最近、大人気の乃木坂46は総選挙みたいな奴はやってないんですね。メインでテレビに出る人はどうやって決まってるんだろうか。秋元さんの裁量次第?
まあ、いいや。
AKB48は総選挙なるものを開催してますよね。
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もはや誰もわからん。
前田敦子、大島優子、まゆゆ、柏木由紀くらいしか知りません。もうほとんど引退しちゃいましたよね。
個人的には、人気をランキング化して公に晒すなんて、人気のない人には辛いイベントだなと思います。まあ、単なるエンターテインメントなんでしょうけど。CD買わないと投票できないとか、マーケティング巧すぎやな~と思います。CD単独では売れない時代ですからね。
株式投資は美人投票じゃない。
さて、イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、「株式投資とは美人投票のようなものだ」と言いました。まるでAKB総選挙のような。
ケインズは、玄人筋の行う投資は「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人達に賞品を与える新聞投票」に見立てることができるとし、この場合「投票者は自分自身が美人と思う人へ投票するのではなく、平均的に美人と思われる人へ投票するようになる」とした。
Wikipediaより
自分が美人と惚れ込んだ女性に投票してはダメだ。そうじゃないんだ。みんなが美人だと思う女性を予想して、その女性に投票すべきなんだ。それが株式投資で勝つ秘訣だ。ケインズはこのように言いました。
乃木坂で言えば、あなたが乃木坂のアンダー(メインでテレビやコンサート出ていない人のこと)の女性を「めっちゃ可愛くてタイプだ、応援したい!」って思ったとしても、まいやん(白石麻衣さんのこと。乃木坂で多分一番人気。)に投票した方がいいということです。
みんながまいやん株を買う。だからまいやん株は上昇する。よって、まいやん株ホルダーのあなたは利益を得るという理屈です。
一見正しそうです。
「さすが著名経済学者、株式投資の本質を突いている!」って思うかもしれません。
でもちょっと待ってください!
ケインズの美人投票理論は本当に正しいのでしょうか?
株式投資って、周りが美人だと思う女性に投票すれば儲かるような、そんな予想ゲームなのでしょうか?
私はそうは思いません。
「ケインズの美人投票」は、こと長期投資家にとっては適切なメッセージとは思えません。
結局、ケインズは株価しか見えてません。確かに株価の値上がりこそが株式投資のリターンだとすれば、ケインズの主張は正しいです。反論の余地はありません。
でも、単に投資家の買い注文が集まって需給が引き締まって株価が上がっているだけなら、それは長期的な株主利益には繋がりません。値上がりした時にうまいこと売却できれば、キャピタルゲインを得られることは事実です。
しかし、長期的に株を保有するつもりなら、買い注文が集まったことによる株価上昇なんてリターンに何のプラスもありません。むしろ追加投資の単価が上がって損なくらいです。
株主の利益は企業の利益です。結局、あなたが投資した企業がどれだけビジネスで稼いでくれるかがすべてです。長期投資の利益は企業のビジネスの成果に依存します。投資家の人気度合いは関係ありません。
企業のビジネスの実態が変わらないなら、投資原価(株価)は安いに越したことはありません。当たり前です。スーパーで買い物する時に、特売品を買った方がお得なのと何ら変わりません。
美人投票の発想で株を買うなんて、むしろ損です。みんなが可愛い可愛いと思うような株は、概して割高になりがちです。優良株なら割高で買っても長期では問題ない可能性はありますが、それでもなるべく安く買えるに越したことはありません。割安は無理でも、せめて適正価格で買いたいところです。
投資家の人気ではなく、顧客の人気を見る。
経営者にとっての重要な利害関係者は2つ。株主と顧客です。どちらの期待にも応えなくてはなりません。CEOは株主から資本を預かって、莫大な経営者報酬をもらって経営のかじ取りをしています。その株主からの期待に応えるためには、顧客の期待に応えなくてはなりません。
お客さんに満足してもらってたくさん売上が立つことで、結果として株主利益も大きくなります。
その顧客価値が株主価値の源泉です。
短期トレードなら、企業が顧客価値をどれくらい創造できるのかとかどうでもいいです。株主価値だけに注目すればいい。短期的に株主価値(=株価)がどう動くのか予想して、利ザヤを稼げればいいわけですから。
でも長期投資なら、そういう株主価値(株価)の短期的な変動は関係ありません。見るべきはビジネスです。顧客に価値を提供し続けることができるかどうかです。
アップル株で言えば、投資家がアップル株を高く評価することと、アップル株の(長期)投資リターンには関係性がありません。
確かに投資家がみなアップル株に買い注文を出せば、株価は上がりますよ。しかし、その株価上昇が合理的な上昇どうかは、将来の顧客価値次第です。アップルのお客さんが、たくさんiPhoneを買ってくれて、アップストアをたくさん利用してくれるかどうか。そのビジネスの結果にすべてが掛かっています。
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ケインズの美人投票理論は、投資家レイヤー(左側)にしか注目できていません。
が、そこは株式投資の利益の源泉ではありません。見るべきはお客さん(右側)です。アップルがたくさんの顧客を満足させて、収益を上げ続けることができるか否かが重要です。
お客さんの人気を集めて利益をたくさん稼いでくれる、でも投資家からは不人気で割安に放置されている株が理想的です。上の図で言えば、右側(顧客)からは絶大な支持があるのに、左側(投資家)からは全く支持されていない銘柄ということです。
実際はそんな都合のいい株はほとんどありません。「お客さんから大人気=高収益を上げている=投資家からも大人気」というのが、普通です。
最悪なのは投資家からは大人気で票が集まっているにもかかわらず、顧客からは不満の声が続出で収益が衰退していくケースです。衰退企業を高値で買ってしまえば株主は損する可能性大です。
常に株券ではなく、ビジネスを買うという投資姿勢が必要です。
ウォーレン・バフェット
ケインズの美人投票理論は株券しか見てません。株券の値段が上がるか下がるか、そこにしか注目できてません。
ビジネスを見なくては。投資家が株の価値をどう評価しているかではなく(それも大事だけど)、お客さんが企業の製品・サービスをどう評価しているのかに注目しなくては。
どっちかと言うと、子どもを見て将来美人になる子に投票するという美人投票の方が近いように思いますね。
なるほど、そういう発想もありますね。
未来のアップルを見つける的な感じですか。
大型優良株というより、将来有望なベンチャーを探すイメージですかね。
今のテスラが将来超美人になるかもしれません・・。
インデックスは、コンテスト出場者全員を応援できて……新人も自動で加入してくれて新陳代謝もありますよねぇ。 皆に人気も自分だけのお気に入り、将来の卵まで……インデックスを楽しむ極意は八方美人に囲まれている贅沢な時間を感じるのに尽きますねぇ。
ハリウッド映画やミュージカル、壮大なクラッシックオーケストラ、を楽しむのがインデックス投資。
アカデミー作品賞の映画には、エンドロールに出てくる個人のパワーが集まった結晶だから名作になるんでしょうね。
個別株式投資はアイドルや役者や芸術家、ソロミュージシャンを応援するパトロンの楽しみが有りますよね。株主総会はファンクラブと応援しているアイドル達との交流会だったりするし。
個人を応援してパトロンになるのも人生を豊かにするけど……子役時代から老け役の名優まで長年頂点に立っていられる吉永小百合さん見たいな役者を誰より早く見つけて応援する……早い者勝ち…の要素が個別株式投資なはあるかもしれませんね
米株のインデックスは冷静に考えたらすごい布陣ですよね。
クリック一つで簡単に買えるもんだから、なかなかその凄さを実感できませんが、たまに客観的に見ると恐ろしいな~と思います。
アメリカはイノベーションが盛んでトップ企業が入れ替わるのも面白いところです。
ほんの少し前はエクソンモービルが時価総額トップでしたが、今やアップル、アマゾンといった大手ハイテクが軒並みトップです。
あと10年後、20年後はどうなっているのか。
日本ではトヨタ自動車やソフトバンクが変わらずトップに居る気がしますが、アメリカは予見不可能だな~と思います。
オクタなど将来有望な新興企業がたくさん生まれています。
いずれにしても、IT関連の企業が存在感を放っていると思います。
何かのファンになって応援するのって楽しそうだなって最近感じます。
乃木坂などアイドルの追っかけって昔は「こんなんに金かけまくってくだらね~」って思ってましたけど、ここまで夢中になって楽しめるのって羨ましいなあと最近思います。まあ、やらないですけどねw。
コンテンツを作る側、コンテンツを消費する側、どちらにも楽しさはあるなあと感じます。
ケインズはバリュー投資家の1人でもありますが、イギリス人としてアメリカ人をdisるネタとして美人投票を出しているのかもですね笑 以下一般理論で気になった箇所です。
「市場の心理を予測する活動に、投機ということばをあてはめて、資産 の寿命を通じた見込み総収益を予測する活動を事業と呼ぶことをお許しいただけるなら、 常に投機が事業にまさるというわけでは決してありません。」
「アメリカ人にとっては、多くのイギリス人がいまだにやるような「配当収益」を当て にした投資は珍しいのだ、と言われます。アメリカ人は、株価上昇の見込みがないと、投 資商品を購入したりしません。これは言い換えると、アメリカ人が投資商品を購入すると きには、見込み収益などあまり期待せず、世間的な価値評価基準が自分にとって有利に変 わるのを期待しているのだ、ということです。つまりアメリカ人は、上述の意味で投機家 なのです。」
ケインズ『雇用、利子、お金の一般理論』山形浩生訳(全訳) (pdf 840kb)
https://cruel.hatenablog.com/entry/20110925/1316970195
ありがとうございます、面白い文章ですね。
美人投票の投機家的な話は、むしろアメリカ人の投資スタイルに対する批判、アンチテーゼということですか。
その発想はなかったです。
ケインズは世界の基軸通貨がポンドからドルに変わることに、いたく失望したという話を聞いたことがあります。
アメリカに対する対抗意識は強いのかもしれません。
「株価上昇を期待する=投機」とは思わないですが、発想の根底に企業の業績、配当がないと、どうしても発想は投機的になりがちです。