年債利回りも上がっているし、住宅ローン金利も上がっています。

米国の住宅ローン金利は2022年初が3.1%だったのに対して、6月16日現在は5.2%まで上昇しています(30年固定)。

日本は変動金利が主流です。住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンを借りている人のうち67%は変動型を選択しています。私も迷った末、変動にしました。

アメリカみたく物価が前年比で8~9%も上昇したら、さすがの日銀も緩和策を続けることはできず、利上げをせざるを得ないと思います。

物価上昇の波に乗って保有マンションの時価が上昇しても、金利が上昇したらローン債務の利息負担が重くのしかかります。

変動金利を選択している以上、いくら不動産市況が上向いたとしても安心はできません。日本はそう簡単に金利が上がる雰囲気はありませんが、だからってこのまま低金利が続く保証は何らありません。

日銀の意志の固さどうこうではなく、海外からのインフレ輸入に為替相場が耐え切れなくなるタイミングが来るかもということです。たとえば、1ドル150円まで円が売られたら、さすがに利上げの話になるでしょう。

数年前に1%未満で全期間固定で借りている人なんて、マンションのバルコニーから夜景を眺めつつ、ワインでも飲みながら余裕綽々で利上げの経済ニュースを見れるわけですよ。

私は変動金利なのでそうは行きません。幸い契約後も都内のマンション相場は崩れてないのでそこは安心してますが、金利マーケットは常に不安の種です。

日本ではこの20年、マンション価格は上がり続ける一方、金利は下がってきました。固定金利を選んだ人は結果論ですが損をしてきました。金利上昇リスクヘッジの保険料を払い続けただけに終わりました。まあ保険ってそういうもんです。

しかし、ついに固定金利選択が報われる時代が訪れるかもしれません。私は変動を選んだ人なので、金利が上がらないことを強く強く願ってますが。

変動金利にしている以上、いくら持家を買ったからと言って、それが強いインフレ耐性を持つ資産だと安心はできません。