20代は残業と住居費抑制で蓄財してきた

なんの自慢にもなりませんが(というか自虐ですが)、私の2500万円以上の金融資産の大半は投資ではなく労働で築いたものです。給料が原資です。最近の株価回復でトータルリターンはプラ転しましたが、米国株投資を始めた2016年からの年間利回りはしょぼいです。厳密に何%かは知らんけど、とりあえずS&P500指数に勝ててないことは確実。

いま社会人何年目だろうか?

2009年卒だから、えーっと、、12年目かな。まる11年働いてるのか。気が付いたらもう「若手」というカテゴリーから外れていました。ざっくり年間200~250万円くらい貯金している計算です。200万円×11=2,200万円で、そこに配当とかオンしたら今の金融資産額になりますかね。

今まで監査法人、上場企業経理と給料は平均以上ではありますが、特に20代の若い頃はそんな大した金額じゃないです。都内で一人暮らししながらですし。年200万円以上のプラス収支を11年も続けてこれたのは、主に2つのエンジンのおかげだと思います。収入面と支出面で一つずつ。

①残業する(収入面)
②家賃を抑える(支出面)

残業で稼ぐのは悪い選択肢ではない

サラリーマンは資本家に搾取される存在ですが、残業という制度は労働者に有利だと私は思っています。給料とは労働力の再生産費用です。明日も明後日も雇った労働者が元気に出勤して仕事できるように、衣食住その他娯楽等の費用を資本家は負担します。給料=生活費です。

年齢を重ねると子どもの教育費も嵩んできます(あくまで世間平均として)。高校、大学あたりがもっとも教育費がかかる時期でしょうか。そのタイミングで給料が高くなるように賃金は年功序列になっています。能力に関係なく一定のペースで上がっていきます。

子どもが生まれたら扶養手当が支給される会社が多いですが、それで養育費をペイできるわけありません。給料が上がっても、それ以上に生活費(労働力の再生産コスト)が上がることが多いです。

しかし、残業は違います。残業したら体力を消耗しますが、だからって生活費が急激に上がることはありません。仕事終わりの一杯を金麦からプレモルに変えるくらいではないでしょうか。私はよくこれやってましたw。「今日は残業で遅くなったから発泡酒じゃなくてビールにしよう!」って。最近はそもそも飲まなくなりましたが。

3時間残業して6千円もらえるとします。残業によって増える生活費は100円(金麦→プレモル)。仕事で帰りが遅くなると家で寝るだけの生活になって、逆に生活費が下がるくらいです。それが幸福かどうかはさておき、残業は経済的にはお得な制度です。金が余るから。労働者の給料というのはたとえ増えても生活費に消えることがほとんどなのに、残業代は生活費に消えません。

残業代は貯蓄として残りやすい性質があります。だから、特に若い時の蓄財の手段として残業するのはありだと私は思います。無駄に残るのは良くないけど、仕事があれば残業すればいい。んで就業規則に則って正当に資本家からお金を取ればいいんです。

経理は決算期が非常に忙しく、7,8年前は月100時間近い残業になることもありました。その残業代が投資原資になりました。これまでの累積残業代ってどれくらいだろうか。下手したら1000万円くらいあるかも。年100万円として。そりゃ言いすぎかな。少なくとも500万円はある。

残業で稼ぐなんてカッコ悪いと言われれば、それはまあ否定はできないですが、日本の会社がそういう報酬制度である以上、それを利用するのは仕方ないじゃんというのが個人的見解です。上司の評価なんてコントロールできないし、仮に良くてもそんなにボーナス増えるわけじゃないし。残業代の方が確実。

どうせ家にはほとんどいないから家賃はなるべく抑えた

支出面では住居費を抑えることが重要です。実家から通えるなら無理して一人暮らしする必要もないと思います。特に都内は家賃が高いし。

私はユニットバスのワンルーム(家賃6万円前後)、ボロボロの独身寮で20代を過ごしてきました。てか、33歳になった今もユニットバスです。家賃はちょっとグレードアップして7万円。家賃は収入の3割なんてもってのほか。そんなに使ったら金が余りません。1割~2割がいいです。

コロナ禍によるリモートワークの浸透で従来の蓄財戦術が使えなくなるかも

とこんな感じで、生活費アップに直結しない残業で収入を高め、支出もコントロールして蓄財してきました。余った金で株を買ってきました。長期投資は時間を味方に付けることが重要だから、20代のうちにそこそこの種銭を作り上げた方がベターです。

残業、家賃抑制という2つの武器は20代社会人が種銭を貯める上で一般解になる。そう思っていました。

しかし、コロナでそれが変わるかもしれません。

コロナ禍の影響でリモート(在宅)で仕事を続けている人もいると思います。うちの会社は少しずつ出勤に戻るみたいですが、今のところは原則在宅です。都内の満員電車はもう懲り懲りでしょう。上の世代ほど千葉など遠くから通勤している人が多くリモートの恩恵を受けています。

このまま在宅勤務が浸透すれば、上で書いた2つの蓄財戦略がどちらも機能しなくなる恐れがあります。

残業は在宅だと申請しづらいですね。うちの会社は在宅勤務では事前に上司の承認を得ないと残業申請できないので、なんか面倒という理由で遅くまで働いているのに時間外を申請していない人が結構います。とある同僚曰く先月は40時間ほど未請求とのこと。

NewsPicksで何度か「アフターコロナで仕事はジョブ型になる」という主旨の特集が組まれました。リモートで働きぶりが可視化できないこともあり、きちんと各人の職務を定義しようという流れが加速しているようです。これが日本企業にハマるかどうかは怪しいですが、流れとしてはジョブ型の方向に進むのはその通りだと私も思います。

旧来のメンバーシップ型からジョブ型となると、仕事の成果を労働時間で測る残業代という仕組みは廃れていくでしょうね。働いた時間なんてどうでもいいから決められた職務をこなせってことですから。

残業代という報酬制度がすぐに給与規則から消え去ることはないと思いますが、昔の私みたいに月60~100時間も残業して、割増賃金をもらうのは難しくなりそうです。

家賃を削るのも工夫が必要になります。ボロ家に住んでコストを抑えるというのは、どうせ独身で日中は家に誰もいないわけだから、住居費にお金をかけるのはもったいないよねという発想が根底にあります。

自宅で仕事をすることが日常となれば、若く所帯を持っていない期間であってもそこそこ良質な家に住みたくなりますよね。まあ、ここの価値観は人それぞれですが。私なら、今まで住んできた家でリモートワークはちょっと厳しいです。特に独身寮は無理。狭いし設備も劣悪。

アフターコロナの蓄財戦術

じゃあどうするか?

収入面で残業に頼れなくなりそうですが、その分時間が生まれます。残業しないから定時で上がれるのもあるし、後はジョブ型が浸透すれば労働時間という概念もなくなるかもしれません。フレックスタイム制を採用する企業も増えるでしょう。

その浮いた時間で副業することで収入を増やす作戦がいいかなと思います。

私はこのブログを趣味としてやっているので、ほとんどマネタイズできてません。と言っても、アドセンス収入、雑誌取材、投資講演会の講師などをさせてもらって、なんやかんやでお小遣い程度の収益はありました。最近は特にアドセンス収入は激減ですけどね。株価の下落率なんて可愛いもんですよ。

副業で稼げてない私が言っても説得力ないですが、インターネットのおかげで初期費用を抑えて色々やれる時代ですから、試行錯誤やってみる価値はあると思います。

副業は自分の好きなことをやるのが大事って意見もあるけど、趣味じゃなくてビジネスとしてやるという意識も大切かなと思います。趣味の延長で稼げるのが理想だけど、それはかなり難しいです。ビジネスと割り切ってやった方がいいのかなって思います。

んで、支出面の話。家をどうするかです。ここは難しいですね。今自分が20代前半で、仕事がリモートワークになったとしたらどんな家を選択するだろうか。今まで住んできた家は選ばないです。安いだけで狭いし設備的にも快適ではなかったし。

それでも何とか家賃は抑えたいです。固定費は大きいですから。9万円、10万円クラスの家には住まないかな。都内でもこれくらい払えばかなり良い家を借りれますが(一人暮らし前提)、負担が大きすぎます。

せいぜい7万円くらいかな。これくらいの金額でそこそこ広くて快適なアパート、マンションを探します。場所は職住近接は捨てて、都心から離れた場所で探します。たまには会社に行く日もあるだろうけど、そん時は我慢して通勤する。

通勤しないなら駅からの距離が離れていてもさほど問題ないかも。プライベートの移動を考えると駅から遠すぎるのも問題だけど。駅からの距離が遠くでいいなら、家賃は結構下がる印象があります。徒歩15分とかだとだいぶ下がりますね。

ありきたりな作戦ですが、場所を都心から遠くして高品質低価格の家を探す方向にシフトするのがいいかなと思います。ちなみに、私は今その方向で目下家を探しているところです。

魔法はない。地道にコツコツ財産形成するのが結局近道。急がば回れ。

そこそこ長文の記事だというのに、なんとも面白みのないことを書いてしまいました。でも、魔法みたいにお金が増えることはないから仕方ないんです。働いてお金を稼ぐ。支出を抑えて稼いだお金をなるべく残す。そして米株を買う。億万長者は無理ですが、百万長者でいいならこの戦術は再現性が高いと思います。

残業の代替策としてあげた副業は、真剣にやれば思わぬキャッシュを生んでくれるかもしれませんね。残業よりも夢があります。私も副業やってみたい気持ちあるのですが、米株がそこそこの規模に育つと、「もう株だけでいいや」って思っちゃうことがよくあるんです。運用額が増えると稼ぐ効率性が高まりますから。

在宅勤務で住居費が上がってしまうとネガティブに捉えることもあるかもしれませんが、給料=生活費であることを考えるといくらか会社が手当てを支給する流れになるかもしれません。また、上に書いた通り住む場所を工夫することで、家賃を抑えつつ良質な家に住むことができます。

アフターコロナ時代の方が楽しく蓄財できそうな気がしませんか。残業して遅くに帰って狭い家で寝るだけの生活なんて、いくら財産形成のためとは言え憧れないでしょw。綺麗な家で効率的に仕事をこなして、副業でプラスアルファを稼ぎながら蓄財できれば幸福度は高いと思います。

今の方が良い時代だと思います。まあ、そもそもリモートワークが浸透するかまだ過渡期でわかりませんけどね。