2016年に米国株投資を始めてから丸3年以上経ちます。これまで一度たりともS&P500指数に勝っていないはず。全力でS&P500ETFに投資していたら今頃もっと資産増えていたはずなのになあ、と思う時もあります。自分なりに銘柄研究して個別株に手を出してむしろ超簡単なETFに負けるという、、残念過ぎる結果。。

例の赤本を読んだ後は妙な有能感に包まれ、自分は必ずS&P500指数を超える投資リターンを実現できるんだという自信に満ちていました、恥ずかしながら。でもアルトリア、IBM、シュルンベルジェと、ことごとく大含み損に沈み行く中で、当初の自信は徐々に失われていきました。

長期投資のリターンなんてたった3年で測れるものではありません。それはわかっています。ある投資スタイルは継続して勝ち続ける傾向にありますが、それは裏を返せば別の投資法は継続して負け続けることを意味します。ここ5年で言えばITセクター中心にグロース株が強く、生活必需品セクターなどのバリュー株が弱いです。まあ、景気回復期だからそうなるのも仕方ない。

ここで心変わりせずに一貫した投資スタイルを保つことが大事なんだと思っています。底値で売って高値で買っちゃうのが最悪ですから。ここ半年で痛感しましたが、マーケットは読めない。

競馬では先行逃げ切りよりも、最終コーナー回った後にズバッと差して一位を取ることの方が多いです。脚質で言えば「差し馬」、「追い込み」と言うんでしたっけ。大学生の頃やってたウイニングポストの知識ですが。間違ってたらすみません。。そうなればいい。最後に勝てばいい。ただ最後に本当に差せる保証はありません。当然ですが。そこに自信が持てない。

なぜ自信が持てないのか?

未来はわからないから。過去の数字を見れば問題ないという意見もありますが、未来が過去の延長になるとは言い切れません。

そして株価。所謂ミスター・マーケットと呼ばれる奴です。こいつが僕の心を揺さぶります。

僕はタバコ株の未来を心配しています。70ドル付近の高値(PER20倍ほどあった)でアルトリアグループ(MO)に100万円以上も突っ込みました。その後も幸い少し安い値段でしたが追加で投資しました。現在MOの株価は50ドルくらいですか。30%近い含み損です。

株価が下がるからタバコ会社の今後の業績大丈夫かな?って心配になります。FDAじゃないんです。FDAが規制を持ちだしてもマーケットが反応しないなら、私も焦らない。なーんだ株価が動かないってことは大した話じゃないんだなって思います。マーケットが過敏に反応するから、私の心も過敏に反応します。

健康志向から炭酸飲料の消費量は減少しています。個人的にもほとんど飲まないです。先日バーガーキングに初めて行きまして(テリヤキバーガー美味かったけど小さかった。。)、そこで半年ぶりにコーラを飲みました。普段ファストフードのセットドリンクはアイスコーヒーをオーダーすることが多いですが、今日は休日だしジャンキーに行ったろ!と思いコーラをチョイス。ゼロカロリーじゃない普通のコーラ。美味かったです。が、やはり健康的とは言えないから、たまにでいいです。コーラは私にとって「生活必需品」ではありません。

炭酸飲料のビジネス環境には逆風が吹いているはずだけど、僕はあまりコカ・コーラの業績を心配していません。なぜなら、株価が堅調だからです。最初41ドルくらいで買ったっけな。今は50ドルを超えてくれました。ディフェンシブ株にしては、しっかり株価も上がってくれて満足してます。配当利回りも3%近くありますし。

マーケットは炭酸飲料市場の縮小でコカ・コーラがオワコン化するとは思っていないようです。20倍超のPERがその証です。ペプシコも同じですね。だから安心できる。

すべてミスター・マーケット次第なんです、私の心理状態は。でも、それは仕方ない。私よりも遥かにマーケット(=すべての投資家の総意)の方が知識、情報を豊富に持っていることは疑いようがありませんから。

機関投資家の有名ファンドマネージャー(ハワード・マークス氏、ガイ・スピア氏など)の本を読むと、いかにマーケットの動きを逆手に取って逆張り的な発想を持つことが大切かが語られています。同調しない。「人の行く裏に道あり花の山」というのは株式投資の有名な格言ですね。これを実践しろというわけです。

ただ私はこういった本を読んでふむふむと思いながらも、自分がそれを実践するのは不可能だと思っています。不可能は言いすぎかもしれませんが、かなり困難です。そもそも、ファンドマネージャーは投資を生業にしています。四六時中投資のことばかり考え、業界や企業のリサーチに大量の金と時間を投じています。そういった背景があるから、マーケットの逆を行けるわけです。「根拠ある逆張り」です。

一方で私が同じことをやっても、それは「根拠なき逆張り」になってしまいます。マーケットが原油株を売りと判断している中で、果敢に買いに行けるだけの根拠を私は持ち合わせていません。そこまでエネルギー市場のリサーチをしていません。エクソンモービルやシェブロンなど主要企業の業績をウォッチしている程度です。業界の知識なんて皆無です。

だから、ミスター・マーケット(株価)に振り回されるのも仕方ないです。だって、私よりもミスター・マーケットの方が賢いんですもん。大人が逃げ惑っていたら、子どもはどうしていいかわからず混乱します。そんな感じです。私にとって株価とは、子どもから見た親みたいなもんです。著名なファンドマネージャーは株価を子どもだと思っています。「あの子また泣いてるよ。仕方ないなあ。」的な上から目線で株価を眺めることができます。なぜなら、それだけの知識と情報、経験値を持っているからです。

もうこれはどうしようもない。投資経験を重ねていったところで、所詮サラリーマン本業の片手間で投資をやることに変わりはありません。投資を本業にするくらいでないと、ミスター・マーケットを子ども扱いすることはできません。

これからも、ずーっとミスター・マーケットに振り回されることになると思います。仮にコカ・コーラ株がPER15倍まで売り込まれたら、「うわあ、やっぱ炭酸飲料市場もダメなんだー」って焦ること間違いなしです。逆にアルトリア株がPER20倍まで復活したら、「なあんだ、やっぱりタバコの需要は消えないんだ。よかった安心。」って思うんだろうな。

個別株投資に手を出した以上、ミスター・マーケットにグワングワン振り回されるのは避けられない。避けるためには株価を見なければいいけど、このスマホ時代にそれは不可能。嫌でも見ちゃいます。

サラリーマン投資家がリスク・リターンを最適化するには、ETFないし投資信託がよいと思います。個別株投資はミスター・マーケットに振り回されます。それを楽しめるくらいの余裕がないなら、こちらの世界には来ない方がよいと思います。。