1ドル150円に届かんとする為替相場。

インバウンド消費の復活でそろそろ円安も一服するのではと思いたいものの、貿易収支の赤字が構造的な円売り圧力になってますし、早期の円高転換は難しいかもなと諦めてきました。

そこで、改めて日本株を検討しています。

ジュンク堂で四季報を買って、スタバでPC開いてネットでググりながら勉強中です。日本株はマイナー企業でも生活に身近な存在なことも多く、情報も日本語で取れるので、リサーチは米株より楽しい(というか楽)ですね。

しかし、やはり米株に比べて日本株は嫌だな~と思うところはあります。

最低投資金額が高い

日本株は原則として100株単位でしか投資できません。昔は1000株単位とかもあったので幾分マシにはなりましたが、それでも相対的に資金力の乏しい個人投資家にとってはいまだにハードルは高いです。

たとえば、個人的に注目している半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンに投資するには最低でも350万円は必要です。

米株は1株から買えます。日本も同じように1株単位から投資できるようにぜひ制度設計を見直して欲しいです。

現代資本主義は「通りすがりの株主」が多く、経営者としては短期保有の面倒くさい株主が増えるのは嫌だという心理はあるのかもしれません。単純に株主数が増えると管理が面倒なのもわかります。

しかし、株式を公開している以上そこはやむを得ないと諦めるべきと思います。非公開という選択肢も一応はあるわけだし。公開しているなら広く株主を募れる状態にした方が自社の株価にもプラスに働くのではないでしょうか。

かつての銀行持合い時代なら、単元株制度も意味があったかもしれませんが、最近は持合いも解消の動きが進んでいます。個人株主を大切にするためにも、もっと最低投資単位を下げて欲しいです。

ネット証券を中心にサービス展開があるミニ株を利用すれば1株単位から投資できますが、手数料がやや高いし、株主優待の問題もあるし、ちょっと抵抗を感じます。あと、個人的に利用している楽天証券はミニ株やってないです。

株主優待いらん

なるべく株主優待がない企業に投資したいです。そこのスクリーニングが入る点が面倒。せっかくいい銘柄だなと思っても、株主優待があると投資したくないなあと思っちゃいます。

前述の通りミニ株で投資している人は株主優待を貰うことはできません。あと、海外投資家もその恩恵に預かることはできません。株主優待は株主平等の原則に反すると思うので私は反対派です。

メリットは優待に所得税がかからないことくらいでしょうか。厳密には雑所得だと思うので、金額に応じて申告必要ですけども。

株主還元は配当ないし自社株買いの2つで十分です。投資成果はお金でもらいたいです。そのお金を再投資するか、消費に使うかの裁量は株主に与えて欲しいです。

債務超過企業は上場廃止

あまり世間では話題にならないですが、個人的にもっとも日本株の長期リターンで懸念するポイントは債務超過が上場廃止事由になっている点です。

東証は上場維持基準として「純資産額が正であること」を掲げています。

日本企業は米国企業に比べて株主還元意識が弱いと言われることがありますが、この上場廃止基準が原因の一つだと私は見ています。別に日本企業のCFOの能力が劣っているとかそういうことではないと思います。

人材、特許、ソフトウェアなど目に見えない、バランスシートに載っていない無形資産価値が企業の競争力を左右すると言われるようになって久しいです。

そんな経済環境の中、バランスシートの純資産簿価にどれほどの意味があるのかは疑問です。PBRで割安度を測るのはもう時代遅れになっています。

米国では積極的な株主還元の結果、簿価純資産がマイナス(=債務超過)になっている企業がちょくちょくあります。私の保有銘柄だとマクドナルドやフィリップモリス、スターバックスが該当します。

米国は債務超過だからって上場廃止になることはありません。

純資産がマイナスになるまで株主還元すべきと言いたいわけではないのですが、純資産がマイナスになったらアウトというルールが存在する限りは、経営者はいくら儲かっていても自社株買いの大盤振る舞いには慎重にならざるを得ません。

その結果、内部留保が多くなりがちです。

せめてプライム市場だけでもいいから、「純資産額が正であること」という上場維持要件を撤廃して欲しいです。