マンションの勉強、研究をしていると、社会の分断を目の当たりにします。

郊外で新築マンションが4000万円程度で売りに出されている一方で、都心部では築10年超の中古でも2億、3億円の物件がざらにあります。新築時と変わらないどころか、それより高い価格で販売されている例も珍しくありません。

なぜ都心のマンションはこんなに価値が(価格が)高くかつ維持されるんだろうか?

立地がいいから?

確かにそれもあります。ただ一番の理由は富裕層が気前よく買ってくれるからだと思います。モノの値段ですから、需要と供給がマッチしないと取引は成立しません。

千代田区の皇居近くにある某有名マンションは家賃約80万円に対して、販売価格は4~5億円もします。表面利回りは2%台です。それなら、借りた方がいいんじゃないのって思いますけど、それでも買う人がいるから市場で値が付くわけです。

いわゆる一等地と言われるところは、実はそんなに便利でもないです。スーパーなどの商業施設がたくさんあるわけでも商店街があるわけでもない。大使館とかはたくさんあるけど、別に自宅の近くに大使館があるからって役に立つことはないですよね。静かで治安はいいんだろうけど。あとは住所のブランドかな。番町とか。

不思議な世界だなと感じます。庶民の私にはなかなか理解できない。

「100円のコーラを1000円で売る方法」という書籍が昔ありました。

回答は「高級ホテルのルームサービスで出す」というもの。原価とか関係ないわけです。金持ちは100円も1000円も気にしない。コーラが飲みたいから飲むだけってこと。

マンションはまだ収益性(利回り)という資産価値の測定が可能だから、1000円のコーラほどぶっ飛んだ値付けは起こらないように感じますが、それでも1000円コーラに近いマーケットが存在する印象を受けます。

金持ち相手に商売ができると強いです。ルイヴィトンなどがそうですね。

世の中には、3億円のマンションくらい何とも思ってない層が一定数います。そういう人が目を付けるような物件は価格が落ちない。

だからって、私のような普通の会社員はどれだけ背伸びしても、千代田区や港区の一等地にあるマンションには手が届きません。そういうところに住みたいともあまり思わないし。

富裕層のコミュニティ、札束が凄まじい勢いでグルグル回っている世界に無理やりにでも忍び込んでみたいですが、不動産でそれを実現するのは難しそうです。

でも、株ではそれが簡単にできます。

アップルやアマゾンの株なんて、日本の不動産で言えば千代田区の一等地にある最高級マンションみたいなものです。

規制云々の逆風はありますが、結局金持ちはますます金持ちになるを体現しているのがハイテク大手です。金にものを言わせて法対応力、政治力も強いです。

こういう金持ちコミュニティの中に入っておけば、資産は長期的に増えていく可能性が高いです。金は天下の回り物ではないです。金持ちコミュニティの回り物です。その中に少しでも足を踏み入れておくだけで、かなりの恩恵があります。

不動産を通じて富裕層コミュニティに入るのは難易度が高い。数億円必要ですから。でも、株式を通じてなら簡単。

アップルの時価総額は2.4兆ドル。億ションどころではないお値段です。でも、その所有権はマンションの区分所有とは比べ物にならないくらい細かく分割されています。1万5千円ほどあればアップル株を1株買うことができます。

不動産の世界を知れば知るほど、株式の魅力に改めて気付かされます。優良株は1万円から買える富裕層コミュニティへの入場チケットです。

民主主義をうたいつつも、金持ちがさらに金持ちになるのが現実。であれば、金持ちと利害を共有するのが手っ取り早いと私は思います。