今まで厳密に投資リターンを計算したことはありませんが、恐らく私のポートフォリオの累積投資リターンはS&P500を下回っていると思います。少なくとも2018年(まだ3ヵ月しか経っていませんが)のリターンは確実にS&P500をアンダーパフォームしていると思います。

これだけ時間を掛けて考え抜いて個別銘柄を買っているわけですが、S&P500ETF一つを淡々と買う投資法に負けているわけです。私の銘柄選びや投資タイミングが甘いのもあるかもしれませんが、インデックス投資の効率の良さを改めて感じます。

さて、2018年のマイポートフォリオを痛めつけている2大銘柄がエクソン・モービル(XOM)とゼネラルミルズ(GIS)です。XOMはエネルギー企業の中でも出遅れ感があり、2月に債券利回りが急上昇して相場全体が崩れた時は滝のように急落しました。XOMの年初来リターンは▲12%です。

GISは先日発表した2018年2月期決算(Q3決算)の結果が市場予想を下回り、株価は10%近くも急落しました。マーケットは米国民の食習慣の変化を加工食品メーカーの投資リスクだと感じ取っているようです。キャンベル・スープやクラフト・ハインツなどの競合食品メーカーも苦戦しています。GISの年初来リターンは▲24%です。

S&P500の2018年初来のリターン(ドルベース)はほぼトントンですから、XOMとGISは大幅に市場平均を下回っていることになります。ま、たった3か月の株価パフォーマンスを比べてもしゃあないってのはありますけどね・・。

XOMはポートフォリオの約10%、GISは約5%を占めます。この2銘柄で15%を占めますから、それなりに全体への影響はあります。この2つ以外も高配当の生活必需品銘柄が中心なわけですが、金利上昇を受けてパフォーマンスは良くないです。なので厳密に計算していませんが、2018年の投資リターンがS&P500を下回っているのは確実だと思います。最近は円高が進んでいるのも円貨評価額を押し下げて、心理的な負担感が増しますね。

ちなみに現在投資簿価1,862万円に対して時価は1,721万円で、含み損は146万円もあります。ちょうど1年前の今頃は含み益が200万円近くあったことを考えると、この1年で300万円以上も資産が吹っ飛んだ計算になります。

ちょっと小さくて見にくくて恐縮ですが、これが今の僕の銘柄別の評価損益状況です。同じ銘柄で2明細あるのは特定口座とNISA口座があるからです。

(左:投資原価、中:時価 右:評価損益 単位:円)

HDVとファイザー以外は全部含み損ですw。特に酷いのはXOM、GIS、MO(アルトリア・グループ)ですね。この3銘柄で約100万円の含み損です。

過去の実現利益や累積配当を加味すればさすがにトータルリターンはプラスではありますが、冴えないパフォーマンスであることは認めざるを得ません。毎月ポートフォリオを晒しておいてお恥ずかしい限りです。

食品や飲料などのディフェンシブ銘柄は相場全体が崩れる時には強い傾向がありますが、昨今のように期待インフレ率が上昇して債券利回りが上昇する局面だと、むしろ高配当株は弱いです。実際に高配当ETFや生活必需品ETFの最近のパフォーマンスはS&P500より劣っています。

 

こんなボロボロなポートフォリオになっていますが、私は今の投資方針を貫き通すつもりです。安定した四半期損益を計上しており、かつキャッシュフローが潤沢で株主還元に積極的な銘柄に投資します。配当利回りはできればS&P500+1%は欲しいです。

株式投資の目的は金儲けです。長期的に儲からないなら投資なんてやる意味ないです。リスクを取っている意味がありません。金が欲しいから投資をやっています。

XOMやGIS、MOなど高配当な銘柄のリターンが落ち込んでいますが、これらの銘柄に配当再投資を続ければ必ず市場平均を超えれるのか言えば、自信を持ってYESとは言えません。その可能性があるから投資を続けているわけですが。

決算が悪くて株価が下がればその分配当利回りが上がって投資妙味が高まるという見方もありますが、業績が悪化しているということは将来の増配力が失われているとも言えます。利益あっての配当です。確かに無理に借入してでも配当を出せば、配当利回りは維持されます。でも将来減配してしまえば、トータルリターンの悪化は免れません。

株価が下がるってことは安く仕込めるということで喜ぶべきとも言えますが、株価下落はマーケットが将来の配当に対して悲観的なっていることを意味している面もあるので、そこは謙虚に受け止めた方がいいと思います。いくら投資家期待が低い銘柄であっても、長期的な増配率が市場平均を下回るようでは投資リターンはそれほど高くはならないでしょう。

投資家は過度に悲観的になる傾向にありますから、今の生活必需品株やエネルギー株の株価は10年後に振り返れば割安だと言えるのかもしれません。その可能性は高いと思います。特にエネルギー株は割安だと感じます。でも100%断定はできません。未来にならないと答えは分かりません。当たり前ですが・・。

20世紀後半に年率19%という驚異的な株主リターンを残したフィリップモリスは、訴訟問題による減配リスク懸念などから長期的に株価が低迷しました。その間に配当を再投資し続けた投資家は莫大な利益で報われました。このエピソードから、株価が低迷している高配当銘柄に長期投資を続ければ将来必ず報われると、安易に帰納的な結論を抱かない方がいいと思います。これも一つの生き残りバイアスと言える面もあるでしょう。

株価が低迷して配当利回りが上昇している銘柄は相対的に減配リスクが高いです。どんな優良企業であっても構造的な収益性悪化から減配を余儀なくされることはあります。昨年2017年に優良企業のゼネラル・エレクトリック(GE)が減配しました。私はかつてGEへの投資を検討したこともあります。その時にGEの将来の減配リスクなんて全く考えていませんでした。

何が起こるかわかりません。最近配当利回りが高まっているエネルギー株や食品株は一見すると投資妙味があるようにも見えますが、一概に割安と断定するのは危険です。マーケットは過度に反応しがちですが、マーケットが合理的で優秀なのもまた事実です。

こういう慎重さを持ったうえで、私は引き続きエネルギー企業や生活必需品企業への投資を積極的に続ける予定です。今月は急落したGISに投資しようかな~と検討中です。ただやっぱり将来の減配リスクや思いのほか増配率が低くなるかもな~という不安感はあります。不安感一杯で投資を続けています。目前の株価下落で株式時価が減少するのは全く気にならないのですが、それが将来の配当減少を示唆している可能性には心配になります。

 

今31歳です。これから10年、20年、30年と株式投資を続ける予定です。投資銘柄は途中で変わるかもしれませんが、投資の大方針は変える気はありません。今と同じく高配当な地味銘柄に投資を続けます。その判断が正しいかどうかは分かりません。アマゾンやネットフリックスなどのハイテク大手に一切投資していませんが、それが投資リターンを押し下げる可能性だってあります。

長期投資ってPDCAサイクルを回しにくいです。短期トレードであれば失敗を活かしてトライ&エラーで改善することもできますが、長期投資はリターン測定が短期では無理なので「えいや!」で投資方針を決めたらそれを愚直に続けるしかありません。短期的なパフォーマンスが悪いからって投資方針が誤っていたとは言えないし、逆に短期的なパフォーマンスが良くてもそれを以って投資方針が正しいとも言えません。なぜなら、”長期”投資だからです。

今の投資方針を続けると言いましたが、それなりに自信があるからです。こんなボロボロのポートフォリオになっておいて説得力に欠けると承知していますが、「高配当な(配当利回りはあんま関係ないけどね)成熟企業への長期投資は市場平均を超える!!」と信じています。

マーケットはブランド力のある企業の長期的なキャッシュ稼得能力を過小評価しがちだと思うし、何より市場を支配する機関投資家はゆっくり配当を貰いながら長期投資なんてできません。株式投資の利益って本質的に配当でしかないのですが、99%の投資家は目先のキャピタルゲインしか見えていません。短中期的な投資リターンを求められるファンドマネージャーは、出資者の期待に応えるため、また自身のサラリーマンとしての評価を上げるためにもキャピタルゲインを求める必要があります。機関投資家がFANGをポートフォリオから外すのは相当勇気のいることです。それで投資リターンが悪化すれば出資者になんて説明すればいいのでしょうか。

のんびり長期投資できる個人投資家には大きな優位性があります。その優位性を活かした投資法が配当に着目する投資法です(配当利回りが高い銘柄に投資するって意味じゃないです)。企業の利益・キャッシュフローをしっかり見て、ガッポリ稼げている企業に投資すればいいだけです。PER高めの成熟企業は短期的な株価上昇は期待できませんが、実際にキャッシュを稼いでいれば自然と株主も儲かります。

株式投資リターンを短期的に支配するのは「情」ですが、長期的に支配するのは「理」です。「理」とは会計上の利益でありキャッシュフローであり、最終的には配当です。