先日、「Hiroさんは債券や金、不動産は興味ないんですか、投資しないんですか?」というコメントを頂きました。債券に対する考えは結構書いてきたつもりです。金はあまり書いてないけどちょっと今は割愛で。

この記事では不動産投資について、思っていることをありのままに書いてみようと思います。不動産投資、賃貸経営は副業として興味があります。やってみたい気持ちがあります。でも、ろくに人脈や知識がない状態で、しかも物件価格が高い都内では安易に手は出せないなあと思っています。

不動産投資(賃貸経営)は価値観の押し付けが小さい点が魅力だと感じる

株式はただ持っているだけでキャピタルゲイン、配当を得ることができます。資本主義社会を豊かにサバイブしていくための手段として株式投資は王道です。

ただ株式投資は「副業」って感じがしません。本業以外のビジネスを持っている気はしない。株主は事業の経済リスクを負っているものの、事業運営そのものは経営者にすべて委託しており、投資家ができることは経営陣を信じて決算を待つのみですから。

なんか自分でビジネスをやってみたいという思いはずっと持ってます。もっと自分の力でお金を稼いでみたいなあという願望があります。

という思いとは裏腹に、私はビジネスに向いている性格ではないと自己分析しています。

というのも、自分の価値観を社会に提案することが苦手というか好きじゃないからです。押し付けっぽいことが好きじゃない。何か商品、サービスを作って顧客に売るという行為は、自分が良いものと信じる物事が自分以外の他者にとっても有益という自信があってこそやれることです。EVの普及は社会とって善である、という理念がないとテスラを創業することはできないはずです。

そういう発想があんま好きじゃないんよね。ピックアップトラック乗り回したい人は乗ればいいし、スタイリッシュでエコなEVに乗りたい人は乗ればいい。人それぞれ好きにやればいい。環境問題は政府がインセンティブを考えればいいんじゃないの。くらいに思ってます。ちなみに、私はEV応援している側ですけどね。テスラ株興味ありです。

大学生の時にやってた塾講師のバイトが楽しかったので、教育ビジネスには興味があります。内容はやっぱり簿記や会計ですかね。ただ、条件があって受け身な講師じゃないと嫌です。相手から分からないことを聞かれて、それに答える形式がいいです。

自分から積極的に教えたくない。なんかそれって余計なお世話な感じがするので。一番嫌いなのが「社会人になったら英語、IT、会計の3つが必要なスキルと言われます。あなたも今すぐ簿記の勉強をやりましょう。将来絶対に役に立ちますよ!」ってな感じで簿記・会計の勉強を売り込むようなことです。

別に会計を勉強することが万人にとって絶対に有益とは一概には言えません。勉強するには時間を割きます。有限な時間をどう使うのかは、それぞれが自分で考えることです。自分の考えを押し付けて他人の時間の使い方を強要するようなスタイルがどうも苦手。

だから、すでに会計に興味があって勉強したいというモチベーションがある人に対して、聞かれたことを教える形式がいいですね。じゃないと嫌です。めっちゃワガママですがw。

あ、で、この記事は教育ではなく不動産投資の話がメインです。不動産投資、賃貸経営の何が魅力って衣食住の一角を抑えているところです。住居って生活必需品ですよね。大きな負担だと思いつつも、みんな家賃を払って家を借りています。あるいはローン組んで数千万円の大金を払って家を買っています。

衣食住に関わるビジネスは自分の価値観を押し付ける要素が少ないと思うんですよ。だって、誰しも毎日飯を食って、服を着て、家で寝るでしょ。そういった生活必需品の提供は地に足のついたビジネスって感じがします。そこがいいね。

衣食住の3つのうち個人がやれるのは「食」もしくは「住」でしょうか。衣(アパレル)は想像できないです。「食」はやろうと思えばやれるけど、本業を続けながら片手間で飲食店を営むのは難しいです。あと、この業界はレッドオーシャンですし。

それに引き換え「住」(不動産投資、賃貸経営)は個人でもやりやすいです。「食」は自分ないし従業員が労働しないと経営を維持できないですが、「住」は労働がほとんど必要ないです。借り手が付けば毎月家賃収入が振り込まれます。ただし、利回りの良い物件の目利き、セルフリフォームといった経営努力をしないと高い運用成果は達成できないと思います。

不動産投資は株式投資よりも経営の要素が強く、かと言って不労所得の要素も十分あり、しかもその事業は衣食住の一角である「住」の提供という非常に手堅い内容です。これはなかなか魅力的なビジネスだと感じます。

不動産は個別性が強く素人が適当に物件を買っても儲からない(はず)

不動産は株式と違って公開マーケットがありません。私が買うアップル株とあなたが買うアップル株は全く同じものですが、不動産はこの世に二つと同じものは存在しません。

大型株を買うのはスーパーで2リットルのお茶を買うようなものです。店によって180円だったり130円だったりと多少の差はあるけど、いずれも合理的な範疇です。仮にミスっても単価が低いのでダメージは小さいです。流通量が多い商品は買い物慣れした多くの消費者(主婦など)がいるので、割高な価格で売り込むのは難しいんですね。

一方で、不動産は購入の機会が少なく消費者側の知識が乏しいことが多く、割高な価格を掴まされるリスクが相対的に高いです。しかも単価がべらぼうに高いため、1回の投資ミスで大きな経済ダメージを受ける可能性があります。

だから、人脈もなく知識もちょっと書籍をかじった程度で不動産を買うのは心もとないです。不安が大きい。繰り返しだけど単価も高いですよね。銀行から融資を引くことも多いですし。

不動産はただ仲介会社から買うだけでそれなりの利回りを得るのは難しいだろうと思います。やったことないから想像で言ってる面も多分にありますけどね。なんかプラスαの努力をしないとダメでしょう。そこが株式投資と違うところ。最悪なのは、会社にかかってくる賃貸経営の営業電話に乗っかって投資用マンションなどを買っちゃうことですね。自分の努力をしないどころか、相手に営業努力させて回ってきた物件で儲かるはずがありません。

とまあこんな感じで、不動産投資(賃貸経営)は地に足のついた魅力的なビジネスだと思いますが、安易に手は出せないなあと思っています。