この前ネットサーフィンしてたら「働きがいのある会社ランキング2020」みたいなグーグル広告が出てきて思わずクリックしちゃいました。私がネット広告をクリックするなんて1年に1度あるかないかの珍事ですw。

タイトル通り、働きがいのある会社(日本企業)がランキング形式で紹介されていました。すべて覚えていませんが、自分の保有銘柄がランクインしてたのが印象的でした。たとえばシスコシステムズ(日本支社)、アッヴィ(日本支社)など。他には保有銘柄じゃないけどセールスフォース、モルガンスタンレー、SAP、イーライリリーなどの日本部門が上位にランクインしてました。米系企業ばかりで寂しいなあ~っと感じましたね。

「働きがい」ってよく使う言葉ですけど、具体的にはどういう意味でしょうか。人それぞれ感じ方は違うと思いますが、私は以下の2つの要素が重要かなと思っています。

・社会の役に立っていると思えること
・社内の人間関係が良好なこと

この2つが揃うと「ああ、働きがいのある会社だなあ」と感じるのではないでしょうか。

では、この2つの条件を満たす企業はどのようにして探すべきか。「働きがいのある会社」ランキングを調べるか。しかし、スクリーニングの基準が曖昧だったり、調査会社の主観が入っていたりする恐れがあります。ないとは思いますが、企業が献金して自社の順位を上げているかもしれません。

もっと定量的に客観的に「働きがいのある会社」を探せないか?

長期投資したい優良株を探すかのようにすればいいです。つまり、財務データを見て粗利率、営業利益率、ROE、過去の株主リターンなどが優れている会社を選別するんです。要は利益率の高い儲かっている会社ということです。

利益がしっかり出ているビジネスに携わってこそ、自分の仕事が社会に必要とされていると思えるものです。粗利率が高いビジネスは暴利を貪っていると批判されることもありますが、実際は高いお金を払ってでも欲しいと顧客に思われている高付加価値なビジネスを展開しているだけです。自社の商品、サービスがバンバン売れて利益が出ると、いい仕事できたなあと達成感を得やすいです。スタートアップ企業とかは別でしょうが。IPO準備企業みたいな。

利益率が高くてキャッシュリッチな会社は人間関係も良好になりやすいです。衣食足りて礼節を知る、というのは何も個人だけの話じゃありません。企業も一緒です。資金繰りカツカツの自転車操業で収支も赤字の会社は、経営者や従業員の人間関係もギスギスします。楽しく仕事をしよう!なんて発想は生まれません。将来のための人材投資を行う金銭的余裕も生まれません。目の前の仕事をこなして食いつなぐので精一杯になります。

儲かっている会社に勤めても労働者の給料はさほど上がりません。余剰利益は資本家が吸い上げます。それが資本主義のルールです。ただ、目に見える金銭的な給料は変わらなくても、就業時間の長さや研修制度、福利厚生といった労働環境のホワイトさといった直接金銭で測れない「報酬」は利益率の高い優良企業の方が圧倒的に多いです。「インセンティブ報酬で年収2千万も可能!」みたいな文句をたまに転職サイトで見かけますが、ブラックな臭いしかしません。

株式投資に興味があるくらいだから、あなたはきっとそこそこ懐に余裕があるかと思います。急に給料が途絶えても、今日明日の生活いや今後3ヵ月くらいは生活には困らないはずです。それくらいの生活防衛資金を持っていると、気持ちに余裕が出ますよね。余裕があるから人に親切にできたり、困っている人を助けてあげたりできます。貧すれば鈍する。お金がないと自分のことで精一杯になって周りが見えなくなります。

それは企業も一緒です。企業とは人ですから。

シスコシステムズやアッヴィは実際に働きがいのある会社なんだと思いますよ。例のランキングに偽りはないと思います。なぜなら、両社とも驚くほど高収益でキャッシュリッチなのをよーく知っているからです。そして、その財務データに惚れ込んで私は株を買っています。投資家として株を買いたい企業と、労働者として就職したい企業とはほぼ一致します。経理という業務内容が同じことが前提ですが。どうせ同じ経理なら、儲かっている会社で働きたいです。

投資家として財務諸表を読めるようになると、そのスキルは就職活動、転職活動で大いに役立ちます。てか、役立たせないともったいないです。企業の息がかかった転職サイト等の情報は割り引いて見た方がいいです。監査済みの財務数字は嘘を付きません。転職活動をするなら、候補企業の有価証券報告書を見るのは必須です。