コロナ過でもっとも積極的に財政刺激を行っている国はアメリカだと思っていましたが、違いました。隣国のカナダでした。

ウォールストリートジャーナルによると、カナダの新型コロナ関連の財政支出は約30.7兆円で、これは同国のGDPの約19%に相当する額とのこと。

カナダは国債の格付けAAAで財務健全な先進国。過度なインフレを起こすことなく、これだけの紙幣が刷れるわけですね。ただし、フィッチ・レーティングスはカナダの債務格付けをAA+にワンランク落としました。

以下のグラフを見て欲しいです。

(ウォールストリートジャーナルより)

カナダを筆頭に世界中が財政赤字です。世界のコロナ関連支出は12兆ドルに上ると言われます。

このグラフ見るとゾクゾク、ワクワクしませんか?

もしそう感じるならあなたはきっと生粋の資本家です。

私は職場のPCでこのグラフを見て、グフフとほくそ笑んしまいましたよ、恥ずかしながら。

政府部門収支+民間部門収支=0 です。政府部門の赤字は民間部門の黒字を意味します。つまり、世界経済は12兆ドルという大量のマネー供給を受けたということ。

このお金がこれから回り出します。まだ民間企業のPLには反映されていないお金も多いです。ワクチン摂取はまだ始まってませんし、貯金を取り崩して海外旅行しよう!という雰囲気ではまだないですよね。日本もまた自粛ムードですよね、最近。

でも、これからこの12兆ドルが火を噴くはず。英国ではファイザーのワクチンが承認されました。アメリカFDAもこれに続くはず。超冷凍保管というサプライチェーンの不安はあるものの、医療従事者や高齢者から順にワクチン接種が行われる可能性は高いでしょう。科学の勝利。

そして、世の中がコロナ前の状態に戻っていくわけですが、コロナ前と大きく変わっていることがあります。

それはみんなの貯金です。12兆ドルも口座残高が増えました。銀行の仮想マネーではなく、私たちの家計や企業などに直接お金が振り込まれました。実弾です。

このお金が回り出すことで得をするのは資本家です。労働者ではありません。

巨額の財政赤字がインフレをもたらしたら、結局株主の実質リターンは変わらないというオチもあり得ます。しかし、債券市場を見る限りそんなに物価は上がらなさそうです。

インフレなき経済成長。

最高じゃないですか。コロナ暴落を耐え抜いたご褒美でしょうか。ありがたく頂きましょう。まだ前菜が出てきたくらいだと思います。メインディッシュはこれから。