いま32歳ですが預金含めて金融資産は2600万円ほどあります。これは一般的には多い方だと自覚しています。僕はもともと貯金好きです。初任給で両親を長崎雲仙の温泉旅行に連れて行きましたが、それ以外は特に使いませんでした。

「会計士試験受かって社会人になれたらスポーツカー買うぞ!」とか学生時代に思っていたけど、いざ社会人になると車の保有コストの高さを嫌って、スポーツカーどころか軽自動車すら買わない始末。貯金優先。結局そういう性格なんです。

株式投資に出会ったのももはや必然としか思えません。貯金好きだったら、遅かれ早かれ資産運用の世界は知ることになったでしょう。

貯めるのが好きですが、それはお金に限った話だけではありません。人間関係でもそうです。

このまま真面目に働き続ければ、いずれは年功程度には出世して管理職くらいにはなるかもしれません。「昇格試験受けてみない?」と上司に言われて断る勇気はないし。ただ、自分のことは自分がよくわかっているのですが、僕はマネジメントには向いていないです。なぜなら、仕事を振るのが苦手だからです。

上の立場になればなるほど、周りの人を使うことが求められますよね。指示して仕事を振る。経理部長が決算資料作ることはありません。しっかりレビュー工程を通った最終アウトプットが部長のデスクないしメールボックスに届きます。100人いる経理部人材をどう使い育成するのか、割り当てられた年間予算をどう使うのか、そういうリソースの配分を決めるのが部長の仕事です。

僕はまだまだ下っ端なので指示されることが多いです。この資料作っておいて、為替の分析しておいてとか。それは全然構わない。仕事はないよりあった方がいいし(仕事を与えないのもパワハラに該当するらしいですよ!)。数字の分析は好きだし。いまの仕事はホンマ趣味みたいです。

好きだからってわけじゃないですが、僕自身は仕事をあまり下に振らないです。20代の後輩は一応それなりにいるんですけど、よほど大量の仕事を抱えていない限りは振らない。「自分でやった方が早い病」という言葉がありますが、まあそれは確かにあります。自分で言うのもなんですが、仕事早い自信あるんで。

でも、それが一番の理由じゃないです。仕事を覚えて成長してもらうためにも、なるべく仕事は後輩に振った方がいいとは思ってます。僕が仕事を後輩に振るのに抵抗を覚えるのは、単に「いま忙しいかな~」、「この仕事お願いしたら残業させちゃうかな~」と気を使ってしまうからです。

人に何かをお願いするのって、お金を使うのに似た感覚があるんです。
私だけですかね、こんなこと思うの・・。

なんだろうか、人に何かを依頼するのって目に見えない信頼残高を消費するイメージがあるんです。仕事関係でも友人関係も同じです。昔からの友人だからって、お金貸して、あれ教えて、これやっといてとクレクレばかり言ってたら普通は関係は破綻します。恋人も同じ。人間関係はギブアンドテイクが基本。

人は付き合うメリットがある人と付き合うものです。友達でも恋人でも。子どもの頃は利害関係のない友人関係があって良かったとかたまに聞きますけど、子どもだって利害関係に基づいて付き合う人を選んでますよ。ビジネスという金銭的な利害関係がないだけ。一緒にいて楽しい、このグループにいると周りからの印象がいい、というのも利害です。

僕はギブ&ギブ&ギブ&テイクくらいでないと不安です。3ギブ1テイクくらいが丁度いい。借りを作るのは嫌いです。割に合わないくらい貸しを作る方が精神的に落ち着く。

人のために尽くす良い奴ってわけじゃありませんよ。そんな高尚なもんじゃありません。ただの自己都合です。それくらいギブが多い方が心穏やかに過ごせるという、自分のエゴに基づく行動です。

貯金というのは社会に対する「貸し」だと言えます。100万円稼ぐということは社会に100万円相当の価値をもたらしたということ。それを使わずに貯め込むというのは、100万円分の資源を社会から調達できる権利を保留することを意味します。

たまに1ギブ3テイクくらいの人いますよね。皮肉ではなく、そういう人は羨ましいなって思います。そっち方が人生得ですからね。ギブ不足でも人間関係が切れないのは、愛嬌とかルックスの良さとかそういう要素があるからでしょうか。自分には真似できません。

お金カツカツで生活するのは絶対に嫌です。理想はコップから垂れる水滴で不自由なく生活すること。コップの中は「貸し」という名の水で満たしておきたい。

人間関係も一緒。クレクレで信頼残高を浪費したくない。むしろクレクレに応じて信頼残高を貯めておきたいくらい。人を頼るのは嫌、頼られるのは全然いい。おごってもらうのは嫌い、おごるのは好き。仕事を振るのは苦手、仕事を振られるのは大歓迎。借金はどちらかと言うと嫌い、貯金は好き。

我ながら損な性格だと思います。でも僕はこういう人間なのです。なんでか知らないけど、昔からこういう性格なので多分一生変わらないと思います。色々貯め込んで、そのまま人生を終える気がしてます。それで構わない。