先日、米コカ・コーラ(KO)が2016年10月-12月期決算を発表しました。
決算結果は悪いものではありませんでした。
ロイター通信によると、売上高は94億1000万ドルと市場予想の91億3000万円ドルを上回りました。また、調整後EPSは0.37ドルで市場予想と一致しました。
売上高、EPSともにOKだったのです。
しかし、KOの株価は決算発表以降下がっています。
なぜか?
翌期のガイダンスを下方修正したからです。
なぜ下方修正したのか?
それは同じくロイター通信によると北米ボトリング事業のフランチャイズ化費用が増大するからとのこと。
フランチャイズ化!!
この単語は高収益企業のキーワードかもしれません。
以前別の記事でフランチャイズで大儲けしている米国企業をご紹介しました。
マクドナルドです。
米マクドナルドは、ハンバーガーを製造販売して儲けてるのではありません。米マクドナルドはハンバーガーを製造販売するノウハウ、ブランドといった情報を売ることで儲けています。
情報は最も利益率が高い商品です。
価値ある情報を創り上げるためには膨大な時間が掛かっているので、そのコストを考えれば高収益とは言えない面も実はあります。
たとえば、本とはあんな紙切れを1000円近くで売っているのだから一見すると”物”としての利益率は高いです。ノートが1冊100円なのを知っていますよね。
でも、その本を書いた人の時間というコストを考えれば、利益率が高いとは言えない可能性があります。
数十冊しか売れないなら確実にペイできないですよね。
でも情報には、一度価値あるものを創り上げてしまえば複製が容易であり、それを梃にローコストで大きな収益を上げることができるという特徴があります。
大昔、ヨハネス・グーテンベルクが活版印刷を発明する前は、書籍の複製なんて1年仕事だったと思われます。
現代は違います。
情報の複製は激安。
紙の書籍ですら、複製には大したコストは掛かりません。
ましてや、ウェブ上の情報や、技術、ノウハウであれば一度仕組化してしまえばその複製コストはもはや限りなくゼロに近づきます。
情報が最も利益率が高い商品だと思っていますが、その本質的な背景はもちろん情報それ自体に価値があることもありますが複製コストがとても安価だという点があります。
ということで、情報を売るという事業はぼろ儲けできることになるんです。
マイクロソフト、グーグル、マクドナルド、これらの企業の儲けの秘密は情報を主力商品にしていることです。
アップルも似たようなものです。アップルは、iphoneの部品は日本などから調達していますし、製造はほとんどは台湾の鴻海精密工業に委託しています。アップルはiphoneでの豊かで便利な生活という世界観を構築・提案し、持つ人を魅了する洗練されたシンプルなデザインを考え、世界中でマーケティングをしています。アップル本社は製造そのものにはほとんど関わっていません。アップルも情報を売って儲けていると私は解釈しています。
新たな世界観を売り込んで、それが世界で受け入れられるとめちゃくちゃ儲かりますね。人の生き方そのものを変えることに勝る価値創造ってないと思いませんか?
アップル株は2月13日に過去最高値を更新しました。時価総額は6990億ドルもあります。エクソンモービル2つ分、コカ・コーラ4つ分です。凄すぎる、、アップル。
このように情報を売ることに専念する企業は、原油やジュースのような物を売る企業の儲けを短期間で一気に飛び越えてしまいます。(※企業の成長と株主リターンは別物です。)
とはいえ、人がお金を払ってまで欲しいと思う価値ある情報やノウハウを創るのは一筋縄ではいかないですけどね。
さて、コカ・コーラは北米事業でもこの情報販売業者の仲間に入ろうとしているということです。
ちなみに日本ではボトリング事業のフランチャイズ化は実行済みですね。日本コカ・コーラの収益はロイヤリティ収入として、米コカ・コーラに送金されています。
米コカ・コーラは、日本コカ・コーラに原液を提供し、製造ノウハウとマーケティングサービスを提供して利益を得ています。
日本でのコカ・コーラ事業において、コーラの製造や自販機での販売事業そのものに米コカ・コーラはノータッチです。
ただ一定のロイヤリティを得ているだけです。
米コカ・コーラの日本事業は殿様商売です。
マクドナルドと同じ構造です。
コカ・コーラ社は北米でもボトリング事業のフランチャイズ化を進めています。
コカ・コーラのマクドナルド化が進行中です。
コカ・コーラも、情報販売のうま味を横で見ているだけでは我慢できなくなったということでしょう。
コカ・コーラの情報販売とは具体的には何か?
コーラの原液?
もちろん、それもあります。
しかし、一番はマーケティングでしょう。コカ・コーラという甘い黒い液体を世界中で猛烈に売るために、コカ・コーラ社は猛烈にプロモーションをしていますよね。
ジェイ・エイブラハムはこう言っています。
マーケティングはビジネス永続の基本だ。ビジネスを成功させるには、優秀なマーケッターでなければならない。
マーケティング力、ブランド力、このような一見ファジーな強みこそ永続するワイドモート(深い堀)です。コカ・コーラはマーケティング力で売っているようなものです。味で売っているわけではないでしょう。まあ美味しいですけど笑。
フランチャイズ化がうまく成功すれば、コカ・コーラの売上高は大きく減少するでしょうが利益、利益率は大幅に改善することが期待されます。
今のコカ・コーラ社は将来高く飛び跳ねるために、一度小さくしゃがんでいる感じでしょうか。私にはそう見えます。
確かに、2017年度の業績予想は下方修正しました。しかし、それをネガティブに捉える必要はないと思っています。飲料ビジネス自体は好調ですし、これから世界的に中間層が増える中で炭酸飲料やエナジードリンクの需要が減る可能性は少ないと思います。
トランプ相場で株式相場が熱気を帯びている中、コカ・コーラの株価は冴えない感じです。S&P500が2017年初来+4%なのに対して、KOは▲2%です。すでに6%ものアンダーパフォーム。
もちろんだからと言ってコカ・コーラ株が割安だと言えるわけではありませんよ。北米事業のフランチャイズ化を進めているのは周知の事実ですし、それが成功すれば収益力が上がることだってアナリスト、機関投資家み~んな知っています。
すべては株価に織り込み済みです。利益率の悪いボトリング事業だけを切り離すわけですから、容易にはいかないし現に追加コストが発生しているわけです。
ですが、、株価は上にも下にも過大に振れ過ぎる傾向があります。2017年のガイダンス下方修正を過度に嫌気して、北米事業フランチャイズ化の威力を甘く見ているかもしれません。さらにトランプ相場の影響で景気敏感株に注目が集まり、KOのようなディフェンシブな地味株はただでさえ忘れ去られる時期です。
現在(2017/2/14)のKOの配当利回りは3.45%。リーマンショック時以来の高利回りです(当時は一時4%を超えましたが。。)。
2017年のダウの犬銘柄でもあります。
私には相場の未来を読む力など全くありませんし、シーゲル教授の書籍に影響を受けている立場上、どうしてもKOのようなディフェンシブ株をフォローしがちなのは認めます。
認めますが、、、2017年は、30年後の経済的自由に向けてKOを仕込んでおく絶好の機会かもしれない!とあなたに進言しておきます。
(投資は自己責任でお願いしますね!)
Hiroさん、
こういった記事、最高です!
様々なサイトでKOの状況は把握できても、株価は低迷中、、
購入しようか、もっと下がるのを待つか、、なーんて
やってるうちに反転してしまうものですよね。
PMかKOは近々に購入しようと思っていましたが、
まずはKOを購入してみようと思います。
もちろん、大きく下がったら買い増し出来る状況が整いました。
引き続き面白くてためになる記事を宜しくお願いします。
のりのりっちさん、ありがとうございます!
KOは大型株ですし明らかに割安になることは少ないと思いますが、今は悪い時期ではないと思っています。
私はKOの仕込み時かもしれない!と記事に書きました。
もちろんそれは本心です。
ただ、この記事ではKOの決算を読んで、私が何を考えたかを伝えたかったです。
自分の視点や発想が凄いとか面白いとかそんな傲慢不遜なことは思っておりませんが、「へ~、こういう考えもあるんだ~」くらいに思ってもらえると嬉しいかなと。
先日も記事で申し上げたのですが、合理的な商品や優良銘柄を選んでおけば大差ないのが現実だとうと思っております。
それが長期株式投資のいいところであり、退屈なところでもあります。
株式投資は基本はつまらないものですよね。
コツコツ購入してあとは放置が合理的なわけですからね。
だからこそ、役に立つという記事も頑張って書けるようになりたいですが、面白い、というか「こんな視点や解釈もあるんだな!」と思ってもらえる記事を書けるように精進したいと思います。Usefulよりfunny、funnyよりinterestingを目指したいなと。
Hiroさん
いつもブログの更新を楽しみにしております。
今回の記事も面白く拝見させていただきました。
私事で申し訳ないですが昨日、少額ながら現金が余っていたのでKOに追加投資しました。
理由はとても簡単でKOという大型株がフランチャイズ化費用の増加という一時的な費用(しかも将来の高収益化のための費用)が理由で嫌気されて株価が下がるチャンスなんてめったにないと感じたからです。
しかも、本業は順調で市場の盛り上がりに反して株価が下がっているなんてこれ以上ないベストタイミングだと感じました。(あくまで私見ですが笑)
もちろんまだ下がる余地があるかもしれませんので、その際にさらに追加で投資できるように準備はしておりますが、そんなタイミングでこちらの記事を拝見させていただいたので、思わずコメントしてしまいました。
なんにせよ、世界中でマクドナルドのハンバーガーをコカ・コーラで流し込む人がいる限りはMCDとKOは素晴らしいパフォーマンスを見せてくれると信じています。
ユウさん、
いつもブログご覧頂き、またコメントまでありがとうございます。
KOに投資されたのですね!
なんか考えていること一緒で驚きますね!!
ユウさんが仰っている通り、将来の高収益化のために一時的に費用が発生するだけで固定的な費用ではありません。
フランチャイズ化が成功して将来の収益が増加することは市場は織り込んでいないと思います。
でも織り込んでいないことも仕方ないと思います。
まだ途上ですからね~。
ここでKOに投資することは、将来のフランチャイズ化成功に賭ける面もあると思いますが、KOのようなビッグネームはその資金力を活かして組織改革を断行できるのではないかなと思っています。まああまり根拠はなく直感で申し上げているだけなのですが。
本業が順調というのは一番の安心材料ですよね。
KOやMCDは今後50年続くビジネスだとはっきり断言できますよね。
そういう銘柄こそ長期投資銘柄だと思います。
>もちろんまだ下がる余地があるかもしれませんので、その際にさらに追加で投資できるように準備はしておりますが、
さすがですね・・
追加資金を待機させておくと何かと安心な面はありますよね。
買いたくても買えない!というのはもどかしいですから。
私は銘柄分散をしたいと思っているのですが、、最近は専らKOとXOMしか見ていません。
私もKOを買うかも。
その時はまたブログで報告しますね!
Hiro様、こんばんは。
去年はチャイナショック、ブリグジット、原油安、トランプショック
(1日だけ)と円高バーゲンセールが何度もありましたが、今年やっと来たかな、遂に来たかなトランプ様不祥事疑惑円高バーゲンセール。
コカ・コーラとエクソンモービルにガツンといきませっせー(笑)
アップルとグーグルにもちょびっと行きますが(笑)
ここがなんちゃってシーゲル流派の洒落なんですが
早く最新記事に追いつきたいです。
マッキー様、こんばんは。
今年やっときた!と私も思っていたのですが、今日は結構堅調な相場ですね。
2日くらい下げ相場続いてもいいじゃん!って思いましたが。
WSJにありましたが、今回トランプ期待が剥げる程度では調整は5%~6%くらいとのこと。
それほど大きな下落にはならないのでしょうかね。
夏の賞与まで、円高株安続いてくれると有り難いですが、そんなうまく事は進まないのでコツコツ地道に投資続けます。
>コカ・コーラとエクソンモービルにガツンといきませっせー(笑)
私は、こういう下げ局面では、KOなどのディフェンシブ銘柄より下落幅が大きいシクリカルな銘柄に手を出したくなります。。
あるいは、金融株とか一つくらいポートフォリオに加えてもいいかな~などと最近悩んでいます。
>早く最新記事に追いつきたいです。
過去記事から読んで頂きありがとうございます。
1年以上もブログを継続できるとは思いませんでした。
今日、新宿駅構内の売店でジュースを買う時にチェリーコークがあり、飲んだことがなかったので買って飲んでみました。
美味しかったです。
日本でも売られていたのは知らなかったです。 バフェットになった気分です!
え!、そうなんですか。
確か日本では結構前に人気が乏しくて販売停止しましたよ。
なんと、意外にも新宿駅の自販機にあるのですね。
私もよく新宿駅行くので、今度買ってみたいです。
バフェットが好きなのはコーラの中でもチェリーコークですもんね。
ただ、実は私チェリーがちょっと苦手なんですよw。
でも絶対に無理なわけじゃないです。
(ちなみに絶対に食べれない苦手な食べ物はトマトと梅干しです。)
バフェットが飲んでいるチェリーコークを、私も一度飲んでみます!
横浜駅から湘南新宿ラインで新宿駅へ行ったのですが、途中の大崎駅でスタバが見えました。Hiroさんが以前コメント欄で述べていた大崎駅のスタバだと思います。
神奈川って住みやすい街って言われますよね。
私も何度か行ったことありますが、綺麗な街並みですよね。
大崎駅のスタバはいいですよ~。
昼以降は他のスタバの例に漏れず人が多くなりますが、休日の午前中は穴場です。
人が少ないスタバって都内ではレアです。
最近行ってないですがね~。
こんにちは、Hiroさん
コカコーラは私も保有しておりますが、やはり安心感ありますね。
サッカー選手で例えるなら、元バイエルミュンヘンのフィリップ・ラームのような、ディフェンス力のある株式だと思います。
私はユニリーバの株も保有しておりますが、これもかなりディフェンス力高い銘柄だと思います。
ちょうどトランプ大統領が誕生して、ディフェンシブ銘柄が軒並み下がっている時に仕込んだので様子を見て適宜買い増しはしますけど。
個人的に注目している銘柄としてはKR(シーゲル銘柄)、CCE(コカコーラ・ヨーロッパ高配当)、B&Gフーズ(高配当)、TR(シーゲル銘柄)、WSM(Williams-Sonoma Inc)ご参考までによろしくお願いします。
カイトさん、こんにちは。
メールもありがとうございます。
米国ディフェンシブ株をサッカー選手で例えると、どうしてもボランチ的な選手が頭に浮かびますね。
ドゥンガとかマケレレとか(古いかw)。
ユニリーバも生活必需品の優良銘柄ですよね。
トランプ大統領が当選した時は、米国債利回りが上昇してそれに従って高配当株は下がりましたよね。
私はその時にフィリップモリス株に投資した判断だけが、自分の最近の投資で唯一短期的な成果が出ているものです。
あとはIBM、XOM、SLBぜんぶ含み損ですorz
それらの含み損をPMでカバーしている感じです。
総体では多分S&P500に負けていると思います。
計算しておりませんが。
注目銘柄のご紹介ありがとうございます。
恥ずかしながらKRしか知りません。
コカ・コーラヨーロッパとは、コカ・コーラジャパンみたいな感じでしょうか。
食品銘柄は最近株価下がり気味ですが、長期的に見れば安泰な投資先ですよね。
なんてたって衣食住の「食」ですから。
今出先なので、帰宅したら四季報見てみますね~。
チェリーコークは自販機ではなく、ケーキ屋等のお菓子売場が集まっている近辺の売店に売っていました。 お酒中心の売店でした。
私はチェリーが好きなので、私にとっては美味しかったですよ。
昨日は横浜スタジアムの前のビアガーデンで友人と飲んで、風雲児のつけ麺を食べたくなったので新宿に向かいました。
新宿に着いてから、つけ麺食べたらさすがに食べ過ぎかなと思い風雲児には行かずに帰る時に売店で見つけたのですよ。
ちなみに神奈川県民ではありませんよ(笑)
私はボランチといえばマケレレと同じフランス代表のヴィエラですね。
チェルシーさん、ヒアガーデンでしたか。
いいですね~、暑いですけどそこで飲むビールは格別ですよね。
私も先日、新宿のホテルの屋上でビアガーデンしましたよ~。
「天空の・・」というプラン名でワクワクしていましたが、5階が会場で拍子抜けしましたw。
どこが天空なのか・・。
ところで、野球観戦もいいですよね。
私自分がプレーするのはサッカーの方が好きなんですが観るのは野球の方が好きです。
ビール飲みながら、ゆっくり観戦できますから。
今度、会社の同僚と明治神宮で野球観戦に行く予定です~。
東京来てから野球見るのそういえば初です。
楽しみです。
福岡にいた頃は、たまに父親に連れられてソフトバンク(当時ダイエー)ホークスの試合を観ていました。
>ボランチといえばマケレレと同じフランス代表のヴィエラ
マケレレうまいですよね。
ヴィエラなつかしいです。
先程、新宿に寄ったのでまた購入しました。
レシートにはNEWoManの「リカーセレクト360°新宿店」と記載されております。
チェルシーさん!、一足遅かったです。
18時半頃に新宿駅のメトロプラザあたりをウロチョロ探しておりました。
ケーキ屋さんと言えば、あの辺だろうと思いまして。
NEWoManにあるのですね。
情報ありがとうございます。
来週、お店に行ってみますね。